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第39話 奴隷商・続

「追加ですか?」


「ああ、前と同じ人数で頼む」


「かしこまりました、今回は事前に用意できていましたので、すぐお引渡し可能です」


「店がまだ準備できていなくてな」


「かしこまりました。お引渡しは都合のよい時で」


「助かる」


(奴隷購入か、この奴隷商が調達してるのか?)


アシムは扉の前で魔法を使い、盗聴していた。


「追加で五人用意できるか?」


「五人ですか?」


「ああ、今度の店が少し大きくてな」


「なるほど、少々お時間いただいても?」


「ああ、それまで取る客は増やさないから任せる」


「ありがとうございます!」


「奴隷を作るのは大変だからな」


「ご理解頂き、大変助かります」


「まぁ、今後も頼むよ」


「ありがたく引き受けさせていただきます!」


関係は良好のようだ。


(まずいな)


アシムは階段の方から、人が向かってくるのを察知した。

事前に確認しておいた窓から、先ほどと同じように隠れる。

部屋の方に人が入っていくのを確認するが、すぐに出てくる可能性が高いため様子を見る。


すると、部屋にいる全員が出てきた。


「それじゃあ、よろしく頼んだぞ」


奴隷の調達は、奴隷商に外注しているようだ。


(働いている人が奴隷ということが、証明できればいいかな?)


時間も遅くなり、ここからはどういった情報で攻めればいいのかわからなかったので、一旦戻ることにした。





「ユーリ君! 遊びましょー!」


アシムは、ユーリの家の前で叫ぶ。


「あら、アシム君! ユーリなら中にいるわよ」


「エリゼさん! こんにちは!」


「ふふ、もうこんばんわの時間よ」


「こんばんわ!」


「はい、こんばんわ」


挨拶をし直す。


「そう言えば、ユーリが何してるか聞けたかしら?」


アシムはしまったと思った。言い訳を全く考えていなかったのだ。


「あ、そう言えばお店で働いてるって言ってたよ!」


「どこの?」


「う~ん、教えてもらえなかった!」


「そうなの、残念ね」


お姉さんからすれば、安心できないのだろう。

さっさとサルバトーレ家で雇って安心させるのがいいだろう。


「エリゼさんは仕事?」「ええ、今からよ」


「いってらっしゃい!」


「行ってきます、あまり遅くなって親御さんを心配させてはダメよ?」


最近、父親は忙しいのか夕飯を一緒に食べられない時間帯に帰ってくるので、アシムが遅くなってもわからないだろう。


エリゼを見送り、扉を開けて中に入る。


「ユーリ! 行こうか」


中には、外套をすでに着たユーリが待っていた。


「遠足楽しみにしてた、子供かよ」


「ああ!?」


「何でもない」


「ちっ!」


挨拶を交わし、二人は王城へ向かった。

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