第100話 寿司
本日はあと1話更新予定!
「これは白米と生の魚を合わせた料理で、この”醤油”というソースがおいしさを引き立ててくれるんだ」
「へえ……」
アシムは寿司の安全性とおいしさを説いたが、そんな常識はこの世界にはなく、理解ができないようだ。
「アシム君は頭がいいんだね」
自分たちの知らない情報を知っているアシムを頭がいいとは思うが、生来の生モノはお腹を壊すという常識を捨てきれないライアとマイアは半信半疑だった。
「信じきれないなら食べなくてもいいんだぞ」
ユーリが二人の疑念を感じ取り、はっきりと言葉を投げかける。
「信じられないとかではなくて……」
「いや、いいんだ二人とも。この料理はまだまだ広まっていないからね、ただおいしさと安全性は保障するよ」
「ライア」
双子はどうするという相談をお互いの目を見ることで完了する。
「それじゃあいただこうかな」
「私も」
二人とも食べてはくれるみたいだが、まだ不安は残っているようだ。
「ちゃんと知識を持っているお店で食べれば大丈夫だ」
ユーリが寿司を食べながら二人の不安を取り除こうとする。
「そうなんだ、二人が思っているように生モノはお腹を壊す原因だったりするんだけど、食べ方を間違えなければ、おいしく食べれるんだ」
「料理するのが難しいってこと?」
「いや、食材の管理が大変なんだ」
「管理?」
「そう、さっき説明した食材を新鮮なまま保存することだね」
寿司を紹介するときにアシムは、新鮮なままだと食べられるということを説明していた。
「この保存がちゃんとできていないと食材が痛んでしまって、お腹を壊す原因になるんだ。まあ他の食材で言う腐るっていうやつだね」
「そうなんだ」
「まあ、ユーリもおいしそうに食べてるし、ものは試しってね!」
二人にそう促すと、自分も寿司を食べて見せる。
双子のライアとマイアもそれを見習って、寿司を手に取る。
「そうそう、こうやって醤油をつけて食べるんだ」
アシムの食べ方を真似て二人は寿司を頬張る。
生の魚が口に入ってくるということで、マイアは魚臭さを覚悟して咀嚼をするが、意外にも臭みがなく口の中に初めての味が広がった。
「美味しい――」
「本当?」
ライアはまだ食べてないらしく、姉の反応を観察している。
「ライア! これ美味しいよ! どう表現していいのかわからないけど!」
姉が興奮気味に捲し立てる。
「そんなに?」
「ふんふん!」
寿司を頬張りながらマイアは首を縦に振る。
「あ! マイア、これをつけて食べてみて」
「これ?」
アシムは緑色をした物体をマイアの寿司に”たっぷり”とつけた。
「また違う刺激が味わえるよ」
マイアはアシムに勧められた通りの方法で食べてみる。
口の中に寿司を入れるときに、アシムを横目で睨むユーリが気になったが、時はすでに遅かった。
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