プロローグ
これまでの人生何やっても上手くいかなかった。
中学の時はイジメを受けた。
理由?男なのに文化部だったからだよ。
毎日毎日うずくまって亀になりながら殴られるのに耐えてたよ。
周りはイジメをする連中が入ってきた瞬間から他人だよ。
寧ろ率先してイジメにまわってヘラヘラした後に謝られた。
それでも俺は文化部で努力したことが評価され、
とある高校から推薦を受けた。
しかし『お前が上手く成功するのがムカつくから反対だ』
って父親はせせら笑いながら拒否した。
父親は文化部で俺が評価されると決まって
『少し評価されてるからって調子乗るなよ。人生の何も役に立たんもんで偉そうにしやがって』
と、この言葉を口にした。
勉強?5教科得点400点を少し超えてたけど、兄貴達がもっと点数良かったから常にバカにされてた。
高校は普通の公立の実業高校入ったけど奨学金を全部ギャンブルに使われて資格取得の費用が払えないから受けれず、勉強にはやる気が出なくて授業は全部寝てた。
中学では文化部で全く父親から受け入れて貰えんから運動部に入ってめちゃくそ努力して
イジメも受けたけど。何とか耐えて耐えてレギュラー取れて、3年になって新しい顧問に言われたのは
「初心者はいらん」この一言だった……
それから練習試合にも出して貰えず腐って行って学校もほとんど行かなくなって、辞めなかったのは
親が怖かったからだな、貧乏なのに兄弟は多くてなおかつ俺だけ嫌われていたから。
顔が似てなかったのが問題だったのかもな。
1度だけ本気で包丁で刺されかけた事もあったし、父親がタバコ吸ってなかったのだけが救いだったのかもしれないな、火傷とか怖いし。
社会人になって1年目に初めて喧嘩になった時に無職の父親に言われたのは、
『奴隷らしくせこせこ働いて俺に金持って来いよ。何見返り欲してんだよあん時やっぱり殺しておけば良かったな』
だった……
クソな奴だとは思っていたけど分かっていたけど辛かった。ん?母親?数年前に失踪してるよ。俺と同じ状況だったんだろうな。
そこからは俺の人生逃げの連続だった。
父親から逃げた
転職しては騙され、また騙されその度に逃げた。
評価は逃げた俺の方が悪いか逃げる前から俺の方が悪い事になっていた。
友人?居なかったな。
騙された中には友人と思ってた連中が紹介した仕事もあったけど裏で陰口叩かれていたよ。たまたま聞いてしまっていたけど孤独が怖かったから知らないフリをしていた。
いつも笑顔でヘラヘラして嘘の仮面を被って、頼られるなら喧嘩だろうとなんだろうとしたよ。孤独になりたくなかったから。
でもダメだった。ヤバい連中に友人だと思ってたヤツらは手を出して俺のせいにした。
毎日毎日10~20人に追いかけ回される日々、死ぬのが怖かったから地元からも逃げた。
それから5年……
働いてはそこそこ出来る様になると執拗なイジメにあった。
俺は仕事は少し出来たらしい。どんな職業に転職しても、経験があったとしても初めて経験する様に見せかけてた。
理不尽に怒られ、先輩のミスをそのままにして責任を追及されて怒られ、ミスをカバーして黙ってたら怒られ逆に報告したら怒られ。
決まって最後はこの言葉を貰える
「お前少し出来が良いからって、調子乗んなよ。お前なんて居ても居なくても変わらんからさっさと消えろや。何考えてるかほんとに分からん」
辞めると会社に告げると決まって慌てて引き止められる。何度言っても辞めさせてくれない所は逃げた。
そうやってトラブルからぶつかっては逃げて。
知り合いに会いたくないから逃げて。
逃げて逃げて逃げた結果。
いつも居場所が無かった。
分かってる、いつも心根を見せずに居場所や人との関わりを求めてるのに拒絶してた。
矛盾が他の人から見たら気持ち悪かったのだろう。
「居場所が欲しくて孤独が怖くて頑張ったのにな……結局逃げた結果何も得られんかったな。
もう無理だ死のう……」
俺は人生からも逃げる事に決めた。
ただ人に見られる場所だと色々問題があるだろうから、崖に向かう事にした。
「まぁ、何も部屋にも置かなかったからそのうち行方不明にされるだろう。
部屋も綺麗にしたから何とかなるだろうしな」
靴残す人って存在に気付いて欲しいんやろね。
俺はそんな事ないから、普通に飛び降りた。
浮遊感に苛まれる中、走馬灯が見えたけど何ひとついい思い出は無かった。
「辛いな……最期位何かいい思い出あればな。来世は楽しく平凡でありたいな」
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