表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/189

第12話 女騎士

本日ラスト投稿です!

2000文字にしてみました!

「それでは、僕は外を倒してきますので、何かあったら叫んで下さい!」


さっさと外のオークを倒しに行く。


「あ、」


女の人が何か言いたそうにしていたが、アシムはさっさと外に行ってしまった。


外ではオーク達が集まり、死体の周りに群れているものと小屋を囲むもので溢れていた。


「よし! 殺し合おうか!」


こちらをみているオーク達に向かって先制の一撃を与える。


「水魔法で行くぞ!」


誰に宣言するでもなく、水の刃を飛ばしまくる。


「風の方が操りやすいけど、水の方が威力が出るな」


貫通力は水が上で、操作性は軽い風が上だ。


「よし! ある程度数が減ったな」


数を減らした後、肉弾戦に切り替える。


「よっと!」


武器を構えているオークが多いが、完全にアシムのスピードについていけていない。

完全な蹂躙だった。


「いっちょあがりかな」


「うそ……」


後ろから声が聞こえる。

振り返ると、先ほどの女の人が小屋から出てきていた。


「あー! 危ないから中で待っててほしかったんだけど」


「いや、済まない戦闘音が激しかったのでつい」


アシムは敬語を使うのを忘れていたのを気づいて口調を変える。


「それより大丈夫ですか? どこか怪我してませんか?」


「大丈夫だありがとう、それに敬語はやめてくれ君の話しやすいように話してくれないか?」


「いや、でも」


「恩人に敬語を使ってほしくないんだ」


本音はこんな小さい子に助けられ、気まで使われるのは傷つくと思ったからだ。


「じゃあやめま、やめるよ」


「それでいい、改めてありがとうございます私はリーゼロッテといいます」


女性が頭を深々と下げる。


「どういたしまして、それとリーゼロッテさんの方が年上なんだから、それこそ敬語はやめてよ」


「いや、でも」


「なら僕も敬語にするよ?」


「仕方ない、了解した」


「うんうん」


「聞きたいことがあるのだがいいか?」


「いいよ」


リーゼロッテが恐る恐る尋ねる。


「貴殿は何歳なのだ?」


「あ、名前言ってなかったね、僕はアシム」


「アシム……君はなんでそんな若くて強いんだい?」


一つ目も答えていないのに、二つ目の質問がきた。


「まず僕は5歳で、強いのは父親がとっても厳しい人なんだ」


「なるほど、それ以上は聞かない方がいいかい?」


「そうだね、別に悪いことされてるわけではないけどこの強さは秘密だったりするから聞かないでほしいな」



はっきりと明言はしないで、深い事情があるように話す。


「なるほど、わかった」


「次僕が聞いていい?」


「ああ、恩人だからな何でも話すぞ」


「いや、話したくないことは話さなくていいよ!」


「そうかありがとう」


「それで、お姉さんはなんでオークに捕まったの?」


「私は王国騎士団所属の副団長でな、姫様の護衛をしていたのだ」


「ちょ! 話したくないことは話さなくていいよ!」


護衛は重大な情報だろうに。


「話したいのだ!」


目をキラキラさせている。


「ええ……」


何かこの人自分を巻き込もうとしているように見えるのだが。


「それでな、姫様が城へ帰る道中で盗賊に襲われたのだ」


「盗賊?」


オークではなく盗賊らしい。


「ああ、盗賊は撃退したのだがその時に何人かやられてしまってな」


「はぁ」


「そのあとすぐにオークの群れに出会ってしまったのだよ」


滅茶苦茶不幸な運命である。


「それで、疲弊していた私たちは姫様を逃がすので精一杯で私は殿を務め、捕まったというわけだ」


「姫様は無事逃げ切れたかわかる?」


「わからないな」


「そりゃそうか」


リーゼロッテは捕まってしまったのだ、姫様がどんな状態か見る余裕はなかっただろう。


「しかし、姫様が逃げた方角からすると、王都とは逆だったからまだ逃げている途中だと思う」


「それは大変じゃないか!」


一度王都から離れてしまったら、オークから逃げきれても護衛がいない状態では危ないだろう。


「アシム無理を承知で頼む! 姫様を一緒に助けに行ってはくれないか?」


リーゼロッテがまた頭を下げる。


「頼む! 私の出来る限りの報酬を用意する!」


正直無償で助けてやってもいい、王族に恩を売れるからだ。


「そうだな、それじゃあ僕が助けてほしい時に助けてくれるってことでどう?」


「それでいいのか?」


「素性のしらない相手が助けを求めるんだよ? 王国に歯向かうとかだったらどうするのさ」


「それは……」


「まぁそれは無いから安心してよ、なんて言うかな僕は今自分の地位を上げようとしているんだ」


5歳児が地位を上げると言っていることにリーゼロッテは混乱した。


「地位を上げる?」


「うん、何もない平民だと色々動けなくてさ」


「君は騎士団に入ることが夢なのか」


「そうだね、そう言ってもいいかもしれない」


嘘だが、騎士になってもいいと思っているので自分の中でセーフにする。


「そうか、良い夢だ」


さっきから5歳児とは思えない対応だったが、目標が騎士団とは実に若者らしい。


「わかった! 私の出来うる限り君の助けになろう」


「うん、約束ね! じゃあ助けに行こうか」


「ありがとう! それに君の強さなら絶対騎士になれるよ」


「僕もそう思う!」


「ハハハッ! 子供の冗談ではないのがまた気持ちいいな!」


オークの集団を一人で壊滅させたのだ、確実に騎士団に入れるだろう。

アシムはリーゼロッテの案内の元


「あ、ちょっとまってね」


「ん?」


アシムは風魔法で、オークたちをある場所まで飛ばした。


「これでよし!」


「何故オークを?」


「気にしない気にしない! 行くよ!」


「あ、ああ」


今度こそアシムとリーゼロッテは、お姫様が逃げたであろう方向に向かった。


よければ下のリンクからの作品もお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新作です!乙女ゲー世界に転生した俺がゲーム知識で最強へと至る道~悪役令嬢が闇落ちするので助けようと思います~

書影を公開しました!画像をクリックで商品ページへ飛びます。
書籍版は細かい加筆修正と、シャルル姫外伝が追加収録されています!
第1巻2020年9月10日発売!
9mf5dsm0fdp898pqbir22wb229ra_o9j_go_oo_a
― 新着の感想 ―
[一言] 例えば、北海道の田舎を歩いていたら、急にヒグマに襲われて、もうダメだ死ぬって時にデビューした頃の芦田愛菜ちゃんみたいな幼女が助けてくれて、素手でヒグマを殴り殺しているところを見た時に、普通に…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ