第97話 教室
多忙で更新出来ていないです。更新頻度落ちますが必ず再開しますのでお待ちを!
「僕こう見えてまだ子供なんですよ」
「自分のことを子供だと分かっている大人に見えるな」
騎士団長の言葉にアシムはドキッとする。
「子供に見えないってよく言われない?」
「た、確かによく言われます」
「自分のこともある程度評価できているみたいだし、何より君の実力で十分騎士団に入れるのさ」
「なぜ?」
「なぜ初対面なのに君のことがわかるのかって?」
アシムは心の中で思っていたことをズバリ言い当てられて動揺する。
「これでも騎士団の長でね、人を見る目と情報収集は得意なんだよ」
納得できるような、できないようなはぐかされ方をした。
「は、はあ」
「それで、どうだい? 私は本気だよ?」
「いきなり騎士団と言われましても」
「まあ悩むのも無理はないか、アダンさんに相談してみるといいよ! 用というのはこれだけだから、時間を貰って悪いね」
そういうと、シンボルの入ったマントを翻し去っていった。
「騎士団への勧誘?」
単純に考えればアシムの力を見込んでなのだろううが、騎士団長が実際に見もしないでスカウトはしないだろう。
かといってアシムには心当たりがなかった。
「リーゼロッテに聞いてみるか」
アシムのことを話したであろう副団長様に問い詰めることにした。
用事が済んだあとは遅れて教室に向かった。
ユーリが事情を話しているはずなので、怒られる心配はないと思いながら教室の扉の前に立つ。
「Gクラスか」
クラスに差が生まれにくいように試験の成績を考慮して均等に分けられている。
なので、Aクラスが特別に優秀というわけではないのだ。
高等部に上がると個々のレベルを効率よく上げるために、成績が優秀なクラスなどで分けるらしい。
つまり質の高い教育を受けるには、初等部でいかに良い成績を修めるかによって決まるのだ。
「入るか」
事情が教師に伝わっているとはいえ、遅れて教室に入るというのは緊張してしまう。
アシムは意を決して扉をスライドさせた。
「では今日の予定はわかったな! これから自己紹介をしてもらう」
ちょうど自己紹介が始まるところのようだ。
アシムが教室に入ると静かになった。
「アシム・サルバトーレ! 座りなさい」
少し怒っているような声で着席を促される。
アシムがユーリの隣の席に着くと教師が再び話し始めた。
「俺の名前をもう一度紹介しておこう! サルバトーレはわからないだろからな」
アシムは前の黒板を見ると、担任の名前が書かれていた。
「ドウグラス・ジュニオールだ! 昔は鬼軍曹と呼ばれていた」
Gクラスの担任は、屈強な元軍人だった。





