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ヒャッハー!←三下  フハハ!←かませ犬  ククク…←厨2病

なーんか同じような光景をどこかで……あ、某海賊マンガの戦争編……

ポニテ「まずいよ、向こうの力がちょっとずつ上がってきてるんじゃない?!」



ツインテ「魔力結晶を使っているようだ、力の使い方にためらいがなくなってきている。このままでは 死神の体とはいえ長くは持つまい。あれは単に力のリミッターを開放するだけであって、生物の体には異常なまでの負担をかけるものなのにな」



ポニテ「死神が使っても狂人化するだけだっていうのに……」



マゲ「中途半端な情報は破滅を導く。死神明王の弟があせっていた証拠だな。今となっては牢獄の中だが」







~~~~~魔王城 城壁前



雷骨「とんでもない置き土産をしてくれたものだ……! うぉぉーーーーー!!!」



下級死神「なだれこめぇ!! 数で圧倒するのだ!!」



雷骨「ぬぅ?! ……まだだ、まだ私の意志は朽ち果ててなどいない! 蘇ったとき、仲間と自分に誓ったのだ! もう二度と魔王様に悲しい思いはさせないと!! 動力炉開放! 赤色覚醒!! 」



紅の閃光が闇を切り裂いていく。その背に仲間の思いを乗せて






~~~魔王城 司令室



猫「ツインテ様!! 正面玄関、もう持ちませんにゃ!!」



ツインテ「わかった、退け!! お前たちを失うわけにはいかぬ!」



ポニテ「やばいよ私たち近接格闘とか絶対不利だよ!!」



元勇者「私と雷骨くんだけじゃ3人をカバーしきれないし、しょうがない、城を捨てましょう!」




~~~~



下級死神「ヒャッハー!! 力の使い方ってのはなあ!! こうするんだよぉ!!」



ズガン!!



雷骨「くっ……幾数千年の歴史を持つ由緒正しき魔王城が……異世界のものによって蹂躙されるなど……くっそぉぉぉ――――――!!」



下級死神「喰らいなぁぁぁーーーーー!!!」



ゴバッ!!



?「引き篭もりの篭城壁!!」



バチィィィィン!!!!!



雷骨「ッ…! この壁は…」



?「ふぃ~、間に合ったか」



雷骨「貴様は……?」



棟梁「説明は後だ、とりあえず君はじっとしているんだよ。もうぼろぼろじゃないか。よく戦ったね」



下級死神「棟梁!! 貴様寝返りやがったなぁぁ!!!」



棟梁「言いがかりはよしてくれよ、裏切ったのは君たちだ。死神明王弟に仕えるものとして、そして君たちの上司として、私は君たちにお仕置きをしなくてはならない」



ムシ「まぁその主ももう捕まったんだけどね」



棟梁「けじめだよ、ケジメ。さぁ、少々きつめのお仕置きタ~イム」



下級死神「ほざけぇ!!」



ヒュバッ!!



棟梁「惑え! その手を引くものなどなし」



下級死神「!! 避けた?!」



棟梁「咆えろ! 今逝くこの道しかないと」



下級死神「くそったれぇぇぇぇ!!」



棟梁「そして狂え! 己が心に別れを告げよ」




ズズズズズズズ……




棟梁「超広域建築・空間制御術式! 八九路・夢幻回廊ハチジュウキュウロ・ムゲンカイロウ!!」






ムシ「万年係長っつっても本当に幾万年やってるからなぁ。特殊魂魄課への推薦断ってまで、何で弟に仕えたのかねぇ……」








そこはただただ、虚無の空間。真っ白な空間に、たくさんの道がある。その数89本。それぞれ違う道でありながら、それはどこへ行っても行く先は同じ。そこに下級死神は、ただ佇んでいた



下級死神「どこだよここ?! くそったれ!!」



いきり立ち、やたらめったらに呪詛を飛ばす下級死神。すると89本あった道が一本を残して、霧が晴れるように消える。その残った一本からは、この上ない、なにかがあふれ出していた




下級死神「どうなってる?! なんなんだよぉぉーーー!!!……………ァ…」



声とも呼べない断末魔の後に残ったのは意味もなくなったただの肉塊だった




棟梁「どこへ行っても行き着く先は結局同じ。何も変わらぬ堂々巡り、狂ったように前に進もうと、亀のごとくゆっくり歩もうと、結局は同じ場所に行き着く。その終着点へと、その世界は最も早く行ける直通便だ」



ムシ「つまりは死、ってことか。……いいのか? 家で子供二人と鬼嫁が待ってるんだろ? 死神の体を壊したんだ。大罪だぞ?」



棟梁「それほどやわではないよ、私の家族は。なんせ幾万年係長やってても、こんな私に付いてきてくれていた家族だ。とはいえ、少々寂しくなるか」



ムシ「らしくねぇ、まったくらしくねぇよ。俺もあんたも。っと、俺も能無しの部下どもにお仕置きしてきますかね」








魔王城・中庭



中級死神「こんなガキ共に俺たちは苦戦してたってのかよ? 悪い冗談にもほどがあるぜ」



元勇者「うぅ……」



マゲ「まさか空間転移に反応するトラップが仕掛けられていたとは……やられたわ」



ポニテ「私のゼノツールも全滅……私の愛用の道具ちゃんたちが……」



ツインテ「猫よ、どこか遠くで達者に暮らせよ……これは主であるわちからの、最後の命じゃ。ではの」



『そんニャ!! ツインテさm……!!』



中級死神「辞世の句は終わったか? まぁこのまま殺すにしろ惜しい娘どもだ。俺の慰みに少し付き合え」



ブチィ!!



元勇者「おんどりゃぁぁぁぁーーーーー!!!!!!」



バチィィィン!!  ドボォ!



元勇者「くふっ……がハッ……」



中級死神「戦闘による魔力の大量浪費、そして満身創痍になるまで戦ったというのに、まだこんなに元気を残していたか。まぁよい、私は元気なものを相手をするのが好きだからな……ククク、せいぜいイイ声で鳴くがいい」



元勇者「く……そ……」








「過去追緋蜂・二度殺し(カコオイヒバチ・ニドゴロシ)」




中級死神の下種な手が元勇者に触れようとした瞬間だった。中級死神のその手が、指先のほうから白骨化していく。骨と骨を繋ぐ肉がなくなり、指先の骨から地面に落ち、そして崩れ落ちるように朽ち果てていく。




ムシ「意によって助太刀いたす」



元勇者「あなたは…」



ムシ「死神・節足動物課の者だ。先ほどの奮闘、しかと目に焼き付けた。部下へのお仕置き代行、感謝する」



ツインテ「お前……あちら側の死神ではないのか?!」



ムシ「部下が調子乗って暴走しちゃってね。その尻拭いさ。……死神明王弟の幽閉は本当か?」



ポニテ「はい……本当です」



ムシ「そうか………度重なるご無礼、悔やんでも悔やみきれません。後に上司と謝罪に生かせていただきます」




~~~~~~魔界・上空



死神「俺の大ジャンプも慣れたか? 魔王」



魔王「(なぜだ?……こいつが近くにいると心拍数が無駄に上昇する傾向がある。このような症例は魔界・医学全書にも載っていない……しかし……この心拍数の上昇は不快でないのが気にかかる………本当に何がどうなってるんだ?)」



メールビー「死神殿」



死神「おう、久しぶりの登場だな。……わかった」



魔王「何があった?」



死神「向こうの軍の一部が反乱起こしたそうだ。そんで限りなく不毛な戦いが始まったので、敵大将とその腹心数名がこっちに寝返ってくれたそうだ。さっき戦った棟梁だよ」



魔王「大将だったのか?!……まぁ納得せざるを得ないわけだが」



死神「とりあえず、また後始末だな。残りの敵反乱勢力を全滅させる。都バスぜぃ!!」



魔王「まて、ちょっとまって、お昼に食べたカルヴォナーラが激しくブレイクダンスを踊っている、これ以上スピードを上げたらお前に向かってギャラクシーショットが発動してしまう」



死神「それは避けたいな。お前の酔い癖は直りそうもねぇなぁ……」





~~~~




棟梁「あれ? こんなにいたっけ? 私たちの軍。無双ゲーのごとくワラワラ出てきてるけど」



ムシ「魔力結晶のせいで痛みを感じなくなってるな。というか侵食が進んでほぼ魔力結晶そのものが俺たちに襲い掛かってきてる。死神の器の肉体は完全になくなってるな。これなんて黄泉夜行だよ」



元勇者「死んだばっかりの、あのときの私みたいなことになってるわけね」



棟梁「特殊魂魄課に運ばれていく君の姿はおぞましかったよ……肉という肉が得体の知れないなにかで浸食されていっている様は……」



ムシ「女性に向かっておぞましいとか言うんじゃねぇよ。あとこっちくんな、加齢臭が移る」



棟梁「また扱いが芭蕉さんになってきてない?ねぇ」



元勇者「ほら、ここ崩れてきてるわよ、とっとと補修して」



棟梁「」






ポニテ「大丈夫? はい、リークしてたとこは全部塞がったよ。あと粒子供給のラインも直しといた。でも無理は禁物、赤色覚醒なんか使ったら今度こそ綺麗な花火だよ?」



雷骨「すまない…蘇らせてくれたのに、このザマでは……君に申し訳が立たない」



ポニテ「ううん、私こそ、ごめん。出力、不安定だったでしょ? 道具課でも、私、ホントにへたれで……いつも肝心なところでミスばっかりして……みんなの足を引っ張って……ばかりで……うぐっ…」



雷骨「………」



ポスッ ナデナデ



ポニテ「?!」



雷骨「泣くな。少なくとも、今は。泣くもの笑うのも、すべてが終わってからでいい。そうだ、君の腕が一流になったら、私をまた強く改造しに来てくれ。私はいつでも魔王城で待っている」



ポニテ「ありがと、雷骨クン……」






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