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第十六話 「鳥使いの憂鬱と一見和やかな古都の宴(中)」



 ルクサルディア城に到着したヴィーダルは客間に案内され、昼食には遅い時間であった為、多種の果実や焼き菓子などでもてなされた。

 出迎えた面々も同席し、隣にはシャナンが席を取りにこやかに対応してくれたおかげでヴィーダルは緊張しながらも大変幸せな一時を過ごした。シャナンの笑顔に見惚れていたので、テウタテスに呪い殺されそうな視線を向けられていた事には幸いにも気付かなかった。


 その後、夕食を伴う歓迎会までには時間があったので、領主夫妻と次期領主のエドが城内の案内申し出てくれて、ヴィーダルは手厚いもてなしに上機嫌であった。

 明日以降の滞在中に、城下町や遺跡も案内して貰える予定となっているのも楽しみだ。

 もう直ぐ歓迎会が始まり、ケルトレア国王や他の引退した騎士達にも会えるかと思うと、益々顔が緩む。

 彼の「鳥使い」ガルムの自分を見る顔が疲れ果てている事には、相変わらず気付いていない。


 歓迎会の為の着替えの手伝いを終えたヴィーダルの侍女が退室すると、寡黙な鳥使いも、とうとう重い口を開いた。

「我が君。ダグ殿下の仰った事を覚えておいでですか?」

 不意にそう言われて、ヴィーダルは目を瞬かせた。

 彼の頭の中は今、ケルトレア王に騎士物語の本にサインを頼むべきか否かという事でいっぱいだった。

「何のことだ?」

「……ケルトレア王国宰相の元に、ラズが厄介になっているのを覚えておいででしょうか?」

 兄王子の鳥使いの名を聞いて、ヴィーダルは、はっとした。

 やっぱり忘れていたんですね、という台詞を頭の中だけで言うガルム。

「ああ、そうだったな。ケルトレア王国の建国に一役買った、あのエクリセア王国の末裔か。会うのが楽しみだな」

 騎士物語を愛読している為にケルトレアの歴史にも興味のあるヴィーダルは、そう言って嬉しそうに笑った。


 ケルトレア王国現宰相サイモン・エクリッセの二人いる父親達が領主を務めるエクリッセ伯爵領土は、400年ほど前までエクリセア王国があった領土そのままである。

 ケルトレア王国建国の際に、ケルトレア王家の配下に下り統一の協力をする代わりに、無血でエクリセア王家がそのまま領主となり、エクリセアの領地に手出しをしない事を認めさせて条約が結ばれたのだ。


 エクリッセ領土の主都はエクリセアといい、非公式ではあるが領土全体を今でもエクリセアと呼ぶ者も多い。文化も異なる為に400年経っても他国であった土地という認識が強く、エクリセア出身者は「エクリセア人」と呼ばれることも多く、又自分達でもその呼び名を誇りに思い結束も固い。

 現在ケルトレア王国宰相を務めるサイモン・エクリッセは、その名のとおり、エクリセア王家の末裔である。エクリセア王国がケルトレア王国の配下に入っていなければ、エクリセア王国の次期国王であった人で、エクリセア領内ではそのように扱われている。


「……エクリセア王国は変わった国であった聞きました。今でもエクリセア地方出身者は変わり者ばかりだとか」

 ガルムが少し嫌そうな顔をして言うと、鏡を見てこの日の為に新調した服を確認しながらヴィーダルが頷いた。

「ああ。美の女神を主神に崇め、宝石や美術品と高度な魔具を愛し、強力な魔力と高い頭脳を持つ、赤毛に緑の瞳の民族だと聞く。デリング兄が密かに憧れている」

「デリング殿下が?」

「ああ。昔、魔具の研究にエクリセアに行きたがっていた。今でも行きたがってるんだが、ダグ兄が許さない」


 微妙な顔をする主にガルムは首を傾げる。

「何故ですか? 魔具の研究は国に大いに貢献するのでは?」

「……エクリセアの者は美しいものに目がないから、美しい人間にも目がないらしい」

「ならば、デリング殿下は優遇されるでしょうから、かえって都合が良いのでは?」

 ガルムは益々首を傾げた。

 男に興味はないが、第二王子デリングは誰もが見惚れるほど美しい男なのだという事は理解している。

「ダグ兄は、エクリセアの者はデリング兄を見たら返してくれないだろうと予測してる」

 それを聞いて、ガルムは心底嫌そうな顔をした。

「……なるほど」

「これを見てみろ」

 主がごそごそと荷物の中から、本のようなものを取り出した。

「……なんですか、これは?」

 開いてみろ、と視線で言われ、ガルムがその青く染められた革表紙の本のようなものを開くと、中には手に納まるくらいの大きさの厚紙に描かれた絵が綺麗に並べられていた。


「ケルトレア騎士姿絵カードだ」

「……」

 主のケルトレア騎士好きもここまで来ると、呆れて言葉も出ない。寧ろ、情けなくて涙も出ない。

 ヴィーダルが頁を何枚かめくって、一つの姿絵を指差した。

「この騎士、デリング兄と少し似ているだろう? この人気のあるカードを、ケルトレア国外で手に入れるのは大変なんだ」

 指差されたの姿絵に描かれているのは、赤みがかった長い金髪の巻き毛と、髪と同じ色の瞳を持った美しい騎士である。

その中性的で神々しい雰囲気の美しさは、確かにデリング王子と似ている。

「確かに、少し似ていますね」

「ケルトレア一の美人と詠われた聖五騎士だ」


「……女ですか?」

 ガルムは驚いて姿絵をまじまじと眺めた。確かに中性的だが、男に見える。

「いや。男だ。女と見紛うほどの美しさという意味で美人と呼ばれていたらしい」

 なんだ、そういうことか、とガルムは納得して頷く。デリングが他国で「傾国の美姫」と呼ばれるのと同じだろう。本人にしてみれば大迷惑だろうな、と姿絵の騎士に同情をした。

 デリングも女扱いされるのを酷く嫌う。男なのだから、当然だろう、失礼極まりない、とガルムは思う。

「その点でも、デリング殿下と同じなのですね」

「ああ。この美しい騎士なのだが、エクリッセ家の姫と結婚している」

 なるほど、そう繋がるのか、とガルムは合点がいった。

 それを知って、ダグは美貌の弟の身を案じているというわけなのだろう。

「……それで、デリング殿下は、エクリセアに魔具の研究に行けないのですね」

「ああ」


 王太子の弟王子達への溺愛っぷりを又思い知らされて、ガルムは本題を思い出した。

「……話が逸れましたが、ダグ殿下がくれぐれも宰相に宜しくと」

「ああ。……変わり者の前に曲者なんだそうだな」

「味方に出来れば彼ほど心強い者はいないから、きちんと味方にしておくように、とのお言葉でしたね」

 その台詞を言った時のダグの顔を思い出し、ガルムは思わず寒気がした。

 あの方は恐ろしい。たまに出す本性を見ると、只者でないことが良くわかる。寧ろ、本性を隠して笑顔でいる時の方が、何を考えているの分からなくて益々恐ろしい。そうガルムは思った。


「ああ。ダグ兄があそこまで言うのだから、心してかかろう。仲良くなれると良いな」

 そう言いながら、ヴィーダルは自分の荷物を漁る。

 目当ての物を発見して、嬉しそうに笑う主にガルムは言った。

「……本にサインを頼むのはお止めになった方が宜しいかと」

 ヴィーダルはギクリとしてから、縋るような目でガルムを見た。

「……どうしてもか?」

「歓迎会では、他の方々の目もありますゆえ……」

 ガルムの言葉にヴィーダルは溜息を吐いて、手にしていた騎士物語の本を机に置いた。

「そうか。そうだな。またの機会にしよう」

「……姿絵カードも、止めてください」

 カードを保管してある冊子を手に持つ主を諌めると、泣きそうな顔をされた。

「……しかし! この機会を逃しては、騎士達にサインをもらえる機会が!! ……せめてライオネル公のサインを……」

「止めてください、我が君」

 泣きたいのはこっちですから!! 又、頭の中だけでガルムは台詞を言ってみた。





 ガルムの必至の説得によりサインを諦めたヴィーダルの歓迎会は滞りなく進み、ケルトレア国王や騎士達との興奮の対面も、他のケルトレア王国の要人達への挨拶も、食事も一通り済ませたヴィーダルは、ほっと一息ついて手にしていた葡萄酒の入ったグラスに口を付けた。

 ふと視線を感じて、そちらの方向へ顔を向けると、遠い所でシャナン王女と目が合った。

 心臓が高鳴るヴィーダルが会釈をすると、王女は、ふわり、と花のように笑えんだ。



 目を見開き頬を染めてシャナンに見惚れているヴィーダルを見て、シャナンの横にいるイーディスが小声で言った。

「いけそうじゃない? 第三王子」

「やっぱり、そう思う?」

 可憐な微笑を保ったままシャナンが聞くと、イーディスは頷いた。

「うん。あれは典型的な騎士タイプね。『囚われの姫君を救える騎士はあなただけ! 姫はあなたを待っているのです大作戦』が最適ね」

「微妙な作戦名ね……」

「そう? 絶妙だってば。……兎に角、儚げ可憐なお姫様で攻めれば落ちるわね。ふふふふふ」

 楽しそうにイーディスが笑うと、シャナンは肩をすくめた。

「腹を括るわ」


「とか言って、第三王子、見た目はかなりシャナンの好みでしょ?」

 にやっと笑ったイーディスに、シャナンはちょっと嬉しそうに笑う。

 長身で逞しい体つきに端正で男らしい顔立ちのヴィーダルは、「武人らしい男」というシャナンの好みに当てはまる。

「うん。実は外見はかなり好みなのよね。中身は、まぁ……悪い人じゃなさそうだし」

「かなり鬱陶しそうだけどね」

「……ちょっとね」

 そんなことを言われているとは露とも知らないヴィーダルは、ケルトレア貴族達と話をしながらも、二人のことをちらちらと見ている。

「ああいう男は弟で扱い慣れているでしょ? テウタテスがもう一人増えると思えば良いじゃない」

「う~ん。それもどうかと思うけど……」

「計画どおり、まず私が下準備をするから、大人しくしててね」

「うん。頼んだわ。イーディス」

「任せて!」




「楽しんでいらして? ヴィーダルさま?」

 ヴィーダルが独りになった隙を見てイーディスが単身近付き声を掛けると、ヴィーダルは少し頬を染めてイーディスを見つめた。

「はい、イーディス姫。立派な歓迎会をありがとうございます」

「うふふ。こちらこそ、そう言って頂けて光栄ですわ、ヴィーダルさま」


 目尻が少し釣り上がりぱっちりした猫のような大きな目が愛らしいイーディスに見上げられて微笑まれると、ヴィーダルは胸が高鳴った。

(か、可愛い!! ……ああ、だが、人妻!! ネーゼタウィ王国の第二王子妃だからな。国際問題になりかねない……はぁ。……は! そうだ! 末姫はまだ一人身だったじゃないか!!)

 見回してみたが、ルクサルド公爵家の末娘アリスの姿は見当たらない。

「あの、イーディス姫。妹姫をお見かけしないのですが、如何なされたのでしょうか?」

「アリスは体調が優れないとのことですので、部屋で休ませておりますわ」

「体調が!? で、では、お見舞いに……」


 明らかにアリスを狙っている様子が見て取れて、イーディスは眉を寄せた。

「いけませんわ、ヴィーダルさま。妹は5歳の時からの婚約者を深~く愛しておりますから」

 イーディスの言葉に、ヴィーダルはあからさまにがっかりする。

「アリス姫には婚約者がいらっしゃるのですか……」 

「ええ。今回のルクサルディアでの警備責任者として先程ご紹介させていただきました、聖五騎士のキリアン・ブラヴォドが妹の婚約者です」

 名前を聞いて、ヴィーダルはキリアンを目で探すと、会場の隅にその麗姿を見つけた。警備責任者な為に騎士服を身に纏った彼は無表情を保ち、歓迎会を楽しんでいる様子は無い。

「……あの、綺麗な騎士殿か」

 ケルトレア王国騎士姿絵カードで、彼の父親同様にいつも売り切れている騎士だ。そう思い、その流れで、王都ケルアに行けば、今まで入手できなかった姿絵カードも購入できるぞ! などと思い付くヴィーダル。


「ふふふ。そうです。あの綺麗なのがキリアンです」

「私の次兄に少々似ていますよ」

 というか、先程ガルムに見せた姿絵カードの騎士、つまりキリアンの父、と良く似ている。

 中性的な美人度は父親の方が上だが。

「あら。美しくて有名なデリング王子と? それは光栄ですわね。キリアンの父は、それは美しい人でしてね。若い頃は『ケルトレア一の美人』なんて呼ばれていましたの。勿論、男性なのですけれど」

 知っています。

 姿絵カード持っていますから。

 そう言ったらガルムに怒られそうなので、黙っておくヴィーダル。


「幼い頃にアリスが一目惚れをして婚約したのですけれど、相手もアリスを大切に愛してくれていて幸せな二人なのですわ」

「……そうですか」

 あからさまにがっかりするヴィーダルに、イーディスは畳み込む。

「それにダグ王子がシャナンとご結婚されて、アズルガートとケルトレアが手を結びましたら、これ以上この二国間で婚姻を結ぶ意味はありませんものね?」

「……確かに、それは、そうですね……」

 でも、あんなに可憐で可愛かったのに……とアリスを思い出してヴィーダルは溜息を吐く。


「ヴィーダルさまには婚約者はいらっしゃらいませんの?」

 人のいないバルコニーへさり気なく誘導しながら、イーディスは尋ねた。

「はい、残念ですが……」

「そうですの……」

 気の入っていない答えをするヴィーダルに、イーディスは儚げな表情を作って見せる。ヴィーダルはどきりとしてイーディスを見つめた。


「ではこの先、どこかの国の会った事もない姫と、祖国の利益の為にご結婚されるのでしょうね。わたくしのように」

 ほうっと切なげな溜息を吐くイーディスに、思わず抱きしめたい衝動に駆られるヴィーダル。

「……イーディス姫は、ネーゼタウィの王子とご結婚されてお幸せではないのですか?」

 だったら俺が、あなたを攫って……などと口にしそうなヴィーダルに、少し離れた所で控えているガルムが青ざめた。

「どうかしら……好いた男と結ばれる事を夢見るのが乙女というものですわ」

 意味深な微笑みに、ヴィーダルは又心臓がどきどきと高鳴るのを感じる。

「シャナン王女は……その……お心に誓った方がいらっしゃるのでしょうか?」


「……いいえ。逞しく男らしい騎士の迎えを夢見る可憐な姫なのですわ」

「やはり!!」

 では、ダグ兄がシャナン王女の騎士に……と言おうとすると、イーディスがうっとりとヴィーダルを見つめて言った。

「ヴィーダルさまが、お相手でしたらよろしかったのに」

「俺だってシャナン王女を妻に迎えられたらどれだけ……って、ええ!? ……イーディス姫?」

 驚いて、思わずイーディスの顔をまじまじと見つめる。

 イーディスは不思議そうに首を少し傾げてみせた。


「だって、ヴィーダルさまは、まるで姫を迎えに来た騎士ではありませんか」

「そ、そんな、俺なんか、そ、そうですか!?」

 ケルトレアの姫にそんなことを言われるとは夢のようだ。

 ヴィーダルは興奮して、身を乗り出した。

「……ええ。ほら、わたくし達は騎士に囲まれて育ちましたでしょう? 男の方はやっぱり、武人が良いんですの。ヴィーダルさまの武勇のお噂は耳にしていますわ。シャナンもお会いできるのを楽しみにしていましたのよ」

「ほ、本当ですか?」

「ねぇ、ヴィーダルさま……。国同士が手を結ぶのに、シャナンのお相手はヴィーダルさまではいけませんか?」

 イーディスの言葉に、ヴィーダルは再び衝撃を受ける。

「え!? ……そ、それは……」

「好いた男に抱かれたいと思うのが女ですわ。シャナン、ヴィーダルさまなら……」

「え!? だ、だ、抱かれ……」

 驚き過ぎて頭が混乱したヴィーダルは、真っ赤な顔でぐるぐるする思考をどうにかまとめようと奮闘する。

 可憐な姫が、そんなことを口にするとは、とにかく余程の事だろう。


「わたくしとしたことが、おしゃべりが過ぎましたわね。でも、どうか、シャナンのこと、考えて下さいませね?」

 艶やかに微笑んでから優雅に礼をするとその場を去ったイーディスを呆然としながら眺めていると、シャナンが微笑みながら声を掛けてきた。



「ヴィーダルさま、お疲れではありませんか?」

「シャ、シャナン王女……いえ、お気遣いありがとうございます」

 がちがちに緊張しつつ興奮した面持ちのヴィーダルに、シャナンは可憐ぶりっ子笑顔を向ける。

「宜しければ、その、ケルトレアについて色々教えて頂けませんでしょうか? 幼少の頃からあなたの国に憧れていまして……」

 先程のイーディスとの会話に混乱しつつも、シャナンと二人きりで話せる機会に騎士物語の話を聞こうと試みる。

「まぁ! 本当ですの?」

 可憐ぶりっ子全開で、両手を胸の前で合わせて、嬉しそうに頬を染めるシャナン。

 眩しすぎて目が眩みそうなヴィーダルは、何とか頷いてみせる。


「大変光栄ですけれど、また、どうして?」

 愛らしく小首を傾げるシャナンに、ヴィーダルは頬を染めた。

「その……子供の頃に騎士の伝説物語りの本を読んで以来、憧れていました」



(こんなにちょろくて良いわけ、第三王子!? ……裏があるんじゃないでしょうね?)

 可憐ぶりっ子をしながらも、シャナンは注意深くヴィーダルを観察する。

「まぁ、素敵! ……わたくしもですわ」

「え?」

「わたくしも、騎士物語に幼い頃から憧れておりましたわ。この国に生まれた者は大抵そうなのですけれど。ふふふ」


 可憐ぶりっ子のままヴィーダルと話を続けながら、シャナンは問題にぶち当たった。

 どうやって先に進むのかわからない。

 このままでは、いつまでも清く正しい関係が続きそうだ。


(……既成事実って、つまりは閨に誘うってことよね? 可憐ぶりっ子なら得意だけど、可憐ぶりっ子から一体どうやって魔性の女に移行すればいいわけ? 魔性の女なんか演じたことないし! っていうか、この王子、魔性の女なんか好みじゃなさそう。

……儚げ可憐ぶりっ子で魅了するのは簡単だったけど、その先どうやって既成事実に持ち込むのよ!? ……私、経験ないんですけど!! 相手がリードしてくれなきゃ無理だってば!! いや、一応一通りの知識はあるけど……。ちょろいと思ったけど、中々難しいかも……。イーディスに相談しなくっちゃ! ……経験者だし)


 色々と非可憐な事を考えながらも、表面上は可憐な姫として会話を続けるシャナンは、イーディスと作戦を練り直す必要性を感じていた。

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