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死神と魔王ともろもろと  作者: 虚構の頂 黒月古城
死神世界からこにゃにゃちは 編
1/15

異形の物語

あらすじのとおり、この物語はとあるss投稿サイトに


魔王「何者だ?!」 死神「死神DETH☆」キリッ



という名で投稿したものです。投稿した後で読者の方から


「DEATHでは?」


というツッコミをもらいました。自分の無学さが憎いですww


ではどうぞ

「魔王様、勇者どもはまっすぐこちらに向かってきております」


いびつな背格好の人形はいう。世間一般的にいう呪いの人形の類だ。デスパペットという。手足にある操り糸は虚空に消え、どこからか操り主が人形を動かしているようだ。ところどころ破れたその体からは綿が飛び出し、人形にしては鋭利な爪には赤黒いものが付着している。



「そうか。勇者たちの進行方向上には誰が控えておる?」



「クヒヒ、魔王様お気に入りのオーガの牙城ですよ」



「クックククク…見物だな。吸血コウモリの観察班を出せ、空から眺めてやろうではないか」



「御衣に…くきひゃははは!!」バシュゥゥン



邪悪な笑いとともに人形は一瞬にして消えた。


私は彼らのような化け物をを統率し、従え、世界を破滅へ導くもの。魔界を統べる王、すなわち魔王である。








「ふぅ…やれ楽しみだ。久しぶりに全力で戦えそうだな。フフ…ハハハ!!………さて、魔王っぽいことはした。後は勇者が来るのを待つだけだが、どうにも暇だ。先代様はどうやって暇をつぶしていたのだったか…そういえばスケルトンが書庫に新しい書籍を追加したとか言ってたな。おい!」



「お呼びで?魔王様?」


玉座の間の使用人用の隠し扉から生きた骸骨が現れる。骸骨なので生きた、というのもいささか語弊があるのかもしれないが。私の大切な部下の一人だ



「お前が追加したとか言う新しい本をもってこい。全部だ」



「へい!あっ」コケッ バラバラ



呼び出した少々間抜けな手下に哀れみの目線を向け、私はその場で最善の指示を出す。



「…………誰か組みなおしてやれ」









「これはなかなかに興味深い本だな…」



魔王といえど、感情を持った生き物であることに代わりはない。時々ここに攻めてくる、人間どもと同じ感性というものを、忌々しいが私たち魔族も持っているのだ。


私たちは人間に比べてかなり長寿、なので精神的な発達は彼らよりはるかに上だ。人間のやっていることがすべて幼稚に見えて仕方がない。だがそれでも人間の発想力や、意志の強さには目を見張るものがある。正直に驚き、賞賛を贈るべき人間の長所だと私は思う。



「へ~、どんな話よ?」



「魔王と勇者が経済や産業の活性化で世界を改革しようとかいう物語だ。これはこれで話が面白い」



「おー、面白そうじゃん、見終わったら見せてくれ」



「そちらに読み終わったものがおいてある。好きに読め」



「ン、どーも」




…………………………。












「…………って誰だお前ぇぇぇぇ!!!!」





「え?!だれかいるの?!」キョロキョロ



「お前だよ!! お前!黒マント黒ローブガイコツ仮面背中に大鎌背負ったお前だよ!! どうやって入った?! うちの警備はザル同然なのか?!」



「なにそれこわいwwそんなやつこの世にいるんですかwwテラワロスwww」



「だからぁぁぁぁ!!!!!」



いつの間にやらそこにいたケラケラと笑う謎の男(?)。本当に何者だ?





「落ち着け落ち着けって。まぁマテ茶でも飲め。小生は堂々とインターフォン押して玄関から入ったぞ? 警備のトロールのおっちゃんめっちゃ愛想いいな、おせんべ貰っちゃったww上司がしっかりしてる会社は居心地がいいとかいってたぞ。上司の弛まぬ努力の賜物だな」



「質問に答えよ!! 我は魔王ぞ!」



「死神DEATH☆」キラッ



「(はてしなくうぜぇぇぇぇぇ!!!! っと、落ち着け私…見敵必殺見敵必殺…)…死神だと?」



「う~ん…さっきの自己紹介だと小生が赤髪オカマ死神と間違われてしまうかもしれないな…考えも安直過ぎたか…考え直すか…」



「聞けぇぇぇぇぇ!!!!」ギャーース!



ここまでコケにされ、振り回されたのは初めてだ。私らしくない









「ハァハァ…」



「なにそんな疲弊しきってんの?戦ってもないのに」



「…もうよい…して、死神とやら」



「なんDEATHか?」



「(うぜぇ…)死神というからには誰かの魂を狩に来たのだろう? この私の魂がほしいのか?」



「だめだ、ですをDEATHにするのは失敗だな。作者も疲れる、アニメ版だと字がないからネタとして効果は薄くなってしまう、いいことなしかよ」シニガミションボリ



「…燃えよ殲滅の焔…我が目の前の愚者を焼き尽くせ!! スルトの吐息!!」



巨大な火の玉を手のひらに生成する。今までこいつのペースに乗せられてはいたが、私はれっきとした魔王だ。本気を出せば人間界も一瞬で蒸発させることができる。それをしたところで益はないのでする気はないのだが



「ほ~~、歴代最強ってのは聞いてたがな、思ったよりやるじゃん。じゃあ小生も。クトゥグアの咳。どうする? 城ごと蒸発しとく?」



男が指パッチンをする。すると、男の指先にソフトボール大の火の玉が発生する。圧倒的だ。この男の周りに渦巻いている強大と呼ぶにもおこがましいような力の奔流が私にこう告げていた。



                      負ける。


大きさで力は測れない、私が人間界を蒸発させることができるのならこいつはこの次元そのものを打ち滅ぼすことすら可能だろう



「(ッ……こいつ、次元が違う……歴代最強と歌われたこの私が、龍を目の前にした蟻のようではないかッ…)」



「ハイハイ若い女の子が火遊びとかしないの。ホイ、ノーデンスの鼻水」



ネーミング最悪の妙な術を発動する男。次の瞬間私の頭上から大量の若干ねばねばした液体が降ってきた。火の玉は鎮火された。おい、ところどころ緑色の謎の物体が混じっているぞ?



「」



「はは、ちょっとやりすぎたかね。洗浄術ウォシュレッティ!!」



今度はすさまじい勢いで水をぶっ掛けられる。次の瞬間には蒸発していた。こいつ、おちゃらけているが只者ではなさそうだ





「小生がここに来た理由、だったか。お前さんのご察しのとおり、小生は魂を狩に来た。だがそれはお前さんの魂ではない。ここに来る勇者の魂よ」



仮面の下の口が邪悪に歪むのが見えた気がした。




「勇者の魂………だと?」



「安心しろ、お前さんらの戦いには小指のつめ先の垢ほどにも興味はないし、「俺が機械兵だ!!」とかいって武力介入もしない。ただただ見せてもらうだけって訳よ」ドヤァ



仮面の下に鬼のようなドヤ顔が浮かんだ気がする。ここ数時間で私のツッコミスキルが急上昇したような気がする



「いちいち腹が立つ死/神にするぞ!? ……なら何故勇者の元へ直接行かないのだ?」



「旅費削減」キッパリ



「うわぁなんて腹の立つ4字熟語」



「まぁ勇者だしここで待ってれば絶対来るだろ? だって勇者だし。まぁただでここに居座るつもりはないぞ?」



「不必要に繰り返すな。というより居座るつもりなのか?!」



「炊事洗濯家事育児……以外なら何でもできる!」ババーン!



「ほとんど何も出来んじゃないか!! 無能の癖して私より強いというのが本当に腹が立つな!」



「怒ってばっかだな、いっちょ笑わせてやる。死神魔道具・ニャルラトテップの擽り羽! これは意識した相手を笑い殺すまで擽る魔道具だ。加減はしとくから安心しろ。そ~れ、コチョコチョ~~ww」



「う?! ふ、ハハハハハッハハハ?!……わ、私にこんなことし…ウハハハハ!!」ヒィーーー



「ほ~お、いい顔すんじゃない」



「ぁあ?! うくくっ、もうやめて!!」



「そっちの表情のほうが正直でまだ可愛げがあるな。まだ貴様は17年しか生きてはいないのだからそれくらいがちょうどいいんだよ。強張った顔じゃ着いてきてくれる部下も、友達もいなくなっちまうぞ?」



「な?!なぜ私の年齢を!? ってか擽り続けるな!! プハハ!!」



「悪魔で…もとい、死神だから、かな? ちなみに小生の死神暦と同じだ」



「ぜぇ………ぜぇ……」



「あ、ごめん、さすがにやりすぎたわ。ほれ、背中さすってやる」



「……まったく…もうよい、好きにするがいい……」



「まぁ拒絶されても居座るつもりだったけどねww」



こうして私と死神と私の部下、そして勇者との物語が始まった

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