僕と魔法と幻想と
"僕"が目を覚ますと辺り一面雪だった。
周りには家も無ければ、木や草もない。
遠くの方では猛獣達の遠吠えが聞こえてくる
"僕"は寒かった。"僕"はとにかく暖かいものが欲しかった。
そう思いながら動かずに辺り見回しているといつの間にか目の前に暖かそうな服を着たバクが立っていた。
バクは"僕"に向かって言った
「見ているだけじゃあ~、ダメだよ~。ついてきなぁ~」
"僕"は気が付くとバクの後ろを付いて歩っていた。
バクの後ろ姿はなんだか温かい。
いつの間にか暗い森の中を歩いている。
猛獣達の声にどんどん近づいている気がする
"僕"はバクに行きたくないと言った。
するとバクは言った
「大丈夫さぁ~。心配するなぁ~」
そのまま歩いて行くと目の前にものすごく高い壁があった。
壁の向こうからは楽しそうな声が聞こえる。
真冬のこっちとは違い、暖かそうだ。
でも楽しそうな声と同じくらい猛獣達の吠える声も聞こえる。
バクは"僕"の目を見て言った
「君には魔法が使えるんだよぉ~。だから魔法で壁を無くしちゃおうよ~」
"僕"は嫌だと言った。だって猛獣達が怖いから
確かに暖かそうだし、楽しそうだ。
だけど猛獣達に襲われたら嫌だ、怖い。
「怖がってちゃだめさ~。それに君が怖がれば怖がるほど壁はより頑丈になって君の魔法じゃあびくともしなくなっちゃうよ~」
バクは顔を近づけて言った
「だけど今の君なら大丈夫さぁ~。どんなに硬くてびくともしなくても今の君なら簡単に無くす事が出来るよ~」
"僕"は思い切って壁に触れてみる。
ひんやりして冷たい。
何も考えずに目を瞑る。
ゆっくりと目を開けてみる。
鋼鉄の果てしなく高い壁は消えていた。
空には太陽があり、雲一つない青空だ。
猛獣達かと思いきやよく見てみればただの猫や犬、ウサギ達だった。
動物達は"僕"のもとに集まって来た。
なんだかものすごく暖かくて心地が良い。
「良かっな~、暖かくなれて~。」
バクはいつの間にか涼しそうなポロシャツを着ていた。
「君が猛獣だと思っていたのも~、君の魔法によってかわいい動物達になったのさ~」
「今の君だったらどんな動物だろうと魔法で仲良くなれるさ~。魔法を使うときに怖がりさえしなければ君は何でも出来るさ~!」
そう言ってバクはいつの間にか、虫かごと虫あみを持って森へと歩いて行った。




