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第19話 禁書

日間ハイファンタジー部門2位です!

応援ありがとうございます!

動揺してます!

「その魔法書は?」


「ハハハ! 武力でサルバトーレ家に反抗されては敵いませんからな」


コイツは、武力でもサルバトーレ家を抑える準備をしていたらしい。


「ガゴ・デュラム! 王族に対しての蛮行! 国家反逆罪だぞ!」


リーゼロッテがガゴに怒鳴りつける。


「ええ、分かっていますとも。つまりそういうこと、なのですよ!」


「本当に、反逆をするつもりか!」


「時期尚早ではありますが、まぁ良いでしょう」


ガゴは本当に反逆を企てていたらしい。

サルバトーレ家やこの魔法書も戦力増強のためか。


「この魔法書は、禁書と言われる類のものでね」



・禁書:人類に甚大な被害をもたらす物や、死者蘇生など神の所業を模倣したもの。



「禁書だと?」


「実際に見てみるのが、一番理解できるだろう」


そう言うと、ガゴの周りに黒い煙が集まり、そして四方に飛び散った。


「な、なんだ」


飛び散った際に、煙に当たった人たちが膝をつく。


「これが、禁書の力か!」


「ハハハ! そんなわけないでしょう! 今のは黒く可視化される程、濃い魔力の塊ということですよ」


「黒い魔力?」


「おや、聞いたことありませんか? 昔話などでよく聞くと思うんですが」


「神聖魔法か?」


「ええ、そうです! これは神聖魔法を模した禁書なのですよ」


「なんだと……」


膝を地面に着きながら、リーゼロッテが愕然としている。


「ハハハ! この魔法の真骨頂をお見せしましょう!」


そう言うと、部屋の窓や扉が大きな音を立て、一斉に開いた。


「これが私の求めた無敵の軍団! ガーゴイルですよ!」


開いた窓や扉から多くの、昔話に出てくる悪魔の形をした生き物が入ってきた。


「リーゼロッテ! 立てるか!」


「くっ」


返事をするのも苦しそうだ、先ほどの会話は無理をしていたのだろう。


「父上、姉上、アイリス!」


「大丈夫だ!」


「行けるわ!」


「はい!」


サルバトーレ家の面々はちゃんと黒い煙を避けていたようだ。


「アイリスは、倒れている人たちを集めて守ってくれ!」


「はい!」


アイリスは、魔法を駆使して倒れている人たちを集めた。


「アシム」


アダンがアシムに話しかける。


「ええ、多分僕なら対処できると思います」


「ああ頼むぞ、俺達はあの黒い魔力に触れられないからな」


ガーゴイル達は、黒い魔力を纏っており、いかにもな雰囲気を出していた。


「行くぞ!」


ガゴの合図と共に、ガーゴイル達が一斉に襲いかかってくる。


「くっ!」


アダンとエアリスは剣でガーゴイル達を捌く。


「強くはないみたいだな!」


アダン、アシム、エアリスが屋敷内を縦横無尽に暴れまわる。


「ククク! ここからが神聖魔法の見せ所ですよ?」


倒されたガーゴイル達が、起き上がり再生していた。


「何?」


「サルバトーレ家の剣術や魔法は、本当に目を見張るものがあるからな! 不死の軍勢ですよ!」


「体力勝負ということか」


サルバトーレ家の戦闘力を、永遠の攻撃で封じようとしている。


「父上、姉上! 時間稼ぎをお願します!」


アシムが叫ぶ。


「ハハハ! 不死の存在に時間を稼いでも、意味はないぞ!」


「アシム任せたぞ!」


アダンはアシムの能力を分かっているので、最大限のサポート『時間稼ぎ』をする。


「これでも死なないかな?」


アシムの黒い炎がガーゴイル達にヒットする。

ガーゴイルは、変な鳴き声と共に消滅した。


「ハハハ! 燃やし尽くしても意味はないぞ!」


ガゴはまた復活すると思い高笑いをする。


「意味……あるみたいだぞ?」


消滅したガーゴイルが復活していない。


「な、何?」


「神聖魔法を使えるのは、お前だけじゃなかったみたいだな」


「アシムのは模倣じゃないけどな!」


余裕が出たのか、アダンが会話に入ってくる。

こうやって話している間も、アシムはガーゴイルに向かって炎を飛ばしていた。


「本物の神聖魔法だと……」


ガーゴイルもすっかり倒しつくす。

アシムは、黒い魔力に侵されてしまっている、皆の元へいく。


「大丈夫か?」


リーゼロッテに声をかけるが、苦しそうだ。


「リーゼロッテ! 僕を信じて下さい」


「お兄様……」


隣でアイリスが呟く。


「アイリス! 今はガゴを見張っておいてくれないか? 僕は皆を治してみる」


「はい」


アダンとエアリスがガゴと対峙しているが、魔法書の魔力のせいで近づけない。

アシムは、リーゼロッテのおでこに手を当ててみる。


「直接触ると分かりやすいな」


リーゼロッテの中に‘‘魂‘‘の存在を感じる。

その周りに、黒い靄が掛かっていた。


「これを」


アシムはそれを黒い炎で焼くイメージをする。


「うぅ」


その黒い炎のエネルギーを、損傷してしまった魂の補強に使う。


「魂を燃やすだけじゃなくて、治すこともできるのか」


アシムは、出来ることが増えたのを実感する。


「ん?」


「リーゼロッテ! 気分はどうだ?」


「あ、ああ、姫様は?」


「今から治すさ」


「は、早く!」


力が入らないのか、倒れたまま手を伸ばす。


「わかった」


アシムは同じ方法で他の人を治していく。


「ありえん! ありえんぞ! もはやこうするしかないか」


全員を治す頃、ガゴが覚悟を決めた顔でこちらを睨む。


「あなた! ダメよ!」


ダリア夫人が叫ぶ、ちなみにデュラム家も黒い靄にやられていたので回復させておいた。

反逆をした貴族だ、後でしっかり裁かせてやらないと。


「父上、姉上下がって!」


アシムは危険を感じ、二人を下がらせる。


「フハハハハハハハハ!」


ガゴは笑い声と共に、黒い靄に包まれる。


「くそっ!」


アシムは、黒炎を飛ばし攻撃する。

爆発が起き、視界が煙で覆われる。


「父上! みんなを連れて逃げてください!」


「わかった」


ここで父に任せ全員を避難させる。

煙が晴れ、大きな影が現れた。


「フハハハハ! これこそが神をも倒す力! 悪魔降ろしよ!」


姿形が、異形のものに変わってしまった‘‘ガゴ‘‘だった怪物が立っていた。

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