2話 「実技1」
皆が各々の戦闘服装に着替え学園内にいくつかある演習場(よくある陸上競技用のドームみたいなの)に移動し、そこに先生が指示を出してきた
「じゃあ実技テストを始めるぞー。最初は魔技を用いた格闘を行う。じゃあ2人1組でペアをつくれ。でも何回かペアを入れかえるから人を選ばずキリキリつくれよー」
そう先生が言うとみんな周囲の人とペアをつくり始めた。大体ペアができ始めた頃鷹児がこっちにニヤニヤしながら寄ってきやがった
そんな鷹児の思い通りにはなるまいと俺は同じく残っている(悪く言えばあぶれている)堅物委員長の丸矢ハルトとペアをつくろうと声をかけた
「委員長ー、俺と組まない?」
「因幡君か、いいぞ。だけど手加減はせずに全力でいくからね?」
この堅物委員長はヨーロッパの名家ルーンライトと日本の有名な魔術一家である丸矢家の子息で容姿端麗で金髪がよく似合い、その上勉強もできるパーフェクトマンだ。だけどニックネームの通り超がつくほどの堅物でかなりめんどくさい。
実際俺も授業中にスマホいじってて何回か注意された上に一緒に残って勉強までさせられた
思惑が外れたのか鷹児は舌打ちをして同じくあぶれているモブ君とペアをつくった。
すまんなモブ君、俺の代わりに最初の犠牲になってくれ
ん?彼も鷹児が俺をターゲットにしていることが分かってたのかすごいこっち見てくるな
いや、モブ君、そんな助けを求める目でみられても……
そんなこんなで先生が適当に順番を決め始めた。
頼む、目立たない中盤くらいにしてくれ……!
はい、そんな願いも儚く最後から2番目という皆が最後だからと見はじめる所になりました。とてもめんどくさいので体調不良で休みたいです。
え?だめ?そんな、何も言ってないのに委員長が否定してきたよ。あやつもしかしてエスパーか?
「じゃあ始めるぞー。最初は茅ヶ崎と東峰からだぞ。」
そう言われて最初の選手の茅ヶ崎美玲と東峰孝信がドームに入場してきた
片や深紅のマントに身を包んだ気の強そうな赤髪の美少女、片やいかにも武術をしてそうな袴のイケメン細マッチョ
開始の合図と共に東峰が一瞬で茅ヶ崎に近づき掌底を鳩尾、顎に連撃で繰り出す。茅ヶ崎はその連撃を腕でうけとめ反撃に膝蹴りを行うと同時に背後に水球を出現させバク転後退すると同時に射出する。
それを東峰は両手に炎を纏い殴って打ち消す
うーん、脳筋プレイ
そうやって両者一進一退の試合の中、茅ヶ崎の仕込んでいた魔術がその均衡を破る
隠れて地面に描いておいた魔方陣から大きな蔦が蠢く植物を出現させ東峰を襲わせる
東峰は唐突のことながらも高難易度とされる魔力刃を腕に形成し植物を切り刻む
すると切り刻んだ植物から白い粘液が噴出して東峰を地面に拘束した
男のそんな姿は誰得だとは思うけど上手い作戦だなと思う
そうして勝敗がつき試合終了のブザーが鳴り響いた
最初からレベル高過ぎね?次の人とか俺とかがやりにくいんだけど……
なお、2人とも自身に強化をかけていたせいで激突するごとに衝撃波がうまれ会場がでこぼこになり先生が過労死する勢いで補修してたことを俺は忘れられない