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第4話:レッツ・ホテル




 真夏の、お山。


 夏の渡り鳥さんの避暑地を追って。


 山中、沢ほとり。


 祥子さんと、ふたり。


 ひっそりと、隠れるように、ひと目を忍んで?


「はふー、暑いですねー」

「そうね、一番暑い時間帯、かしら」


 時刻は、午後二時過ぎ。


 沢は()()なので、午前中はまだ山の影、樹々の影の下。


 陽が高くなれば、真上から容赦なく。


「そろそろ撤収しますか……お腹も空いて来ましたしね」

「ええ、頃合い、かしら」


 首にかけたフェイスタオルで、文字通り、フェイスを拭き拭き。


 もう、すでに、三本目の、タオル。


 二本は、沢の水でさらっと洗って、樹の枝に吊るして干して。


 一本目はすでに、乾いてる……。


 そんな、こんな、結局。


 沢のほとりで、水浴び、水のみにいらっしゃる鳥さんを待ち構えるも。


 時折、と言った感じで、ほとんどお喋り、と、言うか、イチャイチャ?


 自分たちが水浴びしたい! って気持ちもありもする。


 さすがに、浅い沢の中に入るには。


 水着も持って来てないし、ね。


 それに。


 朝が早かったのもあって。


 そして明日の朝も、また、早い。


 いろいろと、前倒し、前倒し。


 荷物をまとめて。


 三脚も、畳んで。


 カメラは、肩からたすき掛け。



 女性が、カメラをたすきに掛けると。


 いわゆる、()()が。


 わたしはともかく、祥子さんは……。


「…………」

「ん? どうかした?」

「あ、いえ、何でもありません、はい」

「?」


 いや、まぁ、わたしも、一応、女だし。


 ある程度は、ね。


 でも、ね。


 さすがに、見比べると、差異を感じてしまうのは、否めず。


 とほほ。


 それでも、なんとなく。


 祥子さんとお付き合いを初めてから。


 祥子さんに、ある種の()()()()()をしてもらうようになってから。


 少し成長したような気が。


 するような、しないような。


 うん。


 物理的に、ブラのサイズがキツくなったって程でも無いし、ね。


 いや、どうだろう?


 ちょっとキツくなった、かな?


 うん、そうかも!



 それはともかく。



 大きな荷物を抱えつつ、登って来た道を、下る。


 降りる。


 トボトボ。


 ひと気の無かった行きの早朝に比べると。


 登って来る人とすれ違うことも、あり。


 軽く会釈、軽く、こんにちはのご挨拶などかましつつ。


 駐車場に戻って。


「ぎゃぁ、車の中、めっちゃ暑ぃいいいい」


 一応、フロントガラスに日差しカバー(サンシェード)を置いてはいたものの。


 根本的に、暑い……。


 エンジンをかけて、エアコンを着けて。


「じゃ、行くわよー」

「はーい、おねがいしまーす」


 最初は、ドア、窓、解放して、熱気を逃がしたら、閉じて、しばし。


 祥子さんの運転で、くねくね山道を、下り。


 平地へと、降りて、一度、コンビニに立ち寄る。


 エアコンで車内が冷えると、ね。


 お手洗いをお借りして、代わりに飲み物等、購入して。


「ここからは永依夢(エイム)が運転してね」

「はい、了解です」


 山道は、ちょっと怖いけど、平地なら、なんとか。


 祥子さん、わたしが車の運転に慣れてないのを知って、スパルタ教習!?


 まあ、そこまでスパルタではないかも、だけど。


「左ウインカー出してー、右、左、右、左後方、確認よーし」


 プロセス自体は、バイクも同じ。


 なんだけど、操作が若干異なる。


 車幅感覚も違うのもあって、違和感が強い。


 それでも、どうにか安全運転!


「もう少し先の左側にファミレスがあるからそこで晩御飯にしましょう」

「はーい」


 祥子さんがナビを確認して、わたしをナビしてくれる。


 そのナビの通り、しばらく走って目的のファミレスを見つけて、そこへ。


 ファミレスは。


 寒いくらいに、クーラーが効いていて。


 一枚、上に羽織らないと、凍えそう……。


 見越して、カーディガンを持って来てるので、それを羽織って。


 お昼時から夕飯時の、合間の時間帯。


 ガラガラのファミレスは、待ち時間も無く、広めの席へ案内されて。


 それぞれ食事を注文して、ドリンクバーで好きな飲み物を注いで。


「さーて、ホテルはどこにしましょうかねー」

「昨日泊まったとこでもいいんじゃないですか?」

「うーん、同じ部屋になると味気ないかなー。折角だし、毛色の違うところがいいかも?」

「なるほど」


 注文した料理が来るまで、スマホで検索。


 でも、よいところが見つからず。


 料理が来て、とりあえずは、先に、晩御飯。


 と、言っても、まだ夕刻。


 ズレまくっている、時間。


 これはもう、仕方ない。


 鳥撮りの、サガ?


 腹ペコで時間をあわせるか。


 腹具合に、あわせるか。


 時間ずらすと、こんな感じで空いてて、ゆっくりできるのもあるし、ね。


 身体に良いか悪いかは、ちょっと置いておいて。


 そんな夕ご飯を、平らげて。


 少しゆるりとドリンクを飲みつつ、ホテル検索を続行。


 あまり遠い場所になると面倒なので、ここから近い場所で、と、なると。


 選択肢は、限られて。


「うーん、結局、昨日泊まったところが一番無難かー」

「あそこなら鍵の受け取りとか支払方法とかもわかってるし、便利かもですね」

「あー、なるほど。場所によってシステムが色々あるしねー」


 など、など。


 ふたりで、相談しきり。


 結局。


 昨日と同じホテルにすることに。


 部屋は、まあ、空き状況とかもあるので、行ってからのお楽しみって事で。


 ファミレスを出て、わたしの運転で、移動開始。


 途中、再度コンビニに寄って、デザートにおやつ、それに飲み物なんかを、調達して。


 さぁ、レッツホテル!






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