七夕チュロス
チュロス、旨しだしね。
鎌田君はあのネズミの楽園で
チュロスを食べるのが人生のテーマだ。
チュロス、本当に旨しだしね。
つぐみは旨しって言うのかなぁと思う。
チュロス、馬。の方が適切ではと。
五月蝿い。チュロス旨しだしね。
またの名をチュロス旨だしね。
馬じゃなくて、旨は納得だ。
破壊的な世界の端に、
私達は何もないことを望み、
そこに虹がかかっていたら、
私達は泣くだろう。
つぐみはネズミの楽園が
なぜこんなにも支持されるのか
わかったような気がしたと同時に
鎌田君がとかくチュロスを愛することは
全ての心配が世界から無くなるなんて
鎌田君は考えてないから
単純にチュロスが美味しいのだと思う。
季節のフレーバーがあるのか
明日の放課後、鎌田君に聞こうと思う。
初デートの相手は鎌田君にしようと、
つぐみは考え、七夕の夜も
そんなに悪くないなと
窓を閉める。




