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第3話 お嬢様、お出かけなさいますか。

登場人物紹介

サミュエル・リンゼ メイド長兼執事

ガルハン・エリーヌ お嬢様

ヤルトス・ミリエ  料理人、リンゼの部下

シルベス・ウーリー 運転手、リンゼの部下

ニーブル・ナッシュ 庭師、リンゼの部下

テルシオ・ミーニャ 家庭教師、リンゼの部下


*登場する名称は全てフィクションです。

両親を事故で亡くしたお嬢様エリーヌ。

そのエリーヌの前に現れたメイド長リンゼ率いる使用人チーム。

地下室の謎、夫妻の死亡の経緯、そして厨房の毒物。謎は更に深まる。


「リンゼ様、よろしいでしょうか。」

「どうしました、ウーリー。」

「当主夫妻の拷問、監禁場所が特定されました。」

「どこです?」

「当主の弟が保有する倉庫になります。」

「証拠は抑えましたか。」

「はい、切れたロープと鞭になります。」

「余程慌てていたようですね。」

「黒幕は弟でしょうか。」

「まあ、弟に罪を被せようとする者がいる可能性もありますね。」

「拷問したのは…。」

「それは以前ここにいた使用人たちでしょう。」

「その使用人を束ねているのが、本当の黒幕ですね。」

「それは間違いないでしょう。隠し毒物も発見されました。」

ドアの外に人の気配がする。

「誰ですか!」

ウーリーがドアを開ける。

「お嬢様!」

「すみません...、盗み聞きするつもりは無かったんですが…。」

「ご両親のことが気になるのですね。」

「リンゼに調べて欲しいとか言ったのがいけなかったのでしょうか。」

「お嬢様、我々は言われなくても調べていましたからお気になさらずに。」

「叔父様が悪いんですか?」

「それはまだ分かりません。でも関係はあると考えるのが妥当でしょう。」

「私も調べたいんです。」

「お嬢様、それは出来ません。旦那様からくれぐれも守るよう言われております。」

「リンゼ様、お嬢ちゃんを監禁現場にお連れするのはどうでしょう。」

「そうですね。何か分かるかもしれませんね。しかし、ウーリー一人では危険です。ミーニャも同行させます。」

「了解しました。お嬢ちゃんは支度をして下さい。」

「分かりました。よろしくお願いします。」

エリーヌは自室に向かった。

「ウーリー、車自体と車庫を調べておいて。」

「了解です、リンゼ様。」

ウーリーは車庫へ向かった。


「ミーニャはいる?」

「何でしょうかリンゼ様。」

「ウーリーと共にお嬢様を連れて監禁場所に向かって下さい。」

「承知しました。ですが、危険ではないでしょうか。」

「あのお嬢様も何かしたいのでしょう。あなたとウーリーならば大丈夫では?」

「恐れ入ります。では支度を致します。」

「私は車庫に向かいます。」


車庫ではウーリーが車と室内を捜索していた。

「リンゼ様、こちらが車に取り付けてありました。」

「GPS装置ですね。主人の動きは相手に筒抜けでしたね。履歴が分かるかもしれません。」

リンゼはインカムを使う。

「ミリエ、車庫に来て下さい。」

「了解やで、リンゼ様。」

「リンゼ様、こちらへ。」

車庫の奥に備品倉庫がある。一つ不自然に並んだ道具箱がある。

「こちらの箱は開けられますか。」

「今開けます。」

ウーリーは操作をして箱を開ける。

「やはり、これは地下室の鍵。」

「主人が隠した物ですね。」

「リンゼ様、何か用ですか?」

「ミリエ、このGPS装置から軌道履歴を調べておいて下さい。」

「はいな、では解析しますね。」

ミリエは装置を持って屋敷に戻った。

「この車庫はこんなものでしょう。車に爆弾とかの仕掛けはありましたか。」

「GPS装置以外はありませんでした。」

「それでは倉庫に向かって下さい。」

「了解しました、リンゼ様。」


屋敷の玄関にはエリーヌとミーニャが待っていた。

車を玄関横につけ、ウーリーが車から出る。

「それじゃ、お嬢ちゃんドライブにお出かけしましょうか。」

「ウーリー、お願いね。」

「リンゼ様、それでは行きます。」

「お嬢様を頼みますよ。」


暫く走るとガルハン家所有の倉庫に着く。

「エリーヌさん、ウーリー、私が調べて来ます。少し待っていて下さい。」

ミーニャは倉庫の周りを調べる。

「今は人の気配はありません。中を調べましょう。」

倉庫の中に入る3人。

「ここでお父様とお母様が...。」

「お嬢ちゃん、辛いのは分かるが私らが来たのは…。」

「分かっています。調べましょう。」

「ウーリー、例の証拠があった場所は?」

「ここだよ。」

椅子が2つ倒れている。

「奴らも随分強引にしてるね。」

「それだけ余裕も無いってことね。」

エリーヌが床で何か拾った。

「お嬢ちゃん、それは?」

「こっ、これはっ!叔父様のブレスレット。」

「当主の弟はここにいた、そう言うことだね。」

「どうやら、黒幕は屋敷の地下室の秘密を知る為使用人を使ったがなかなか分からず、尋問で聞き出そうとしたが当主は話さず殺してしまった。死体処理の為、事故に見せかけたという所だろう。」

「ミーニャこれ!」

「血痕ですね。恐らく当主の物でしょう。採取して分析しましょう。」

「ここにはもう調べる所は無さそうだね。」

「ウーリー、ミーニャ先生、少しお祈りしていきたいのですが。」

「お嬢ちゃん、両親をしっかり弔ってやりな。」

3人は手を合わせ亡き当主夫妻に祈りを捧げた。


ガルハン邸、開かずの間前。

「ナッシュ、地下を調べますよ。」

「了解です、リンゼ様。」

階段を降りて扉の前に来る。

車庫で見つけた鍵を回す。鍵は開いた。

「中を調べましょう。」

中には机と本棚がある。奥を調べると金庫があった。鍵がかかっており開かない。

「この金庫の鍵があれば秘密の全てが分かりそうですね…。」


第4話 予告

地下室の謎も後一歩となった。倉庫では何の尋問がされたのか?

次回 「お嬢様、お庭にお出になりますか。」

ウーリー回如何でしたか。

次回はナッシュ回ですね。

それではまた。

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