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第45話 洞窟探検2

「レオン様、この平和な土地ならばこのまま暮らしていく事も出きましょう。ですが商人などを呼ぶ事が出来なければいずれは衰退していきます。何か、この村に来たいと思う何かは無いものでしょうか?」


 レオンとアンセラーはこの村の重要な地位にいる者達が村についての話し合いをしている。

 アンセラーは村の特産品や名物があれば人が来てくれるのではないかと考えたようだ。



「商人を呼ぶなら、ここには魔の森が近くにある事もあって良質な魔物の素材が多いから来てくれる者もいるだろう、特産品などはまだないがな」


「オルドル領からなら商人も訪れるのではないでしょうか? 此処まで来るまでの道も整えてありますし、オルドル卿は他の貴族と違って我々との商売も許可して下さると思いますが」


「確かに彼なら許可して貰えるだろうな、実は昨日ミレイとネイナが北側にある洞窟をから外に出れる場所を発見したという報告を受けた」


「その先に国があると?」


「ああ、洞窟の位置や進んだ方向からすると如何やら商王国やエルフの国が近くにある可能性があるらしい」


「それは素晴らしい、直ぐに調べるべきですね。安全に商王国に行けるのなら、村にとって良い事です」


「ああ、近々斥候を送ろうと思う」


「それと、これを見てくれ」


「これは……魔晶石、これ程のものを何処で?」


「ミレイが見つけた洞窟にあったそうだ、どう思う?」


「……素晴らしい資源です。この村にとっては財産にもなるでしょう。ですが……争いの元になる可能性は捨て切れません……」


 やはりそうかという顔をして目を瞑り考え事をするレオン。

 魔晶石はこの村の財源にはなり得る。

 しかしここは魔の森の近く魔物には困らない為、魔核には困らない。

 つまり魔具のエネルギーには困っていないという事だ。


 魔晶石をどう扱うべきか思い悩みながら夜は更けていく。



 ◇



「先日ミレイが洞窟を見つけた「キュイ!」あとルルがな」


 お父様が私が洞窟を見つけたと言うとルルが自分の名も挙げろと抗議の声を上げました。


「…… では続きを、その洞窟をよく調べる為に人員を送る事にした。ミレイとネイナ、シド、シスイと私で行こ「キュイ」……とルルで行くぞ、明日の朝出発する五日程かかるかもしれん、しっかりと準備を整えておくように」


 明日は洞窟の探検ですか、この間は詳しくは調べてはいませんからね。

 シドさんを連れて行くという事は洞窟を通れるようにするんでしょうか?


 それにシスイさんも連れていくという事はもしかしたら洞窟の先を調査するつもりなのかもしれないですね。


「ミレイとネイナは残ってくれ」


 何でしょうか?


「どうかしましたかお父様?」


「ああ……お前達が見つけた魔晶石だが、アンセラーと話し合ったんだが、内密にして欲しい、誰にも話してはいないか?」


 魔晶石?


 まだ誰にも話していませんが何故でしょうか?



「洞窟を探検した事は同じ家に話しましたが、魔晶石の事は話してはにゃいです」


「私も誰にも話してはいませんが……どうしてですか?」


「魔晶石は大変価値があって村の為にもなるのだがな、あれ程の物があるとしれたら何処かの国にちょっかいをかけられる恐れがある。量にもよるから今回の調査しだいだがな」


 なるほど……


 そういう事ですか……


 確か魔晶石は城や街を守るような大きな魔具に使われる物です。

 確かにそれが安全に採れる場所が新たに見つかれば何処かの国、例えば……帝国などは興味を持つかもしれませんね。


「分かりました。魔晶石については胸に秘めておきます」


「了解にゃ」


「勘違いはするな、お前達は素晴らしい物を見つけてくれた。信頼できる取引相手がいなければ村を危険に晒す可能性があるから慎重になっているだけだからな」


「はい、では明日の準備をしに行きますね」


 洞窟で何日か過ごす為の準備ですか、この間よりも食べ物を多く持っていけば良いですかね。服は魔法を使えば大丈夫ですが、念の為に準備しておきましょうか。


「キュウ」、分かりました。


 お肉を沢山ですね準備しておきます。




「皆んな集まったな、では行こうか、ミレイ達の話では魔物はいないそうだ。だが油断しないようにな」


 私達は洞窟へと向かい歩き始めました。

 急ぎの調査ではないので会話をしながら。

 今日もネイナさんご機嫌な様子で歌いながら歩いていきます。

 ルルとノリノリで尻尾を振ります。

 ネイナさんのような方をムードメーカーと言うのでしょうね。


 凄く楽しい気分になるので重要な役割ですね。



「ここが、洞窟の入り口ですよ。前回同様、念の為に閉じておきました」


「そうか、では行くとしようか」


 前回来た時はルルが空気が流れてくる方向に導いてくれましたが、今回は洞窟内を全て調べるんでしょうか?


 ここはまるで迷路のように広くて入り組んでいるようなんですが……



「お父様、この洞窟はかなり広いですが隅々まで調べるんですか?」


「その予定だ、村の未来の為だ、頑張ってくれよミレイ。シド、地図を作ってくれ」


「了解です、大将」


 そこからは行ったり来たりを繰り返して洞窟の道を確認していく単調な作業の繰り返し、思っていたよりも大変です。


 シドさんが洞窟内に鉱物がないか調べたりしながら調査をしていきます。

 どうやらこの洞窟には幾つかの鉱物があるようですね。


 そうしている間に魔晶石を発見した場所までやって来ました。

 その光景に皆さん驚いているようです。

 様々な色の魔晶石があって凄く綺麗ですからね。シスイさんですら驚いた表情を浮かべています。



「これは凄いな、この辺り一帯に魔晶石があるじゃないか、皆んな、とりあえず一旦これの事は忘れて調査の続きをしよう。それと魔晶石の事は誰にも話すなよ理由は分かるな?」


 皆さんお父様のその言葉に真剣な表情を浮かべて頷いています。魔晶石の価値とその危険性を分かっているようです。


「しかしお嬢様、今回もお手柄じゃないか、やりますな、流石は大将の娘さんだ」


「今回もルルが見つけてくれたんですよ。ルルを褒めてあげてください。可愛くて強いだけじゃなくてこういった発見もするんですよ」


「そうなんですかい? でもお嬢様いてのおチビでしょう? お嬢様の手柄でもありますよこれは、お前やるじゃないかこんなちびっこいのに」


 そう言ってシドさんが私も褒めてくれます。ルルは珍しくシドさんにおチビと言われても怒りません。


 マクスウェルさんにもおチビと言われた事がありましたがその時は手に噛み付いて離れなかったのに、シドさんの事は慕っているようですね。

 今もシドさんに両手を持たれてぷらぷらと左右に振られていますが嫌そうにもしていませんし大人しくしていますから。


 ……そういえばお父様やセバスの言う事もよく聞きますね。


 違いはどこでしょうか?




「遊んでないで先に進むぞ、狭い道はお前に期待しているぞルル」


「キュイーン」


 お父様がシドさんと遊ぶルルの頭を撫でながら頼りにしていると言うと嬉しそうに鳴き声をあげます。


 やる気が出たのか先頭に立ちどんどん進んでいきます。人が入れなさそうな道があれば率先して中に入り人が入れそうな道が続いていれば魔法を使い奥へ進んで行きます。

 やる気になってくれるのはありがたいですが、暗い洞窟で素早く動かれると追いかけるのも大変です。



 それから何日もかけて洞窟を探索しました。

 まだ先の分からない土地へと続く出口への道も他にも発見しました。

 その先はまだ確認していませんが、そろそろ太陽が恋しくなってきました。


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