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第49話 親ごごろ子知らず

夜のアダンとの話は結局、全部話すことにした。

ここまで自分一人で動いてきたが奴隷の解放となると、一人では無理だ。

最低でもシャルル姫の協力は仰がないと、しらばっくれられたら調べることすらできない。


「それで、その奴隷達を解放したいと?」


「はい」


アダンは険しい顔をしている。

ジャムとユーリの事情を全て話し、事情は呑み込めたようだ。


「その奴隷商は、ジャムがここにいることは知っているか?」


「いえ、死んだ者と思っているようです」


「そうか、今の段階で勘付かれた場合証拠隠滅をするだろう。くれぐれもバレない様に」


「認めてくださるのですか?」


「そうだな、お前が部下に欲しいという少年も気になるが、まず奴隷にされた娘達を解放するのが先決だろう」


「はい。そのつもりです」


「よろしい。闇組織の方は間違っても潰そうとするなよ?」


「わかっております」


闇組織を潰すことは可能だろう。

しかし、一つを潰してしまえば他の地域の闇組織が入ってくるだけだ。

そうやって一つの組織が肥大化してしまったら、国が腐敗してしまうのは目に見えている。

しかし、アシムは闇組織をそのままにしておくつもりは無かった。

今ではないが、いずれの闇組織の‘‘あり方‘‘を変えようと思っていた。


(そのためには、政治も武力も強くならなければな)


政治力を持ってして正しい政治をしたいならば、それを実行できる力も同時に必要となる。

現状の王国では闇組織に呑まれることはないが、消し去ることも出来ないということだ。

王国側に被害を出さないで闇組織を潰すには、相手に戦う意志すら許さない圧倒的な武力は最低限必要だった。


「いつ決行できる?」


「すぐにでも」


村娘達は既に奴隷化されている。

奴隷商の罪を暴くにはやはり、その村娘が一番の証拠だ。

正面から追及しても逃げられるだけなので、こちらも強引な手で行かせてもらう。


「わかった。団長に明日報告しておこう」


「ありがとうございます」


「あくまでも、違法奴隷を証明できたらだからな?」


アダンは釘を刺すように、言ってくる。

それもそのはず、アシムは神聖魔法という強大な力を持っているのだ。

激情に任せて暴走をしてしまえば、止められるものがいるか怪しい。


(もしもの時は私が……)


アダンは、もしそうなった時に親として責任を取る気でいた。

一方の当人は、なにも心配はいらないというような顔をしている。

この数日の尾行で、自分の隠密行動が通用していることにアシムは自信を深めていた。


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