第18話 駆ける姫
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--------------シャルルside--------------
時は同じく、金貨を返している所、シャルル達は。
「はぁはぁはぁ」
「シャルル様! 急いでください!」
「わ、分かっています」
「予定の時間より大分遅れています!」
「はぁはぁはぁ」
答える元気もないようだ。
「シャルル様が行きたいと言わなければ……」
当初は、リーゼロッテのみで行く予定だったが、急遽シャルル姫も行くと言い出したので、許可をとるのに数日かかってしまった。
本当は、リーゼロッテは街に前日に入り、アシムと最終調整をして挑むはずだった。
「しかし、はぁはぁはぁ……私が、はぁはぁはぁ」
「もう少しで、着きますよ!」
シャルル姫は最後まで言えず、走ることに集中した。
--------------アシムside--------------
「金貨1000枚ですどうぞ」
「な、何!」
「う、嘘だ!」
「っ……」
ガゴ、ゴドー、ダリアと驚愕に染まっている。
「アシムこれは……」
「アシム!」
「お兄様」
アダン、エアリス、アイリスも同じようにビックリしている。
まぁ、エアリスは目元を抑え、涙が出ていたが。
「お兄様! 凄いです!」
最初に我に返ったのは、どうやら一番幼いアイリスのようだ。
「ガゴ・デュラムさん? どうしましたか?」
アシムは、ガゴの様子がおかしいことに気づく。
「アシム君」
「なんでしょう?」
「子供がこんな大金を稼げるのかね」
「目の前にあるのが答えですよ」
「いやいや、何かやましいことでもしたんじゃないかね?」
「していませんよ、そこにいるハンターのフェルツと一緒に、稼いだだけですよ」
「ハンターがこんなに稼げるわけがないだろう!」
「僕はサルバトーレ家なので、戦闘は得意なんですよ」
「それに、一介のハンターの言葉が信用に足るとは思えんがね」
「何が言いたいんです?」
ガゴがこのまま素直に受け取らない、ということだけは感じる。
「このお金は不正なお金の可能性がある、調査をするのでデュラム家が預かる、それまでこのお金は凍結だ」
なんと無茶苦茶な暴論だ、お金の流れなどちゃんと帳簿をつける、政治資金でもない限り追えない。
つまり、一生調査が終わらないのだ。
「それは承服できかねますね」
「貴様の許しなぞいらん」
フェルツやアダンが苦い顔をしている。
このままもみ消されると、思っているのだろう。
「別に僕が承服できないということでは、ないんですよ?」
「何? ここに私以上の権限を持つものでないといけないのだぞ?」
ガゴはこの領地の主だ、この地で一番偉い。
「来たようです」
アシムは気配を感じ取り、扉を開きに行った。
--------------シャルルside--------------
「つ、着きましたわね! はぁはぁはぁ」
「行きますよ!」
「ちょ! まって!」
休ませる時間はくれないようだ。
「バスタル王国騎士団副団長のリーゼロッテと、シャルル姫だ」
王家の紋章と。騎士団の紋章を見せる。
「は、はい! な、何用でございましょうか?」
「何も聞くな! 通せばそれでいい」
「は、はい!」
使用人レベルではその言葉に逆らえなかった。
「ああ、デュラム家とサルバトーレ家が話し合っているだろう、そこに案内してくれ」
「はい!」
一度ガゴに話を通すのが普通だが、使用人に王家の者を待たせる勇気は無かった。
扉の前に着く。
「ご苦労」
使用人は頭を深く下げ、去っていった。
「シャルル様、アシムから合図があるまで待機です」
「やっと休めるのね」
胸の上下が落ち着かないシャルル姫が、安堵した顔になる。
「あ! 扉が開きます!」
アシムが扉を開けるタイミングに丁度間に合ったようだ。
シャルル姫は絶望の顔から、必死に毅然とした態度に変わる。
--------------アシムside--------------
「どうぞ、シャルル様に副騎士団長リーゼロッテ様」
「なっ!」
ガゴが驚いたような声を上げたが、すぐに収める。
「アシム、状況説明を」
「ハッ!」
「シャルル様! 今はこの!」
「発言を許した覚えはなくてよ? それに頭が高いように思うのだけれど」
「し、失礼しました!」
その場いる、アシムとリーゼロッテ以外が跪く。
「それでは、説明させていただきます」
アシムは、ガゴがこの金貨が不正で手に入れたものではないのか調べるという事と、エアリスとの婚姻話をしていたことを話した。
「分かりました! まずエアリス婚約は受けるのですか?」
エアリスに聞く時点で、どちらの肩を持つためにきたのかハッキリしている。
「受けません」
「分かりました! ではデュラム家に言い分はありますか?」
「いえ、何もございません」
ここで、世間体が悪いから、借金を利用しますとは言えない。
「では、ガゴ・デュラム!」
「は!」
「アシムのお金を不正だと断定をする方法を今提示しなさい」
「それは…‥」
「このお金は、アシムがハンターとしてしっかり稼いだものです! アシムは以前魔物を狩っている時に、襲われている私を助けてくれました!」
デュラム家に完全に勝ち目が無くなった、王家を助けた実績のあるものを責めれるはずがない。
「ぐぬぬ! 仕方ない!」
しかし、デュラム家にも引き下がれない理由があった。
ガゴはおもむろに、魔法書を取り出し、呪文を唱えた。
「何を?」
「下がって!」
アシムがみんなの前に出る。
「死人に口なしとはよく言うではないですか?」
「ガゴ・デュラム! 何をしているのですか!」
「そう、これは不測の事故なのですよ!」
ガゴ・デュラムが不気味な笑顔で、周りの人間を見渡した。
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