第2話
彼の従者として守りたい。
そんな思いが急に芽生えたのだから自分でも驚いていた。
でもあの孤独そうな目をみて支えたい、守りたいと願ってしまったのだ。
そこに理由などなかった
本能が私に命じるのだ
彼と共にいたいと
それって彼の部下として働きたいと言うことと同じではないだろうか?
そんなことを思っていたら母と王子の話しも終わったようで、部屋から出るようだ。この後母は王妃のところに向かう予定だが、そこに私はいなくてもよい
母は王妃に妹の美しさを自慢したいだけなのだから
だから私は自分の目的のために行動に移させてもらう
「お母様すいませんがトイレにいきたいので、先に王妃様のところに行ってもらっても構いませんか?」
「分かったわ。ゆっくり行ってらっしゃい」
「はい」
…こうして母と妹と別行動をすることができた
しかし母よ…私は王宮にいったことないのだから、トイレの場所なんて知らないのによく平気に送り出せるな…
そこまで気が回らないのか、私に興味がないのか
まぁそのどっちもだと思うが
そんなこんなで一人で行動することが出来たので、私はすぐさまさっきいた部屋に戻った。
きっといまらな王子様と二人っきりで話せるとおもったからだ
そして扉の前に来て王子様に入室の許可を求めた
「どうぞ入ってください」
そうして私はドアを開けたのだった
王子は私が来たことに驚いているようだった。流石に、声だけで誰が入ったのか判断出来なかったみたいだ
「どうしたんですか?この部屋に忘れ物をしたんですか?」
「いいえ。実は王子に頼みたいことがあるのです。」
その瞬間一気に室内温度が下がった。
母からこ娘を婚約者にしたいといったものだから、きっと王子も勘違いしたのだろう
冷酷な目をして無表情でこちらを見ている
美しい顔が無表情になり、とても威圧感がある。
王子ならそんなことで無表情になるな!と言いたいところだが、きっと私が幼いから油断しているのだろう
…でも私は王子より年上なんだけどね
「あぁ母がいった婚約のことではありませんよ。そもそも、母が貴方様と結ばれてほしいのは妹であり、私ではありません。だからそんな目で私を見ないでください。」
そも言葉をきいて驚いたようだどんな目で見てるかは、王子が自分でわかっているようだったがので、無表情からさっきの天使スマイルになった。
「貴方は…妹とは随分違う見たいですね。」
「あぁ、あんな派手で匂いがきつい人と比べないでください。私はそこまでオツムが弱くないです。」
「派手で匂いがきつい…ふふふ…実の妹のことを良くそんなに言えますね。」
私が妹を貶したら笑う王子様…性格が少しひん曲がってるかも知れない…
だが貶して笑う姿も上品である。顔が良いって得だなぁ
「まぁ家では居ないものとして扱われますから、家族の情は希薄なんです。」
私は育ててもらったりしているので、両親には感謝をしている。
だがそれだけだ
好きでもないし嫌いでもない
私にとってはどうでも良いのだ
私と家族の関係はきっと家族+α(私)
みたいなことだ同居人という言葉がしっくり来るだろう
「では…貴方は私に何を求めるのですか?」
「私が殿下に求めるのは私に王になる手伝いをさせて下さい…私をどうか従者として使ってください」
「お願いします我が王」
そうして私は彼の目の前でひざまずいた
「へっ?」
そんな王子の間抜けな声が部屋に響いた
ここまで見てくれてありがとうございます!
実はこれを見てわかるとは思いのですが名前を一切決めてないです…どんな名前が良いかいまも迷ってる最中です