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異世界転生 竜と共にあらんことを  作者: 紫電のチュウニー
第三章 ウラドマージ大陸、序幕

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第89話 装備一式!

 その後、広い洗い場を借りてしっかりと体を洗った。

 石鹸のようなものがちゃんとあり、泡立ちは悪いものの久しぶりに綺麗さっぱりと体を洗うことが出来た。

 その後ゼフィスさんが用意しておいてくれた装備を身に着けてみる。

 一覧と内容がラギ皮紙に書きまとめられており、それを読みながら装備をしてみた。


【ファウの装備品】

武具 伸尖剣・ゼフィス

着衣 ナギのお下がりローブ(薄ピンク、紫ラインの法衣)

靴  カッカクールドゥ(ラギ鳥類)の皮靴

腰掛け ナギの刺繍入りポーチ



【ラディの装備品】

武具 ギャップナイフ・ゼフィスx二本

籠手、ヤングラの籠手(ヤングラは鹿のような大きめの角を持つ動物で、硬い角から加工されたもの)

鎧 ゼフィス正式軽装鎧(子供用)

拗ね当て ヤングラの拗ね当て

靴 カッカクールドゥの皮靴

腰掛け ナギの刺繍入りポーチ



 ……多くの装備品を受け取ってしまった。

 総額いくらになるんだろう? 

 

「なぁ。これやばくねーか」

「うん。僕たち後からお金請求されても支払えないよね」

「だな……返すか」

「おっと返さなくていいぜ。お前らの持って来た情報。それだけで金貨数十枚以上はもう転がり込んで来てるからな」

「ええっ!? この短時間で?」

「商人ってのは早さと行動、そしてときには大盤振る舞いも大事だ」

「なぁなぁ。この変な模様なんだ?」

「僕も気になってた。カエルみたいなマークが入ってるんだけど」

「そいつはうちの雑用……ナギの奴が入れてるお気に入りの印みたいなもんだ」

「そーいえばナギさんってまだお会いしてないけど」

「今頃駆けずり回って……そろそろ戻ってくるか。紹介してやるからお前たちはスミグニの奴をここへ連れて来てくれ」

「あのー、ここはどこでしょうか? ついて来ただけだから場所が分からなくて」

「ここを出て真っすぐ西に行くと大きな立て札がある。そこを南に抜ければ市場から出られる。同じ道を通り戻って来い」

「分かりました。ドラグってどこにいるかな」

「さぁ。酒場じゃねーか?」

「うう、やっぱそうなのかな。でも本当にドラグ連れて来ていいのかな」

「ああ。俺もお勧め出来ねー」

「構わねえよ。さっさと連れて来な」


 ――そして。

 言われた通りの道順で戻ろうとしたら、どう見てもドラグであろう者に間違いない声が直ぐに聞こえて来た。


「ふざけろよ!? こんなぼろい武器が金貨七枚だと!?」

「え、ええ。うちの最高武器でして。大柄なお兄さんにはこれくらいの大きさでないと困るでしょう?」

「ちっ。ここに来てからろくな武器が無ぇ……あ? 何だおめえらか。何ニヤついてやがる」

「へっへっへ。武器探してるんだろ?」

「……ちっ。てめえらにゃ関係ねえだろ。おいガキ。おらよ。こないだの金だ」

「お金? ああ、酒代の。お金持ってたの?」

「いいか! たまたまだ。たまたま持ち合わせがなかった。クソガキに借りたみてえで気分が悪い。釣りはいらねえ」

「あ、待ってよドラグ。ドラグを連れて来たら武器は無料でそいつにやるって言われてて」

「あ? 誰がそんな話に乗るかよ……いや待て。おめえらどこでその武具手に入れた」

「だから言ってるじゃん。商人に情報を対価として受け取ったんだよ」

「ほう。少しだが興味が沸いた」

「んじゃついて来いよな」


 ドラグは半ば疑りながらもついて来た。

 そして――「こいつが例のスミグニの奴か」

「……けっ」

「おいおい喧嘩腰な野郎だな。気に入らねえ」

「俺も気に入らねえな」

「ちょ、止めてよ会った瞬間から喧嘩なんて」

「いいか。約束だから武器は一つやる。お前には……これで十分だろ」

「……ふん。まぁ使ってやるか」

「何だと!」


 うわぁ……さすがドラグ。

 予想の斜め上をいく発言だ。

 険悪なムードになっちゃった。

 でもドラグを見るゼフィスさんの目は、態度に腹を立ててるっていうより興味を持って観察している気がする。

 情報を得てるんだろうな。

 スミグニ族の骨格、体格、特徴を正確に分析してる。

 連れて来るだけで本当に価値があるんだと思う。

 

「お前、左利きだな」

「……」

「それに左手、怪我してるだろ」

「こんなもん怪我のうちに入らねえな」

「甘くみるなよ。筋肉ってのは限界まで酷使すれば断裂する可能性もある。一度引きちぎれれば元には戻らねえ。そうなりゃ剣士としてのお前の寿命はそこまでだ」

「うるせえな。てめえの知ったことじゃねえだろ」

「お前らはこいつを鈴の音の洞窟へ同行させようと考えてたんだろうが止めときな。足手まといだ」

「何だと!? 誰が足手まといだ。てめえの百倍は強えぞ」

「ほう。なら勝負するか。こいつらの引き受けた依頼でどちらがこいつらの役に立てるかをだ」

「上等だコラ。その勝負に勝てばこれよりもう一つ上の武具を寄越しな」

「あ、あのー……」

「なんかすっげー話になってきた。俺たちの依頼、どうなっちまうんだ?」

「さ、さぁ。僕たち出る幕無いんじゃ……」


 火花を散らすドラグとゼフィスさん。

 どうしてこうなってしまったんだろう……でも俺たちは依頼をこなさないといけない。

 片方は採取、もう片方はマルンモーっていうのを討伐し肉を持ち帰る依頼だ。

 でも恐らく、想定した行動とは違うことになると思う。


「そ、そうだ! ナギさんはどうしたんです?」

「ん? ああ、もう来る……」

「お師匠様ーー! お待たせしまふたーっ!」

「おおっ!? 俺と同じ獣人系の種族の奴か?」

「……驚いた。本当にカエルみたいだけど、人っぽい」


 ナギさんはこの世界に来て初めて見る種族だった。

 白色のカエルと言えばいいのか。二足歩行で変わった喋り方をしている。


「ツファル族のナギだ。アゼルマージ北方にそこそこいる種族だが、この港町で働いてる

奴は少ないがな」

「そちらが例の幸運の鳥でありまふか!? 初めまして、ナギと申しまふ。このような見た目ですが……」

「へへっ。俺も獣人だしな。仲良くしよーぜ」

「俺は誰とも仲良くなんざする気はねえ」

「僕はファウ。こっちはラディ、あっちのむっとしてるのはドラグです」

「むっとなんざしてねえぞ、クソガキが!」

「これはこれは親切にどうも。それでお師匠様は何を?」

「これからこのむっとした気に食わない野郎と一勝負してくる。お前は飯の支度でもしててくれ。直ぐ戻る」

「俺たちの依頼、そんな直ぐ終わる内容だったか?」

「うーん……直ぐには終わらないんじゃないかなぁ」

「だよなぁ……」

「おい。さっさと行くぞ。ガキ共」

「うわ……ドラグの奴やる気満々だぜ」

「武器が手に入ったから早く振り回したいんじゃない?」

「くっ……案外子供みたいなとこあんのな」

「てめえら、叩き斬るぞ!」

「うわ、怒った。しかも割と真剣に」

「これ以上からかうと本当に斬りかかってきそうだからやめておこう。依頼内容はね……」


 こうして俺とラディ、ドラグ、そしてゼフィスさんの四人は、アゼルマージ大陸に渡っ

て初めての依頼へと出発するのだった。

さてようやく装備も整い、依頼開始です。

三つのうち一つはネビウス先生がこなすので、外で行う依頼は二つですね。

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