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第62話 剣士のプライド

「姉上! サーニャさんに喋る許可をもらえるかな?」


「それで決闘というわけね」


エアリスに事情を説明して、サーニャに喋る許可を出すようにお願いしてみたが無視された。


「これであきらめてもらえると思うんだけど……」


「ダメよ!」


エアリスが強い口調で否定してくる。


「な、なんで? 僕が負けるとか?」


気押されつつもアシムは理由を聞いた。


「アシムとの婚約は私との決闘でなくしたわ。それだけは絶対にダメだから、対価として使えないわ」


確かにここで婚約の可能性を出してしまうと、エアリスの決闘をないがしろにする形となる。


「何かないかな?」


「決闘じゃない方法でやりましょう!」


「決闘じゃない方法?」


「ええ、貴族の尊厳のを賭けるのではなく、剣士としてのプライドをかけましょう!」


「剣士のプライド?」


サーニャは?を頭に浮かべた。

エアリスには喋りかけてもいいのだが、雰囲気でしゃべってはいけないような気がしていた。


「具体的には一度サルバトーレ家の鍛錬を受けてもらうわ」


アシムは疑問に思う。


「それ弟子入りさせるってこと?」


「一時的によ。それで全メニューを夕刻までにこなせれば合格、無理なら諦めるこれならどう?」


エアリスがサーニャへ話すように促す。


「サルバトーレの鍛錬ですか……」


意外と可愛らしい声をしている。

その声とは裏腹に不安な顔をする。


「私に弟子入りしたいのでしょ? それならこの鍛錬は毎日やってもらうわよ」


それを聞いてやる気が出たのか、サーニャは覚悟を決めたような顔をした。


「わかりました! 是非その条件でお願いしたいです!」


エアリスに絡んできた少女と聞いていたので、アシムはサーニャに対し悪いイメージを持っていた。

しかし、態度をみる限りいい娘に見える。


「決まりね。鍛錬は明日一日使うから今日は街へ出かけましょう!」


「いいね!」


「一日鍛錬ですか……」


なにやらサーニャが絶望をしたような顔をしているが、サルバトーレ家のメニューをこなせないようではエアリスについていくのは無理だろう。


これでサーニャが諦めてくれると信じてやるからいいが、エアリスはサーニャが鍛錬をクリアした場合のことを考えているのだろうか?


十中八九無理だとは思うが、万が一がある。

その万が一を残している事が、アシムにはどうしても不安に感じてしまっていた。

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― 新着の感想 ―
[一言] 弟子入り希望なのに、なんで稽古付けて貰えるのに喜ばないの? 絶望するなら鍛錬が始まってからでは?
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