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ラフィーの黙示録〜起きたら滅ぼされた世界で女の子になってしまった〜  作者: 瑠奈る
2章 [過去からのメッセージ]〜この手は絶対離さない〜
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01 [冬期狩猟]

 アーカディアーーー

 この都市の名称。

 今は過去の文明の成り果て、その廃墟でしかない。それでもその規模からかつての繁栄の片鱗を伺える。

 ポケットから金属の塊を取り出す、小指サイズのそれを目の前の装置に押し込む。砲身の状態を確かめる。

 軍用の狙撃型レールガン、本来は巨大な蓄電装置と一緒に使うけど、僕の能力で電力供給すればいい。弾丸の調達も簡単で、遠距離の伏せ撃ちに愛用している。定期的に砲身を交換する必要もあるけど、部品をたくさん手に入れたので当分は大丈夫だと思う。

 白いマントを取り出して肩からかける。これで保護色になって、雪の中で身を隠せる。

 装備のチェックが終わり、あとは待つだけ。


「ふぅ」


 息が白くなって吐き出した。いくら体が丈夫だと言っても寒い時は寒い。できれば早く帰りたい、お布団が恋しくなった。


「お肉〜お肉〜♪」


 今年は雪を降ってからずっと引きこもってたから、そろそろ新鮮なお肉を食べたい。冷凍保存でも鮮度は落ちる。それに体を動かないと鈍ってしまう。今日のような好天に恵まれた日もそうそうない。


「おっと、来たみたいね」


 離れたところに鹿みたいな動物の群れが現れた。この都市の大型動物の活動範囲は大体覚えている。そのバランスが崩れないように毎回狩場を変える必要もある。

 風向よし、風速よし、照準器から目標を確認する。狙いは頭、なるべく苦しまないように獲物を仕留める。


 銃身にエネルギーを送る


「ふぅ」


 バンンッ!!!

 加速された弾丸まるで光線のように獲物の頭に吸い込まれた。一秒後、頭からの指示を失われた鹿っぽい体やがて倒れ、地面の雪を赤く染った。周りの鹿っぽい動物もバラバラになって逃げ出した。


「これでよし!お肉確保!」


 そのあとすぐ血抜きを済ませ、肉などは空間に収納して頭といらない内蔵は地面に埋めた。感謝の気持ちを込めて両手を合わせる。


 そして、僕はマフラーを巻き直して帰路についた。












 都心から離れた一軒の屋敷。その中の一室に一人の少女がいる。

 少女はテーブルに向かって、何かを描いている。

 部屋の壁に地図がたくさん貼られている。

「ここと....ここ..えっと」

 どうやら少女は地図を制作しているようだ。

 これは孤独と戦うため、長い年月の中で少女が見つけた一つの趣味である。

 テーブルにノートパソコンがある。少女はそれを見ながら自分が書いた地図と比べる。

「ここが今回狩りに向かったところで...ふむふむ、なるほど......昔とだいぶ変わってる」

 何か満足したようで、少女は頷いて一枚の地図を壁に貼った。

 ふっと少女の手が止まった。隣の地図に目を向けてそれをパソコンの画面と比べる。

「それなり時間経ったとはいえ、ここまで完璧に変わるものなの?この辺は全部森になっている、まるで全ての建物が何かに削されたような......やることないし、春になったら確認でも行ってみよう」

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