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匿名の願い事が記入された短冊が見つかりました。

作者: 六花な

夢をみた

それは皆がにかっと笑顔で、

楽しそうで

嬉しそうだ

幸せそうだった

目が覚めた

そこに広がっていたのは

苦痛苦痛だらけの

傷、きず、だらけの

体も、心も

ボロ

  ボロ

    ボロ の

どうしようもない、無い

自分と

世界だった

今にも壊れそうな世界自分世界自分

そこに幸せがある?在る?

たとえあったとしても

それはきっと

気の、期のせいだ

だって

こんなにも

壊れてしまいたいのに

どうして

幸せを抱いていなくてはいけないの

幸せがあったら

きっと

きっと

壊れることができない

でも でも デモ でも そしたら

そうしたら

なんで なぜ

なぜ

幸せそうな

幸せな

夢をみたのだろう

あれは

希望なのか

志望なのか

期待なのか

目標なのか

願いなのか

祈願なのか

欲望なのか


絶望なのか


ただ

  ただ

    ただ

   壊れたかった

 どうしようもない傷

   それは本当に

   治すことが

 叶わないもの

  だから

 だから

だから


そんなものはきっと

きっと要らないものなんだ

不要

廃棄物

ごみごみごみごみごみごみごみごみごみごみ

こんなに 実 が詰まっていたとしても

それは 身 ではなくて

空っぽで

底の壊れた空き缶

ガラスも砕けて

カラスが啄ばむような

どうしようもない

栄養のあるごみ

早く

誰かの養分になりたい

早く

誰かの前から消え去りたい

早く 速く 動け 壊れろ世界自分世界自分


投降

諦め あ、切れ目

切れ目をナイフでほじくり返して

ぐちゃぐちゃ と

そしたら、そうしたら



                       落ちた



夢をみたい

目が覚めたら

そこは皆が笑っていたから

自分も

笑いたくなった

泣き笑いでも構わない

悲しみも

苦しさも

消える訳ではないけれど、

きっと

きっと

少しでも笑うだけで

素敵な幸せが

少しだけ

少しだけ

生まれるのかもしれない

そう思う

そう思いたい


匿名(単数とは限らない)の願いが叶う世界が訪れることを、私は願う。

その方がきっと素敵な世界だと思うのだ。

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