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死神と魔王ともろもろと  作者: 虚構の頂 黒月古城
死神世界からこにゃにゃちは 編
4/15

それはもはや勇者でもなんでもなく

いまさらプロフ


魔王  17歳 女


歴代最強と謳われる現魔王城当主。その力は半端じゃなく、寝相で最上級属性呪文をぶっ放す花も恥らう10代の乙女(笑)統率者としても有能。まさにチート。


最強といえど頭の頭頂部のちょっとした角を除けば普通のかわいい女の子。赤銅の髪と眼、健康そうなつやとハリのある肌。どっちかというとスレンダー体型



死神 **歳 男


白髪緑眼のそれなりのイケメン。あくまでそれなりである。大切なことなので2度いいました


いちよう(何故か変換でできない)神様の部類なので、魔王の本気の呪文ですらハナクソほじったあとピーンみたいな感じで吹き飛ばすチート中のチート。最近家事スキル身につけはじめました



勇者 18歳 女


大きな双子山がチョモランマ。今はココまでしか言えません

数日前  人間界 王宮




王「どうしても行くというのか? 勇者よ」



勇者「はい、私はどうしても行かなければならないのです。倒れていった私の仲間たちのためにも……そして魔法使いのためにも。私が先駆け兵となれば進行も容易いでしょう」



王「そなたの婚約者だったか。彼を失ったのは真に辛い。あれほどすばらしい魔法の使い手はもう現れんだろう。だがさすがに一人で行くというのは……」



勇者「一人で行きたいのです。自分の目の前で仲間が死んでいくのを見たくありませんし……もし倒れたとしても、私の魂はヴァルハラで彼の魂と結ばれるはずです」



王「そうか。ならば致し方あるまい。そなたに神のご加護があらんことを」



勇者「はい」




カッ カッ カッ     バタン






王「……勇者も変わったな、よい方向に。だが……なぜだ? なぜこうも胸騒ぎがするのだ?」






コツ コツ コツ  コッ…







勇者「待っててね、魔法使いクン。私があなたを助けてあげるからね。フフ……フフフフフフフフ」






時はすぎて数日後~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





「死神殿」



やたら大きくて邪悪な外見をした蜂がどこからともなく飛んできた。しかも喋っている。魔界の蜂よりは少し小さいが、あちらは本能のみで生きている。毎年魔界蜂の被害が報告されている。私の最近の悩みの種の一つだ



死神「メールビーか。仕事か?」



魔王「それはなんだ死神?」



死神「使い魔の一種だ。どーやら仕事らしい。それすなわち勇者が侵攻をかけてくるらしい、とっとと戻って着替えるぞ!」



魔王「私は転移魔法は苦手なのだが……」



死神「しゃーねぇ、よし、じゃあいくぜ!! チェンジ、死神ターンアップ!!」



死神が大げさな動作で格好をつけると、どこからともなく黒い煙が死神を覆う。次の瞬間、煙を死神の大鎌で切り裂いて普段の死神が姿を現す



死神「さって行きますか。よっと」



何気ない動作で私の膝裏と肩に手を回し、持ち上げる。これはまさに俗に言う……



魔王「(なっ?! これは俗に言うお姫さまっk)」



死神「いや~~~~っほぉぉぉぉお~~~~!!!!」



魔王「ひぎゃぁぁぁぁぁ?!」




次の瞬間私の体は上空へと飛翔していた










~~~~~~~~~~~~~~~~~~




下級魔物「うわぁ~~! 逃げろー!!」



スケルトン「臆病者は逃げろ! フハハハ!! やはり実践は楽しいなぁーーーー!!」



一瞬にしてばらばらに分解、そして次の瞬間には骨の一つ一つが小型ビットとして勇者に雨あられと魔法弾を浴びせかける。だがいかんせん、骨が小さい分威力は小さい。手数で戦うタイプだ



勇者「ちょこまかとうっとうしい……ラー・スパーク」



凄まじい閃光が勇者の掲げた剣から発せられる。その光はスケルトンの頭蓋の空洞を焼き尽くさんばかりに輝いた



スケルトン「うぎゃぁぁぁぁ?! 目がぁぁぁ?! あれ? 俺目あるの?」




勇者「一閃。セベク」




スケルトン「おのぉぉぉぉーーーーーれ…」



アラクネ「スケルトン! くっ、こいつは異常事態、ねっ!!」




アラクネの指先から金属すら切断するしなやかな白銀の糸が伸びていく。それは次の瞬間に勇者の首めがけて凄まじい速さで飛んでいく




キュラキュラキュラ……ギュラッ!!




ガシィ!




勇者「下らないわね。あや取り遊びがしたければ地獄でやってなさい。さよなら」




ブチブチと白銀の糸が勇者の手によって脆くも引き裂かれていく。勇者はさも当たり前といった風に糸を投げ捨て、そのまま剣を構えて突進する。



アラクネ「私の糸を素手で引きちぎった?! ッ!」








ガーゴイル「ぬぅん!!」



アラクネ「ガーゴイル!?」


アラクネの前に躍り出たのは、ロマンスグレーという言葉がよく似合うホモ紳士ではなく、醜い怪物の姿をした生きた石像だった。




ガーゴイル「これでも魔王様に仕える魔族の端くれ……わが石の身体、我が心が折れぬ限り砕けはせん!! えぇやぁ!!」



腕をクロスさせガードし、そのまま挟み潰すように勇者の剣を砕く。その石の体は並みの武器では傷つけることすらできない。相手が勇者でなければ




勇者「さすが魔王城の護衛、一筋縄ではいかないわね。まぁ」




一瞬だった。使い物にならなくなった剣を捨て、次の瞬間には装備品を切り替えてガーゴイルを切り捨てたのだ。彼の体は脆くも粉々になり、ただの瓦礫の山と化した




ガーゴイル「なっ……2本目の……剣………」



勇者「初期武器でここまでこれたのだから十分かしら。オーガの城で城ごと叩き切ったとき刃こぼれしちゃったまま来ちゃったからしょうがないわね」




そのまま勇者は虐殺と蹂躙を繰り返しながら魔王城を進む。魔王城はもはやモンスターの屍山河で真っ赤に染まっていた






勇者「ここね、魔王の居る玉座は」








ギィイ……ガコォォーン…




厳かで荘厳な部屋。巨大すぎるレッドカーペットの行き着く先、これまた荘厳で厳かな、使い込まれた椅子に座るは魔王。




その隣になんか黒マント黒ローブガイコツ仮面の見た目からしてイタい人が一人、ティッシュを片手に耳かきをしている



勇者が入ってくる様子を見届けると、魔王はゆっくりと椅子から立ち上がる








魔王「よく来たな、勇者。まずはここまで来れた貴様に敬意を払おう」



死神「あ、やべ、さっき風呂入るんじゃなかった。耳クソ湿ってるわ」



勇者「一人じゃ勝てないからって二人がかり? 落ちぶれたものね、魔王も」



魔王「こいつは関係ない。ただの傍観者だ。始めるぞ!……ふん!!」




手始めに魔王が中級火炎呪を放つ。普通なら中級モンスターにそれなりのダメージを与えるくらいで終わってしまうが、魔王は違う。放たれた炎は村ひとつ蒸発させるのも余裕なくらいの威力を秘めていた




だが





勇者「無駄。早く本気で来なさい。後そこのあなた、戦わないなら下がってなさい。邪魔よ」



あろうことか片手で火炎呪を掴み取り、握りつぶす勇者。その手のひらには焦げ跡すらない



その様子を見届けると、死神はゆっくりと前に歩み出た



死神「そうはいかねぇな。あ、悪いな魔王。小生嘘ついてたんだ」



魔王「なに?!」





死神「こいつの魂は非常に面倒なことになっててな、魔王でも倒せないレベルになってんだ。というわけで小生も加勢する。さっき死神明王の許可も取った。死神の業は死神によって償われなければならない」



魔王「ふざけるな! 必要などない! 長きに渡って続けられてきた聖戦は誰にも邪魔はさせん!」



死神「こいつが例の魔力結晶を持っていたとしてもか?」



魔王「!!」



死神「これは神すら予期しなかったイレギュラーだ。先輩が落とした財布のせいでえらいことになってんだ、死神が落とし前つけんのは当然だろう。それで? お前はこいつを使って何をしでかそうとしている?」





死神の質問に、陶酔するような表情で語り始めた勇者。




勇者「察しがいいわね。そうよ、私はこの力を使って彼を蘇らせるの。そのためには魔王城の最下深部に存在するといわれている冥界への門を開き、彼の魂を回収することが必要。魔王を倒してそこへの鍵をいただくわ」





死神「クッククク……ひぎゃははははははははははは!!!! ぶほはっ?! き、器官に入った?! げーっほげほげほ!! …おぇ」




魔王・勇者「「(大丈夫かコイツ)?!」」







死神「ところで勇者。その蘇らせる彼ってのは……こんな顔をしていなかったか?」



少し前のときのように、仮面が小さく変形トランスフォームしていく。程なくして、死神の素顔が外気に触れた







勇者「なっ………!? ま、魔法使い……クン?」



魔王「どういうことだ死神?!」



死神「元人間なんだよ、小生は。数年前お前の父親、つまり先代魔王のときに進攻をかけてきた勇者一行のなかに小生はいた」





死神「勇者、お前の気持ちには気づいてたよ。小生が好きだって」



勇者「////」



死神「だが小生は拒絶した、お前の気持ちを。お前の中の恐ろしいものに気づいてたからだ。いつからかお前は変わった。


使う武器は禍々しい呪われた闇属性、使う魔法は毒や酸の魔法、挙句の果ては何の力もない村まで焼き討ちにして皆殺しだ。もうたくさんだ。小生は戦士と僧侶を説得、一度人間界へ戻り、勇者と離れることを薦めた。



その夜だったな、戦士と僧侶が居なくなったのは」






死神「清清しい顔をしておきてきたな、勇者は。剣に戦士と僧侶の血糊をつけて!! 何故二人を殺した?!」



勇者「……フフフ。だってあの二人、私と魔法使いクンの仲を邪魔しようとしてたんだよ? 死んで当然じゃない? そっかぁ。気づいてくれてたんだ。ウフフ……あははははあはははははははははは!!!!!!」






死神「もうだめだこいつ、とっとと狩とらねぇと。魔王、準備はいいか?」




魔王「ちぃ、仕方あるまい」







死神・魔王「征くぞ!!」


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