表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

彼女と僕シリーズ

掛け合わせは罪の味

作者: 朝永有

「買ってきたぞ~」

「待ってました!」

 僕はビニール袋の中から、大きな箱を取り出す。彼女はすぐさまその箱を開けて中を確認した。

「これ、何個入り?」

「ええと……18個入りだね」

「おお! すごいね!」

 彼女はそう言いながら、シュークリームを取り出して頬張っていた。

「早いな!」

「ぜんふ、らべちゃうぞ!」

 僕は慌ててシュークリームに手を伸ばす。それと同時に彼女も手を伸ばした。

「2個目~♪」

「嘘だろ……」

 ブラックホール。 そんな言葉が僕の頭をよぎる。

「いや~、これ良いね! カスタードと生クリームの2重構造。二つの甘みが織りなすこのハーモニーは乙女心をくすぐる!」

 僕は自分が食べたシュークリームの断面を見る。確かに、黄色のクリームの上に白色のクリームがのっている。

「自分で乙女心って言うなよ」僕は一口食べながら言う。

「別に良いじゃん」

 こう話している間も、彼女はその両手にシュークリームを持って、呼吸をするように食べている。

 ブラックホールだよ、本当に。

 

 そして、箱の中のシュークリームが無くなり、彼女は満足げに笑顔を浮かべていた。

「まだいけるけどな~この味、乙女殺しだね」

「だから、自分で乙女と……」

「分かってるよ~」

 彼女は至極満悦の様子でのんびりとテレビを見始めた。


 そして、夜中。

「ぎゃ~~~~~~!!!」

 体重計に乗った彼女の、乙女とは思えない悲鳴が部屋の中に響いた。

読んでいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] これはね~、18個も買った人が悪いと思う。 今回の彼女は知性が垣間見える屁理屈を言いませんでしたね。ちょっと寂しい……
[良い点] シュークリームとか、チョコレートとか、目の前にあると誘惑に勝てないです(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ