後始片付けはきっちりと、来たときより美しく
書き溜めにちょっと手を加えるだけなんでサクサク投下できます。
勇者だってホントはいい娘なんだよ?
まず一言だけ言わせて。ありがとう
「よせ。小生はお前を殺した張本人だぞ?」
ううん、それを言うなら私もそう。あの夜に、私があなたに瀕死の重傷を負わせた。あなただって気づいてたんでしょう? 私のヤンデレがあの変な物体のせいだってこと
「いいさ。小生は死にぞこなって、死神になった。死にぞこなったときに、やっと気づいた…………もっと早くに気づけなかった小生の責任だ。あれだけ強大な力を持つものをなぜ感知できなかったのか…自分自身に反吐が出る」
もういいよ。いつだってあなたは私を救ってくれるヒーローなんだから、ヒーローが弱音はいちゃだめ。…………もういかなきゃ。最後に言わせて。
あなたに会えて、よかった
数日後……
魔王「……こんなものか死神? 軟弱者め、チート能力を身に着けておいてこの程度か」
死神「クッ……うッ……クソッ、なんで小生が……うぐ?! やられっぱなしでは腹が立つ! そうだ魔王もしてばかりではつまらないだろう?」
魔王「わ、私はこういうことは苦手だから……」
死神「安心しろ、優しくしてやる。ほぅら……」
魔王「あうぅ……」
魔王「ふあぁぁぁぁ……きくぅぅぅ~~~」
死神「死神流・体内気力活性化マッサージ術だ。大量に魔力を使った後はこれさえしとけば魔力・体力回復速度がダンチだ。それにしても魔王の足ツボマッサージ、結構効いているようだな、なんだか体中が軽くなるというか」
魔王「足ツボを介して体の悪いところを魔力で見的必殺するんだ。怪我の治りや内蔵機能の回復などが見込めるぞ」
また次の日
死神「ほら、よく開いて見せろ。でないと入れられん」
魔王「む、むぅ……こういうのは……やはり怖いというか…」
死神「大丈夫だ。怖くない。ほら、力抜いてみ」
魔王「ん……んぁ…」
死神「どうだ…?」
魔王「すごく……気持ちいい…」
死神「潰れた目を放置しておくわけにもいくまい。死神印の治癒目薬だ、2~3日の服用で視力が戻り始める。それまでこの眼帯つけとけ。付けてる間はそれが目の代わりをしてくれる」
魔王「どこまでもチートな世界だな、死神の世界は」
死神「そう褒めてくれるな、死神でも照れる」
魔王「お前が作ったわけじゃないだろう?」
死神「ん、まぁな」
死神・魔王「ハハハハハ!」
そのまた数日後
魔王「ふむ、だいぶ城内勤務志願者は絞り込めたな。あとは面接か。さすがに疲れた……」
死神「まさか配下の魔族全員殺されてるとは思いもしなかったな、魔物課の死神は徹夜続きだろう。まったく、傍迷惑な話だ。ほれ、書類もって来たぞ」
魔王「悪いな。死神にも種類があるのか?」
死神「ああ。もっともメジャーな人間課、それと動物課、物品課、植物課その他エトセトラ。ちなみに小生は特殊魂魄課だ。許可が下りれば神を刈りにいくこともある」
魔王「いいのか?神など殺してしまって」
死神「神はそもそも肉体の概念が存在しない。自分たちで作った魂の器に入っているんだが、その器が年代劣化することがある。
だからたまに器を変えるんだが、そのとき邪悪なモンが前の器に入ったりするんだ。それをぶっ壊して悪魂魄を刈るのが、小生に割り振られた仕事だ。器を作ったりもするが、普段はもっぱら作るほうだな」
魔王「なるほど、場合によっては神を殺すようなこともあるからチート能力を持っているのか」
死神「まぁ今回は特例だ。需要によってチート勇者が生まれたときとかに出勤することもままある。最近はマジで手が負えん」
魔王「……時系列がおかしくないか?」
死神「時間の流れ方が違いすぎるんだよ。こっちでの一時間はむこうでは何百年とかに匹敵することもある。まぁ刻の神の気まぐれしだいで、時間の流れ方が遅かったり早かったりするんだが」
魔王「なんていい加減な世界だ……」
ズズ……
死神「むっ…?!」
魔王「どうしt…」
バシュッ!!
?1・2・3「「「死神さm……」」」
死神「他人の家に上がるときは転移術じゃなくてインターフォン押して入ってくるようにって何回いったら分かりやがるんだこのボンクラ後輩共がぁぁぁ!!!」
スッパァァァッァァーーーーーン!!
?1・2・3「「「ぴぎゃぁぁぁぁ?!」」」
ドコーーーン!!
魔王「……ハリセンであそこまでぶっ飛ばしやがった……挙句城の壁一部ぶっ壊れてるんだがどう弁明する死神?」
死神「とりあえず玄関からやり直し! 後そこ直しとけ!」
?1・2・3「「「理不尽だーーー!!不幸だーーー」」」
魔王「丸投げしやがった」