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第50話 人攫い

村娘達がいるであろう奴隷商へ向かう。

お店にはまだ、配置されていないようだ。


(あった)


アシムは従業員が使っているであろう、扉から中に入る。

どうやら裏口のようだ。


アシムはそこから忍び足で二階へ向かう。

事前に奴隷の場所は確認してあるので、スムーズに向かう。


今回の作戦はこうだ。

アシムが村娘を一人攫い、王城まで素早く運ぶ。

奴隷商が気づく前にさっさと違法奴隷を確認し、しょっ引くという算段だ。

こういった輩は闇組織に助けてもらうので、そこでユーリ達の交換条件を出すのだ。

闇組織が手を引く場合はまた他の方法を考えなければならないが、そうすると闇組織が行っているであろう奴隷でのお店経営が立ち行かなくなってしまうだろう。


(ここか!)


問題なく奴隷を入れておく牢についた。

周りを確認するが、見張りもいない。

それもそうだろう、奴隷紋を刻まれた奴隷を盗んでも‘‘普通‘‘は騎士団が居場所を特定するらしい。

国に登録されている奴隷はそうなので、何か特殊なアイテムでもあるのだろう。


中を見ると、奴隷達はアシムに気づかずぐったりとしていた。

この牢は村娘しか入っておらず、他の奴隷とは違う所に入れられていた。

アシムは気づかれないように、カギを壊す。

できるだけ音を出さないようにしたが、流石に中の奴隷達には気づかれた。


「あ」


声にならない声を上げたが、アシムはジェスチャーで声を出さないようにと指示する。


「あなた達を助けに来ました」


娘達の顔に希望の光が差したようだ。


「説明しますので声は出さないように」


アシムは近くに娘たちを集める。


「これからこの中の一人を連れて王城へ行きます。王城にて違法奴隷という事を証明できるので、その後にこの奴隷商から皆を助け出します」


簡単に説明をする。


「誰を連れていくかは僕が決めます」


ここでごねられて時間を費やしたくなかった。


「君と一緒に行こう」


近くの女の人を指名する。

十代に見え比較的他の人よりも若く感じるが、アシムよりは大分大きい。

娘達は何も言わず従ってくれている。


「もしここから連れ出されても探しに行くから」


そう娘達に告げ、選ばれた女の人と共に牢をでる。

その際に新しい錠前をかけなおし、偽装をしておく。


「こっちから行くよ」


出口に繋がる扉の方ではなく、逆の方向に進む。


「あの、ここは」


この先は扉ではないと言いたいのだろう。


「分かってる」


そう言うと、突き当りに到達した。


「ここから出るよ!」


「え!」


女の人が見たのは、窓だった。

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