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第79話 いつもの争い

賭博場のおとこ達に囲まれたアシムは落ち着いていた。


「ガキにやられたのか?」


地面に伸びている仲間を見て嘲笑を送っている。


「貴族様は強いらしいが、この人数を相手にがんばれるかな?」


近くの男がアシムを見ながらニヤニヤしている。

 貴族の教育を受けているから武術が少しできる程度の認識なのだろう。

 なんというか、いつものなめ腐ったような視線にも慣れてきた。


「そんな目で見られたら純真な心が腐ってしまうだろ。これが終わったらゆっくりバカンスでも行くか」


最近物騒なことばかりで心がやさぐれそうなので、心のケアを真剣に考える。


「ハハハ! 余裕じゃねえか! 安心しな教会のベッドでゆっくり休ませてやるぜ!」


この世界では教会が病院の代わりに使われている。

 入院はできないが、治療は教会で行うという形だ。


「はぁ、まあいいや」


むさいおっさんに囲まれていい気分もしないので手でさっさとかかってこいと合図を送ると男達は怒りながら襲ってきた。


「ゲハハ! 骨が折れるぐらいは我慢しろよ!」


「なるほどね」


男のその言葉にアシムが拳とともに返す。


「じゃあ僕もおじさん達の骨が折れるぐらいはやっていいんだね?」


アシムの拳が顔面にヒットした男が一発で気を失う。

 そこからは乱闘の始まりだった。

 流石に神聖魔法を使わなければならなかったが、負けるような戦いではなかった。

 魔法を使うやつもちらほらいたが大したことはない。

 エアリスのストーカーをしていたサーニャの方が強く見える。

 死角は神聖魔法の魔力で壁を作り、自分の対応できる攻撃のみに限定させる。

 人数の有利差がでない戦いに敵も焦りを見せ始めた。


「この!」


焦って数人が同時に正面から飛び込んでくる。

 そんなことをすれば当然。


「邪魔だ!」


アシムが手を出すまでもなく仲間割れで倒れるやつも出てきた。

 確実に人数が減っていき、残り20人もいなくなった頃ようやく敵が下がり始めた。 


「ば、化け物か!」


「ビビるな! これだけ魔法を使っているんだ! そろそろ限界だろ!」


「で、でも……」


勝てないと思う者が出てきて勢いがなくなる。


「下がれ!」


今まで後ろで見ていただけのダイン一家のボスが前に出てきた。


「おや? 次はボスが戦うのか?」


「そうだな。お前は強い、特別な力を持っているからな」


相手の親玉に認められてしまったようだ。


「だがまだガキだ。世の中を知らなすぎる」


「なにが言いたい?」


何かとんでもない隠し玉を持っているのかと思って警戒をする。


「禁書を使えるのがお前だけだと思うなよ?」


ラビオは懐から本を取り出すとそれを開く。

 すると本が煙となり剣になった。

 その剣を見てアシムは固まってしまった。

「ハハハ! ビビって声もでねえか! ガキにはすぎたおもちゃだってことを大人が教えてやらねえとな! 恨むなよ?」


「か、カッコイイ! いいなそれ!」


「は?」


今度はラビオが固まる番だった。

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