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第78話 宣戦布告

「ガキがこんなところに何の用だ?」


アシムはライゼンから聞いていた賭博場に来ていた。


「アシム・サルバトーレだ。話がしたい」


「貴族のボンボンか? 帰りな! ここに母ちゃんのおっぱいはないぞ?」


周りに座っている部下であろう人たちがバカにして笑う。

 こんなことで動揺はしないが、最初相手にあえないというのは少々面倒だった。


「話す気がないならいい。エリゼは諦めろ、彼女に手を出すなら潰すぞ? それだけだじゃあな」


「待て!」


一番奥のソファに座っていた偉そうな人物が声を荒げる。


「話をしようじゃないか」


そう言うとソファの横にある扉を開けて中に入っていった。

 アシムは周りに止められることもなく後を追っていく。


「座りな」


ボスらしき人物の対面に座る。

 護衛なのか屈強な男が二人後ろに控えている。


「それで? エリゼのことをなぜ知っている?」


「エリゼをサルバトーレ家で雇ったからな。情報は聞いている」


「ちっ! 本人からか」


「それでだ、さっきは要求を一つしか言わなかったがもう一つある」


「なんだ?」


子供相手にムキになることがかっこ悪いと思っているのか、素直に話を聞いてくれている。


「モーリス一家との抗争も終わりにしろ。これはサルバトーレ家が預かる案件となった」


「あ゛? モーリスは貴族の犬になったのか?」


「サルバトーレ家の私兵団だ」


「私兵団……」


思うところがあるのか男は黙る。


「どうだ?」


「この俺がダイン一家のラビオ様だと知って言っているのか?」


「お前がボスのラビオか。名前は聞いたことあるがな、知らん!」


「ガキが! 貴族のボンボンが調子に乗ってると痛い目見るぞ?」


「こんなところに一人で来てる時点でわかれよ」


ラビオは顔をプルプルと震わせ怒りを隠せていない。


「やめだ。脅して金でもむしり取ろうと思ったがお前は俺様をなめ過ぎた!」


そう言うと後ろの二人へ合図を出す。


「やれ」


護衛の二人は急ぐこともなく、子供を捕まえるだけの簡単なお仕事気分でアシムを囲む。


「悪いな、子供だからって許してやれんのよ」


手を伸ばして捕まえようとする。


「触れるな!」


「う゛!」


突風が起きたかと思うと手を伸ばしていた男が吹き飛ばされていた。


「魔法! てめえ!」


もう一方の男が魔法を使ったアシムを警戒して武器を取り出す。


「答えは分かった。サルバトーレを舐めるなよ?」


アシムはソファから立ち上がると武器を持った男の懐に一気に入った。

 速さに反応できなかった男はそのまま投げ飛ばされる。

 入ってきた扉を突き破り賭博場へ転がる。


「全員相手してやるよ!」


子供が闇組織に宣戦布告を行った。

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― 新着の感想 ―
[一言] 遵法か違法かの違いだけで力そのものは大差ないよね ※そういう話じゃない
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