第1章2話
感想にてご指摘を受けましたので少し最後の内容をいじりました。
俺は父に呼び出され父の執務室に来た。
コンコンコンッ
入れ
「失礼します」
俺は執務室に入室すると、父は笑顔で出迎えてくれた。
「おぉ、来たかアロウ先程クロウから中々剣術も様になってきたと話が上がっていたぞ」
「ありがとうございます父上」
この人はルドルフ・ガード俺の父親だ。
前世の父親とは違いしっかりと働いていて俺を気に入ってくれている。
「それで父上、何か御用が有ったのでしょうか?」
「あぁ、その事なんだがなお前の柔軟な思考を借りてアドバイスが欲しくてな」
この間たまたま父に排水口の詰まりが頻発するって言うから何処か途中にゴミ取り用の網を置いて定期的に取り除けば円滑に行くのでは?と答えた所絶賛されたんだよな。
前世の知識からの浅知恵だ。
「それで今回はどの様な事で困ってらっしゃるのでしょうか?」
父に俺は今回の問題を聞く。
「あぁ、この我々も使っている照明の魔道具があるだろう?陛下がいちいち布を付けて部屋を暗くしても微妙に漏れて眠りづらいと仰られてな」
この世界の照明事情は基本的に貴族や金持ちは魔道具の照明を使い。
庶民は魔物や獣の脂を使ったランタンを使っている。
この魔道具は魔物から取れる魔石に雷系統の刻印を入れて魔力を込めることて刻印を通して魔力を雷に性質変化を起こして使う訳だ。
電気で言うと直接電気を流すのと同じだから直流だ。
「そういう事ですか…ならこう言うのはどうでしょうか?」
俺は父ルドルフに1つ提案した。
「魔石を2つにすると言うのはどうでしょう?」
「ふむ?それでどうなるんだ?」
「父上も大規模魔術を使う時に魔力譲渡や連結魔術を使いますよね?」
「あぁ、そうでなければ魔力が持たんからな」
「ならそれと同じです。魔力供給源を新たに取付けた魔石にして、使わない時は雷系統の刻印には一切魔力を入れなければ照明は付かないという訳です。つまり使う時は供給、使わない時はその流れを分断してしまえば雷系統の刻印が付いた魔石は魔力が無いので照明は消えるという訳です」
「ほう。そういう事か、実現可能か魔道具技師に聞いてみよう。アロウ助かったぞまた頼む」
「お役に立てたのであれば良かったです。それでは僕はこれで失礼します」
俺はそう言って父の執務室から出て自室に向かった。
その執務室では、
「ふふふっ、こんな考え方があったとはな。これで陛下の覚えめでたくば儂も陞爵出来るかもしれん」
その後も、父ルドルフは何かとアドバイスを求めてきてその都度会話や、アイディアを出した。
俺の案は全て父の多大なる功績になっていて、
その功績により爵位まで上がったとは露知らず俺はのほほんと楽しく過ごしているのであった。
評価して頂けると幸いです。