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第30話 友人と会話

アシムは今、滅茶苦茶睨まれていた。


「そんな見つめるなよ! 照れる」


「照れるな! なんでお前がいるんだよ!」


怒鳴りながら、小声になるという器用な芸当を見せてもらった。


「まぁまぁ、一緒にヤリあった仲じゃないか!」


「あら、二人は知り合い?」


台所からエリゼが現れる。


「ちがっ! こんな奴!」


「王都に引っ越してきたばかりで、迷子になっちゃってさ! その時に助けてもらったんだ!」


「あら、そうなの! ユーリ、友達ができてよかったわね」


ユーリは、強く反論できず、口ごもる。


「じゃあ、お姉ちゃんは仕事行ってくるから、アシム君ゆっくりしていってね」


「はい! ありがとうございます!」


「……いってらっしゃい」


エリゼはそう言うと、家を出ていった。


「優しいお姉ちゃんじゃないか?」


「話しかけんな! ていうか帰れ!」


取り付く島もないといった感じだ。


「まぁまぁ、別にお前のやってることをばらすつもりはないよ」


「脅す気か? 殺すぞ?」


「僕に負けたよね?」


「ちっ!」


今まで同年代に負けたことがないのだろう、相当悔しそうな顔をしている。


「何が欲しい? 金か?」


「お金は大丈夫、君の方が困っているんじゃない?」


「金には困ってねぇよ!」


「じゃあ何に困ってるの?」


「てめぇに話すかよ!」


「やっぱり困ってるんだ」


自分が困っていると言う事を、認めた形に苛立つユーリ。


「てめぇ!」


ユーリがアシムの胸倉を掴む。


「俺にも、姉がいるんだ!」


「それがどうした! 人の事情に首突っ込むんじゃねぇ!」


「そうだな、僕がどうかしてるな」


「なら!」


「僕が普通の子供に見えるかい?」


「自分で言うのかよ」


「ハハハ! 悲しいことに、僕と戦った君ならわかるんじゃないか?」


「何が言いたい!」


「自由に生きられない不幸を! 君は受け入れられるのかい?」


「好きでこんなことしてるわけないだろ!」


「じゃあ、なんでやっているんだい? お金ならあるんだろう?」


「抗争だよ!」


「抗争?」


「ああ、闇組織同士の抗争に巻き込まれたんだ」


「ユーリ、何かやったのか?」


「名前で呼ぶな! ちげぇよ! 俺達は何もやってない!」


「もしかして、関係者?」


「見初められたんだよ!」


「ユーリが?」


「姉貴だよ! 闇組織のリーダーに、見初められたんだ!」


見初められただけで、自由が奪われるとは思えないが。


「この区画を牛耳ってる組織と、対立関係にあるリーダーに見初められたせいで、姉貴は命を狙われるようになったんだよ」


何か、事情がありそうだ。


「話してくれるか?」


「何を今更」


諦めたように、ユーリは語り始めた。


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