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異世界転生 竜と共にあらんことを  作者: 紫電のチュウニー
第二章 冒険者

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第46話 治療と任証について

 本日のお話は少々会話文が多いため、内容を確認して三話分投稿する予定です。

 王城内に向かうには、更にそこへ門があり封鎖されている。

 いわゆる本丸っていうのかな? こうやって城門がいくつもあるのは珍しくはないんだよね。

 ティオンさんが門前の兵士に治療目的であることを告げ、確認を終えた後城内へ通された。

 とはいっても入って直ぐ左手にある治療室だ。

 中をくまなく見れるわけじゃないけれど……王城内は天井がとても高く煌びやかだ。


「あのー。もう大丈夫そうですから、そろそろ降ろして下さい」

「だーめ。あんな無茶して。あの場にいながら君に怪我させたのがマールに知られたら……おお怖い」

「それよりも相反についてだ。何故隠していたのだ? 他にこのことを知っている者は?」

「えっと……」

「ラーギル先生。一度にそんな質問したら可哀そうですよ」

「いやしかしね……水のラギ・アルデは使用者が少ない。ましてや火と水の相反がどれほど貴重か君にわかるかね?」


 なんか少し、近くにネビウス先生がいるみたいだ。

 ラーギルさんはネビウス先生に少し雰囲気が似てる。

 ラーギルさんも先生って呼ばれてるし、何かの指導者なのかな。

 

「知っているのはネビウス先生だけです。マシェリさんにも話していないんです」

「そうだったの。それじゃ、あの場で見られたのはあまり良くなかったのかな」

「安心していい。気付いたのは一部の者だけだ。後で口封じをしておくよ」

「有難うございます。それで僕、この後どうすれば?」

「まずは治療が先だ。体内に流れるラギ・アルデの力を活性させる……という方法があるのは知っているかな?」

「少しだけネビウス先生に教わりました。絶対覚えないといけない項目なのですが、凄く難しくて」


 そう。それは治療術。体内をめぐるラギ・アルデの力を最大限破損個所へ集約させる。

 前世で言うなら白血球、血小板などを活性化させるようなイメージだった。

 でも、これがとにかく難しい。出来ないことはなさそうなんだけど、実際治療術を行使するには何年もかけて修行を積まないと出来ないらしい。

 ――話しながらベッドがある部屋まで来ると、座らされてようやくティオンさんから解放された。

 直ぐにラーギルさんが足の状態を見始める。


「どうですか、先生」

「ユントラーラルト」

「凄い……相手に与える治療術だ」


 ユントラーラルト、そしてミントラーラルト。

 この二つが治療術で用いられるラギ・アルデの力。

 ラーラルトとは、内部にあるラギ・アルデの力へ作用させる意味を持つ。

 これは以前使用した、本に封じられたラギ・アルデの力を読むときに用いた、ファミアラーラルトのものと同一だ。

 ユントラーラルトは他者へ使用するラギ・アルデ治療術。

 ミントラーラルトは自らの治療効果を高めるラギ・アルデ治療術となる。

 ……どちらもとても難しく、今の自分にはまったく使えそうにない。

 つまりラーギル先生は、相当な修練を積んだ治癒能力者ということだ。

 しかし治療術と言っても人間の領域を超えるわけじゃない。

 あくまで人間の持つ自然治癒能力を引き上げるということ。

 失った腕が戻ったり、骨折がいきなり完治したりすることはない。


「どうだね。少しは楽になったか」

「はい。これなら一人でちゃんと歩けると思います」


 痛みにはとても良く効くが、使用しているときは逆に痛みが増す。

 無理もない。ここに炎症が起きてますよとアピールしているようなものだ。

 ちなみに炎症とはどのようなものを指すか。

 これは、腫脹(しゅちょう)疼痛(とうつう)、発熱、発赤、機能障害に該当するもの。

 治療術は、炎症にこそ効果が最も強い。

 逆に風邪などは、いわゆる体内に常在するウィルスや菌によるもので、これらを治療術で治そうとすれば、増殖していた菌の数次第で高熱を発生しかねない。

 そのため治療術を施す際には、きちんと調べて状態を確認してから治療に当たる必要がある。

 外傷の治療にも氷を用いて、熱が上がり過ぎるのを防ぐ必要はあるのだが。


 これらは全て前世で習った記憶の範囲だ。

 生理学……きちんと勉強すると奥が深く、獣医でも何でも医学に関する職に就きたいなら深く知らねばならない。

 とはいっても獣医はかなり特殊だ。何せ認定されるのが農林水産省。

 医師は厚生労働省。この部分だけみても明らかに異質だと感じていたのを覚えている。

 

「ファウ君?」

「……いえ、すみません。少し勉強のことを考えていました」

「それは良い。随分と真剣な目で治療術を見ていたが、興味があるのかな」

「はい。将来必ず自分が使えるようにならないといけない項目です」

「……ネビウス君の下で勉強をしているならそうだね。彼に追加の依頼を出してみるか」

「えっ? ラーギルさんはネビウス先生をご存知なのですか?」

「彼に研究依頼をしている者の一人が私だよ。それでどうだろう。君は私に……」

「だから駄目ですって! 私だって狙ってるんですからね」

「あのー。一体どういう……僕、本当に試験、合格したんですか? 未だに実感が無いんですけど」


 もっと凄いことをやらされるのかと思っていた。

 山のてっぺんまで登って薬草を取って来い! とか、猛獣を倒して料理を作れ! とか、走るから延々後をついて来い! とか、地図を頼りにお宝を掘り当てて来い! とか。

 もっと悪い方に考えれば、受験生がいっぱいいる中で戦え! 殺し合え! なんてあったらどうしようと思っていた。

 幸いにもラディと戦うようなことがなくて、ホッとしたけど。


「では、私はラディ君の情報を調べてこよう」

「説明は私がしておきますよ、ラーギル先生」

「抜け駆けはしないように」

「それ、先生が言いますか!? もう……ファウ君。この後のことを説明するね」


 そう言うと、試験後について色々と説明してくれた。

 まず……自分が冒険者一ツメ銅任証を入手出来ること。

 任証には、【ツメ、キバ、ツノ】の三種類が存在すること。

 ツメは主に国の外回りで行う依頼を請け負うことが多いらしい。

 キバは国内での争いをしずめたり、必要物資を届けたりする依頼が多いようだ。

 ツノは国を守るような依頼がほとんどで、一握りの者しかいないらしい。


 ツメ、キバ、ツノは竜をイメージしているのだろうか? 

 確かにそれぞれついている場所を考えると、とてもイメージしやすい。

 ツノは頭だし、キバは口だ。ツメは両手両足だから広く動かせる。

 そして、それぞれには銅、銀、金、紅、紫と五種類の階級があるようだ。

 銅、銀までは一、二の順番に上がり、それ以降は一、二、三階級。

 つまり、銅一、銅二、銀一、銀二、金一、金二、金三……ときて最高のランクが紫の三。一番高いランクだと、恐らく三ツノ紫任証となるはずだ。

 同時に受けられる依頼は三つまで。

 もし国からの依頼でないものを受ける場合は、町にある冒険者依頼斡旋場所で届け出を行う必要がある。

 成功させた依頼は記帳され、その功績によって位が上がるらしい。

 銅から銀、銀から金へと変わる際には、昇格用試験もあるとか。

 これは四巨大国どこでも受注可能らしい。

 ただし、他国で依頼を受ける場合はあくまでカウントはゼロで、どの任証からなのかというのが大事となる。

 他の国に行って依頼を受ける場合は、昇格してからが基本となりそうだ。

 位が上がると、より優先的かつ重要な依頼をこなせるようになり、報酬や褒賞などを授与されるケースも増える。

 更に一定以上の働きを認められた紫任証の冒険者は、爵位や領土まで与えられるらしいので、冒険者を目指す者は多いらしい。


 爵位も大がかりな領土もいらないけど、キュルルと一緒に住める土地は欲しいなと思う。

 でも、無理せずお金を貯めて買うのもいいかもしれない。

 何せまだまだ俺の知らない土地が沢山ある。

 キュルルにとって最も住みやすい場所がどこなのか。

 それは今後冒険して探っていけばいいと考えている。


「……どう? ファウ君、ここまで何となく理解できた?」

「はい。とても良く分かりました。僕はまず一ツメ銅任証から始めればいいんですね?」

「うん。最初は簡単な香草を集めたり、薬剤を集めたりするといいよ。少し変わった依頼もあるけど……その辺は後で教えてあげるね」

「有難うございます。よろしくお願いします」

「それと次に徒弟についてなんだけど……」

「徒弟……?」

 お城の門のイメージですが入り口の門が外敵を防ぐ門というより物見やぐらとしての門といったイメージです。

 つまり最初に通った町との間にある門は、とても高いんですね。

 次に王城との間にある門。こちらが外敵を防ぐための門となりますが、こちらはそこまで高い位城壁がありません。

 これにも理由はあるのですが、加筆するとぶっ飛んで長くなるので割愛しております。

 というより作者の加筆が細かいので、少々反省して見直しながら消す部分が多かったり……。

 


 

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