4話 「実技3」
「すごいな!初戦で奥の手を使わされるなんて、やはり君は強い!」
奥の手ってのは無詠唱のことか?それともこの霧か?
無詠唱程度のことなら厄災の目じゃできてやっと赤ちゃん卒業だぞ?
「ほらほら!手も足もでないのかい!?攻撃してきなよ!早くしないと霧の効果が強くなるぞ!」
「霧の効果?教えてくれたりしない?」
無理かな?
「教える馬鹿がいるか!まぁヒントは君には関係ないが魔術が使えなくなるぞ」
やった、手がかりだ。しかし魔術が使えなくなる、か。たぶん乱魔と呼ばれる自分の魔力を周囲に撒き散らして大気の魔力に干渉して相手の魔術を使いにくくする技術の応用だな。
これもまた厄災の目の魔術師なら戦闘時に常にしている技術だ。
しかし外からは中の様子が見えないよな……この霧の中で負けた方が都合がいいな
「ぐえっ、参った!」
そう言うと試合終了のブザーが鳴り、試合は丸矢の勝利で終わった。
霧が晴れてグランドを見渡すと所々青白い色に変色していて丸矢の魔力が染み付いてることがうかがえた。
丸矢の追及の視線が痛いからサボってもう帰ろっかな
「じゃ、そういうことで俺は帰りまーす。さよなら先生ー」
「あ、おい因幡!何がそういうことなんだよ!勝手に帰るんじゃねぇ!」
そうは言ってもめんどくさいし、着替えて帰るね!
着替えて裏門から学園を出ようとすると門の前に先生ではなく先輩っぽい金髪巨乳の綺麗な女性が立っていた
「あなた因幡劉華ね?あんたの試合を見させてもらったわ。その技術、誰に教わったのか教えなさい」
「俺の試合を見てた?あそこにはクラスメイトしかいなかったと思うんだけど」
「あなたのって言うよりもあなたのクラスの試合ね。上級生なら申請して通れば見れることくらい知ってるでしょ?」
………………
「は?まさか知らない?そんな愚図がまだいたなんて。まぁ確かにあんたはほぼ毎日勝手に早退してるものね」
そりゃ組織の方から召集されたら仕方ないだろ!……でもそんなこと言えないしなぁ
「気分が乗らないから仕方ないでしょ。そんなこと言うためにきたんならもういいよね、さよなら」
そう言って門を抜けると軽くいなされた恥ずかしさか屈辱かで白い顔を真っ赤に染めてこっちを睨んできた!
「待ちなさい……まだ話は終わってないし私に対してそんな態度は許せないわ!」
そう言うと金髪女が追いかけてきた
捕まったら絶対めんどくさい!しかも全力で追いかけてきてるし!
「おっしゃおら捕まえれるもんなら捕まえてみろや金髪女!」
とりあえず煽り耐性が無さそうだったから煽ってみた。後悔はしてない
はは、顔がトマトより真っ赤だ
じゃあ逃げつつ隠れて会合場所にいくか!