表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

67/189

第67話 サルバトーレ家襲撃③

「あなたが何かしたのですか?」


エアリスが目の前に現れた女に問う。


「あなたに喋ると思う?」


といいつつも女は楽しそうに‘‘本``をいじくり回している。


「それは!」


「あら知っているの?」


女は今の絶対的有利を楽しむように笑う。


「禁書……」


そう、あのデュラム家が使った禁書に似ていた。

細かい装飾などは違うものの、あの独特で嫌な力を感じる。


「そうよ~! 驚いた? 禁書を知っているならこれがどれだけ凄いかわかるわよね?」


「そうね、ちょっと‘‘面倒‘‘ね」


「面倒で済むかしら?」


女はエアリスの言葉を強がっていると捉えた。


「いいわ相手をしてあげる」


エアリスはそう言うと挑発するように手首を曲げて誘う。


「あら、余裕があるように見えないけど大丈夫~?」


女はにやりと笑うと、腰から下げていた剣を引き抜く。

エアリスも鍛錬の時に持っていた木刀を構える。


「眠かったらおねんねしてもいいのよ?」


お返しとばかりに挑発をしてくる。


「おばさん臭くて眠れないわね」


明らかに女の機嫌が悪くなった。


「子供は悪戯でなんでも許されると思ってるのかしら?」


「私にお仕置きでもするつもり?」


「ふふっ! そうね! お仕置きいいじゃない!」


「サルバトーレの子守りは甘くないわよ?」


「あら、じゃじゃ馬さんなのね!」


女は不意を突くように一気に間を詰めてきた。


しかしエアリスは女の踏み込みに合わせてバックステップを踏む。


「甘ちゃんね!」


女はその行動をみて、逃げ腰の動きだと思った。

それもその通り、後ろに下がってもそのまま間を詰めてしまえばいいのだ。

幸い女はスピードに自信があった。


しかし、エアリスは真後ろにステップを踏む。


「はっ! 甘ちゃんだね!」


そのまま突き刺すように剣を出す。


「サルバトーレは甘くないですよ?」


低く突っ込んだとはいえエアリスは子供、ちょっと膝を曲げるだけで簡単に下を取った。

それと同時に横へスライドする。しかしそれだけでは攻撃の範囲を脱することはできない。


女が勝ちを確信して嘲笑を浮かべる。


しかしエアリスの目的は攻撃を避けることでない。相手の側面を取れれば十分だった。


「流石に正面はきつそうなので!」


といっても女から見れば十分正面なのだが、エアリスとしては十分だった。

剣が間合いに入った瞬間、横から叩くように剣を振る。

正面からだと木刀が負けてしまうのは目に見えている。


「はっ!」


未だ剣の軌道上にエアリスはいる。力で押し込もうと勢いを殺さないでそのまま突っ込む。

しかし、次の瞬間女は地面に叩き伏せられていた。


「ガハッ!」


息が詰まるほどの衝撃に女は動けなくなる。


「甘ちゃんですね!」


女の記憶はそこでプツリと途切れた。

新作です!

「転職したら異世界の魔王軍でした~ダンジョン経営からの成り上がり~」

下のリンクからお読み下さい!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新作です!乙女ゲー世界に転生した俺がゲーム知識で最強へと至る道~悪役令嬢が闇落ちするので助けようと思います~

書影を公開しました!画像をクリックで商品ページへ飛びます。
書籍版は細かい加筆修正と、シャルル姫外伝が追加収録されています!
第1巻2020年9月10日発売!
9mf5dsm0fdp898pqbir22wb229ra_o9j_go_oo_a
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ