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第139話 部隊設立

「それで? 教皇様が監禁されている部屋は警備が厳重だから潜入は難しかったと?」

「はい! 武装をした屈強な男が二人。恐らく雇われた護衛かと思われます」


現在、学園の寮を抜け出し自宅にて詳しい報告をライゼンから受けていた。

 ユーリは屋敷にきたシスターを探って貰っていたが、私兵団には教皇様の現状と教会に探りを入れる役割を担って貰った。


「これは?」

「は! 教皇様が監禁されている教会内の見取り図でございます!」

「これはどこかで手に入れたの?」


こんな重要なもの……教会の隠し扉など詳細が載っているものを手に入れられるルートがあるなら是非把握しておきたい。


「これは調査の結果、私兵団の団員が作成したものです」

「え? その人に是非会ってみたい。報告が終わった後取り次いで後日にでも会えないかな?」


私兵団は基本的に武力としてしか見ていなかったので、このように器用な真似をできる人物がいるとは思わなかった。

 ここ数年は、支配地域の治安の見直しや他の闇組織の対応などで、地盤を固めるのに忙しくて私兵団の細かい把握をする余裕がなかった。

 優秀な人物が埋もれているならば、組織の再編を考える時期に来ているのかもしれない。


「今、念のために待機させておりますので、補足を兼ねてお話しますか?」

「是非是非!」


どうやらその優秀な人物が来ているようだ。


「おい!」


団員に合図を送ると、了解の意を示し部屋から出ていく。

 少しすると、地図を描いたと思われる人物が入室してきた。


「失礼します!」


外見は、黒髪に黒眼鏡と真面目そうな風貌で、細身の美男子といった感じだった。


「思ったより若いね。それに、意外と細い……」


私兵団は日々鍛錬が欠かせないので、必然的に日焼けをした肌に筋肉質な体形になる。


「先日入団したローデリックという者です。地図作製能力に長けているようなので、俺がスカウトしました」


ライゼンが目をつけて勧誘してくれたようだ。

 非常にありがたい。知らない場所で活動するのはリスクが高すぎるが、事前に把握できるならば進入経路から、逃走経路までの計画を立てやすくなる。


「ライゼン!」


地図を再度見直しながらライゼンに命令を下す。


「私兵団の中で情報部隊の作成を命じる。部隊名は【蜘蛛】だ!」


メモとして用意していた紙に蜘蛛の巣をイメージした模様を描く。


「【蜘蛛】の部隊にはこのマークを入れた制服を着させるように。主に情報を扱う部隊になるけど、ローデリックの能力を活用して分析班も育ててね」


情報特化部隊を作り、相手の弱点を丸裸にできるようになってほしい。

 仕事内容としては、潜入調査から手に入れた情報の分析まで多岐に渡らせるつもりだ。恐らく私兵団は戦闘部隊として、【蜘蛛】は情報部隊として別組織のようになるはずだ。


「それは……戦闘はさせない部隊ということですか?」

「全くしないというわけにもいかないと思うけど、戦闘よりも情報収集を目的に動く部隊だね。万が一戦闘になったら相手を倒すんじゃなくて、いかに生きて情報を持ち帰るかということに注力してね」

「なるほど……」


ライゼンは少し考えたようだが、納得いったのか頷いてくれた。


「言うまでもないけど、私兵団と同じような鍛錬じゃダメだよ?」

「承知しました。潜入調査など得意な者を集め、分析班はローデリックを中心に作りたいと思います」


潜入調査は元々やっているノウハウがあるが、分析は恐らくライゼンなど幹部が行っていたのだろう。そこに関しては人材の登用や、育成が必要になってくる部分だ。


「私兵団も名前をつけようか。役割的には戦闘部隊ということになるから、【銀狼(ぎんろう)】でどうかな? マークは銀の狼をモチーフに作ってね、もちろん制服も」


できれば【龍】とかにしたかったが、ドラゴンは王家の象徴として使われている。

 ちなみに私兵団は普段制服などはなく、紋章が施された鎧を装着した時にどこの家の私兵かわかる程度だった。


「いいんですか? 制服となると金が」


部隊の防具や武器を用意するのに莫大なコストがかかる。これは管理費も含まれるので、私兵団を抱える限り延々と続く出費である。

 それ故、私兵団に制服を作る貴族などおらず、そもそも私兵団を抱える家が少ないのもそういった理由からだった。


「サルバトーレ家は武力が評価されて貴族になったんだ。そこで他の貴族に負けるわけにはいかないだろ?」


制服を用意されている戦闘組織は、騎士団や軍など王家直属の部隊だけだ。王家と同じことをやることによって、他の貴族とは一線を画すことができるだろう。


「は!」


何やらライゼンが感極まったような顔になったが、心に刺さるものがあったのだろうか。

 何はともあれ、優秀な部隊を維持するにはお金がかかることは避けられないので、休日のハンター家業を頑張らなければならなくなったのはまた別の話である。


「よし! じゃあ情報が纏まり次第教皇様救出作戦を実行しますか!」


この後ローデリックから教会内部の補足を聞き、内部構造に関しては把握できた。

そして、カトリーナが黒なことはほぼ確定したので、後はどうやって救出するかだった。

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