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第80話 頭の力

今日はあと1話投稿予定です!

本が剣に変化する。

 その瞬間を見てアシムは素直にカッコイイと思ってしまった。

 最近禁書を見すぎてもはや珍しいという気持ちもなくなってしまったが、新しい側面を見てアシムは禁書がとてつもなく欲しくなってしまった。


「練習すれば剣出せるかな」


アシムは試しに自分の神聖魔法を使ってみるが、ただただ黒い魔力が出るだけだった。


「くそう!」


「ちっ! なめやがって!」


アシムの飄々とした態度にイライラを募らせるラビオ。

 しかし偽物の力でアシムに勝てるはずもない。

 それを知らないラビオは剣を振りかざして切りかかってくる。

 アシムはそれを簡単にねじ伏せる。

 似た魔力というところで干渉のしやすい禁書は対処がしやすくなってきた。


「な、なん」


言い終わる前にアシムの拳で沈められラビオが沈黙する。

 もうアシムを襲おうとする者はいなかった。


「闇組織の最終兵器として流行ってるのか?」


ラビオの手から本に戻った禁書を奪い取り使ってみる。


「あっ!」


なんと本がボロボロと崩れてしまった。

 劣化が相当進んでいたのだろうが、楽しみにしていただけにガックリきてしまう。


「まあいいや。オイ!」


先ほどから固まっている男たちの一人に声をかける。


「ひっ!」


「化け物を見たような反応しやがって。お前たちのボスが起きたら伝えろ! サルバトーレ家の邪魔にならないように気をつけろとな!」


実質サルバトーレ家の言うことに逆らうなという意味だった。

 この組織を潰す意味はない。

 潰すだけならいいが、そのあと他の組織が入ってくるのが関の山だし、サルバトーレ家はモーリス一家を私兵に変えるので忙しい。

 将来的に取り込むのもいいが、今ではない。


アシムはその場を去る。

 これでこちらの要求を呑まなかった場合は本気で潰しにいくだけだ。


「終わったぞ」


物陰で様子を”見せていた”ギュスタブに声をかける。


「ああ」


生返事が返ってきた。

 新しく頭となった人物の実力を目の当たりにしてショックを受けたようだ。

 アシムは何も言わずギュスタブを連れ帰路につく。

 ライゼンがいるであろう建物まで送ってそのままついてこようとするのを阻止した。

 完全に心ここにあらず状態だった。


「ギュスタブどうだった?」


ライゼンはギュスタブを部屋に招き入れ質問する。


「あれはヤバい」


「ヤバい?」


「ああとにかくヤバい」


何を見たのか語彙力を失っていた。


「わかったならいい。逆らうなよ?」


ライゼンはギュスタブの反応を見て自分の判断は正しかったと再認識したのだった。

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