第11話 オークの集落
ハンター依頼所で契約を済ませた。
「よし! 早速狩りに行ってくるから太陽がちょうど十二刻の時に、ビッグブルを倒したところで、待ち合わせね!」
「了解した」
早速稼ぐために魔物を探しに行く。
依頼者が狩りに行くという珍しいケースだが、気にしない。
ハンターに狩りを任せる依頼を出すのが、普通なのだが。
早速森へ向かう。
魔力を温存するために剣を持っていきたかったが、持ち出して怪しまれるのは避けたいので、持ってきていない。
「よしさっきは楽に倒せたし、もう少し先に進むか」
集合場所の目印にするために、木が燃えない程度に焦げ目をつける。
念のため水で冷やしておく。
「ん?」
前方に多数の気配を感じる。
「群れ? 森の中に?」
森の中で群れる魔物もいるのが不思議だ、森では少数で行動した方が隠れやすいためだ。
しばらく進むと
「集落?」
塀で囲まれた集落みたいな所に出た。
「オークか」
集落を作っていたのはオークだった。
オークは知能が高く、ちょっとした家や武器を作るとされている。
「あれは」
オークに捕まったのか、武装をした女の人が運ばれていた。
「新しい集落だな、早めに潰しておかないと」
ハンターの数は多いわけではないので、こういった集落を見逃してしまい、被害が拡大をすることがある。
女の人が藁でできた、小さな小屋に運び込まれた。
「よし、行くか!」
5歳児は普通行かない。
手始めに、一番近いオークを攻撃する。
「魔力温存したいから、持続系で!」
風魔法を腕に纏わりつかせ殴る。
「ヴッ!」
当たる直前にオークが気づいて反応したが、頭を撃ち抜いて黙らせる。
「返り血やばいな」
服に血がかかってしまった。
「う~ん、魔力使っちゃうけどしょうがない!」
血がかかるのが嫌なので、風魔法を身体にも纏わせる。
「よし! これで血はかからないし全身凶器だ!」
一回の魔法を何回も使えるので、魔力節約になる、といっても魔法を維持しているので魔力は使う。
魔力を一番使う‘‘発生‘‘の部分を減らせるので、節約になるのだ。
「きゃあ! 嫌!」
小屋の中から女の人の声が聞こえた。
「おっと! おっぱじめやがったか!」
まさかすぐオークが獲物に手をつけるとは思わなかった。
急いで小屋に入る、その時に何匹かのオークを殺したので完全に気づかれた。
中に入ると、服を切り裂かれオークに組み伏せられている女の人が居た。
「嫌! 嫌! 嫌!」
オークに隠れてアシムの姿が見えないため、助けが来てることをわからないのだろう。
見えても助けに来た人が5歳児だと逆に不安になりそうだが。
後ろからオークの横っ腹を蹴り、女性から離れるようにした。
「え?」
いきなり現れた5歳児を見て、女性は固まっていた。





