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異世界転生 竜と共にあらんことを  作者: 紫電のチュウニー
第三章 ウラドマージ大陸、序幕

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第86話 依頼をこなす前準備!

 マージで依頼を受け、部屋へ戻るとラディはまだ寝たままだった。

 キュルルを抱き締めて心地よさそうにしている。

 キュルルもラディのことは大好きで、そのままぴたりとくっついて眠ってる。

 温かい光景。こうしてラディとキュルル、三人で過ごすのもいいなぁって思う。

 でも、故郷に戻らないといけない。

 父さんも母さんも、トーナもエーテもきっと心配してるから。


「ラディ、ラディ。起きて。もうお昼近いよ」

「うーん……もうちょっと」

「キュルルにも食事を上げないといけないんだ」

「ん……分かった起きるよ。キュルルのためじゃ仕方ない」

「有難う。それと、依頼受けて来たよ?」

「えーっ!? わりーな……うーん良く寝たっ! それでどうだった?」

「先生に任せる依頼は大丈夫そう。報酬も良いしね。他の依頼は調達と採取。鈴の音の洞窟に行きながらっていうのは難しいみたい。でも、周囲を調べるのには良いのかも」

「そっか。そーいやよ。外は港みたいに手とか繋がなくてもいーのか?」

「どうなんだろう? あれ、誰か来た……ミレン?」

「これを付けないとダメれすよ!」

「おっ。ミレンじゃねーか。ちょうどいいところに」

「えへへ。お昼の準備が出来たれす。それと、この手飾りをつけていれば大丈夫れすよ」

「これは……花の手飾り? そっか。盗賊がこんなものつけてたら示しがつかないもんね」

「でもよ。盗賊が悪さするためにつけるんじゃねーのか?」

「この花飾りをつけてみると分かるれす」


 言われた通りにつけると……ほのかに一枚の花びらが青く変色する。

 そうか! これはラギ・アルデの術が施されてるんだ。

 でも、切れたり落としたりしたらって考えると、上から皮バンドとかで巻いておいた方が安全かな。


「へー、面白いな。もらっていいのか?」

「はい。わりゃしが作ったのれす。あまり上手には出来ないれすが」

「ううん。有難うミレン。僕は良いと思うけどな……あっ」


 そう言うと両手を顔に当てて走り去っていってしまった。

 やっぱり褒められるのは恥ずかしいのかな。


「これで依頼もこなしやすいな。キュルルはどーすんだ?」

「キュルルは今回、船を動かすのに疲れてるだろうから、ネビウス先生に預けるよ。制作の依頼もキュルルの力があった方がやりやすいだろうしね」

「そっか。それじゃまずは俺とファウで行動だな」

「ラディ。出掛ける前にさ。僕らの恰好どうにかしないといけないよね」

「そうだな。今の恰好じゃ暑くてしょうがねーし」

「それだけじゃなくて。僕たち戦う準備が全然整ってないよ。出来れば伸尖剣が欲しいんだけど、売ってたりするかなぁ?」

「見に行ってみよーぜ。宿を探すときに市場みてーなところを見つけたんだ」

「市場かぁ。武器は無いよねきっと」

「そんなことねーぜ。槍とか飾ってある場所もあったし」

「本当? 行こう行こう!」


 武器屋と聞いて気分が上がってしまうのは、きっと前世の影響だろうな。

 そのようなお店が日本にあるはずもなく。

 刀狩令以降非常に厳しい法律で刃物なんかを取り締まっていたから。

 悪いことに使わなくても徹底的に取り締まらないと犯罪が抑止出来ない世界っていうのは悲しいな。

 それにしても武器屋か。多分高いんだよね。

 持ち合わせも多くないし、一体どの程度のものが買えるのかな。

 ネビウス先生に食事の件と依頼の件、キュルルを預かって欲しい件全てを伝えると、やはり食事は何かつまめるものを持って来て欲しいとのことで、それ以外のことは承諾してもらえた。

 

「ファウ。その花飾りのようなものはなにかね?」

「ミレンが作ってくれたんです」

「これをつけてれば外でも一人で活動出来るみてーだぜ」

「ほう。それは興味深い……では私に三つほど用意してもらえんかね? 代金はこれで足りるかな」


 そう言うと、金貨を一枚渡してくるネビウス先生。

 金額がいくらかは分からないけど、こんなに? 

 でも有難く頂戴しておこう。

 きっとミレンも喜ぶ。

 あの子はどこか自信がないような雰囲気だったし。

 そのまま食事処に向かうと、いい香りが漂って来た。

 少しミルキーな香りだなと思っていたら、とれたて果実のクリーミーなスープで、甘味と酸味を両立するようなスープを提供してもらった。

 これはとても美味しい! なのにネビウス先生に持っていけるようなものじゃないのが残念だ。


「ねぇミレン。この食事、どうにか先生に持っていけないかな」

「あい。わりゃしが後で運んでおくれす。あの人ずっとお部屋れすよね?」

「うん。先生は研究者だからね。今は調べることも多いし、邪魔はしたくないんだ」

「わりゃしが行ったら邪魔にならないれすか?」

「平気だよ。喜んでくれると思う。そうだ、この花飾りの腕輪を後三つ作って欲しいんだけど頼めるかな? 代金は預かってる。これで足りる?」


 そういって金貨一枚を手渡すと、持っていたお皿を落としそうになるミレン。

 さっとラディがキャッチしてこと無きを得た。

 その反射神経、さすがだよラディ! 


「わ、わわわ、わりゃしお金なんてぼぼ」

「ぼぼ?」

「ぼへりゃーことですので頂けません!」

「それをいうならどえらいこと……かな。ネビウス先生から渡すように言われたから。遠慮せず受け取っておいて。そうだね、それじゃ先生の部屋まで食事を運ぶ手間賃も入ってるってことで、どう?」


 また顔に手を当てておろおろするミレン。

 きっと、本当に苦労して育ってる子なんだな。


「受け取ってくれねーと俺たちが困っちまうからな。なぁなぁ、このスープの果実ってなんてやつか教えてくれねーか?」

「あう……それはピッチオの果実れす。大きい丸っとした果実なのれす」

「ピッチオ……ちょっとまってね、ラギ皮紙に書いておく。丸っとした果実……これで分かるかな」

「うう、現物がもう無くてご免なさい」

「謝らないで。有難う探してみるよ」


 こんなところで調達のヒントがあるとは。

 これを持っていけば喜ばれそうだ。

 ――食事も満喫したし、市場へと向かおう。

 これからのことを考えて、身に着けるものを慎重に選ばないと。

ようやく装備の検討です。

ラディと二人分……お金は足りるのでしょうか。

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