安全装置と奈良漬け、そして化粧水と乳液
自転車を投入したツバキは次を考えていたのだが……
(ツバキ・アイリス)
魔動車作りたいなぁ……
しかし、安全性を高める必要があるなぁ……
レースしても潰れるけど絶対死なない安全装置が……
まず、それから作るか。
それができたら魔動ユニットだね。
そして取りかかった。
(アイリス侯爵家当主 ケイン)
今度は何を作ってるんだ?
(専属メイド ミア)
なんでも魔力で動く"魔動車"だそうです。
安全性がとか言われてました。
(当主 ケイン・アイリス)
どんな物なんだ?
(専属メイド ミア)
なんでも馬車の馬が無くても動く乗り物だとか。
自分で動かすそうです。
スピードがかなり出るので、街中は危ないかもと。
競馬のような特別な走行場所があれはレースが出来るとか。
(当主 ケイン・アイリス)
なら、スピードを出さなければ街中でも大丈夫じゃないのか?
(専属メイド ミア)
そうなると馬車の出番がと。
なので貴族の嗜みのように高額で売って、専用走行場所でレースをするそうです。
(当主 ケイン・アイリス)
なるほど、馬車との共存か。
それは良いかもな。
という事で、ケイン達はツバキを見守る事にした。
(ツバキ・アイリス)
うーんと、こんな感じかな?
(専属メイド ミア)
どうですか?
(ツバキ・アイリス)
とりあえず出来た、安全装置。
試してみよう。
そう言うとツバキは屋敷の4階に行く。
(専属メイド ミア)
こんなところでどうするんです?
(ツバキ・アイリス)
ミアは私専属のメイドよね!
(専属メイド ミア)
そうですが……何を今更?
(ツバキ・アイリス)
ならと、コレを付けてと。
なんか得体の知れない物を付けられたミア。
(ツバキ・アイリス)
こっち来て。
(専属メイド ミア)
は、はぁ……
窓際にミアを連れて行くと……
(ツバキ・アイリス)
ここから飛び降りて!
(専属メイド ミア)
・・・は?
(ツバキ・アイリス)
ほらほら、早く飛び降りて!
(専属メイド ミア)
えっ?…………い、嫌ですよ!死にますよ!死にたくありません!
(ツバキ・アイリス)
大丈夫、大丈夫。
その為の安全装置だから。
怪我一つしないようになってるから!
(専属メイド ミア)
ほ、ホントですか?
(ツバキ・アイリス)
多分!
(専属メイド ミア)
多分とか言ってるじゃないですか!
絶対じゃなきゃ嫌ですよ!
(ツバキ・アイリス)
失敗は成功の母!
(専属メイド ミア)
失敗したら、私、死にますよね(涙目)
(ツバキ・アイリス)
大丈夫、骨は捨てる!
(専属メイド ミア)
大丈夫じゃない!ってか、骨拾えよ!!(半泣)
(ツバキ・アイリス)
仕方ないなぁ……
ここで焼き殺されるのと、ワンチャン賭けるのどっちが良い?(ニヤリ)
(専属メイド ミア)
ワンチャンとか言い出したよ!これ、死ぬヤツじゃん(涙)
(ツバキ・アイリス)
良いから飛べ(感情の消えた目)
(専属メイド ミア)
ひいぃぃぃぃぃっ!やっぱりお嬢様だぁ〜!鬼、悪魔ぁ〜!!(泣)
(ツバキ・アイリス)
仕方ない。
【ウィンド】
(専属メイド ミア)
嫌あぁぁぁ〜っ!(悲鳴)
悲鳴と共に落ちたミア。
(ツバキ・アイリス)
どうかな?
覗き込むツバキ。
(ツバキ・アイリス)
大丈夫ぅ〜?ミアぁ〜??
(専属メイド ミア)
・・・(気絶)
下まで降りたツバキ。
(ツバキ・アイリス)
ミア?
落ちてた枝でツンツンするツバキ。
(ツバキ・アイリス)
仕方ないなぁ……
【ウォーターボール】
(専属メイド ミア)
んぶぶぶぶうぅぅぅっ♡
(ツバキ・アイリス)
乾かすね。
【ウィンド】
(専属メイド ミア)
ごごごごごおぉぉぉっ♡
(ツバキ・アイリス)
起・き・て♡
【ライトニングミニ】
(専属メイド ミア)
んびびびびいぃぃぃぃぃっ♡
(ツバキ・アイリス)
起きた?ミア?
(専属メイド ミア)
お、起きました!起きましたよ!!
(ツバキ・アイリス)
あれ?漏らしちゃった?(ニヤリ)
(専属メイド ミア)
漏らしてません!(涙目)
(ツバキ・アイリス)
で、どう?違和感とかない?
下半身以外で(半笑)
(専属メイド ミア)
だから、漏らしてません!!
今のところ、分かりません。
(ツバキ・アイリス)
という事は、なんともないと。
(専属メイド ミア)
だから分かりません。
(ツバキ・アイリス)
使えねぇ〜(ゴミを見るような目)
(専属メイド ミア)
そんな目で見ないでください!(涙目)
(ツバキ・アイリス)
じゃあ、完成したのかな?
王侯貴族でも死なない安全装置なんだけど……
(専属メイド ミア)
じゃあ、大丈夫じゃないんですか?
(ツバキ・アイリス)
不慮の事故の責任はミアが取ると。
(専属メイド ミア)
嫌です!あっ、身体が痛い、死ぬかも。
(ツバキ・アイリス)
どれぐらいで死ぬか、見てみよう。
(専属メイド ミア)
悪魔ぁ〜!!(半泣)
ギャァギャァ言いながら遊ぶツバキとミア。
(ツバキ・アイリス)
でと。
【スキャン】
なるほど異常無しと。
(専属メイド ミア)
最初からそれで分かりましたよね?
(ツバキ・アイリス)
気持ちの問題。
(専属メイド ミア)
なんでですか!
(ツバキ・アイリス)
不安が残らない方が良いから。
(専属メイド ミア)
あっ……
(ツバキ・アイリス)
因みに、魔動車が派手にぶっ壊れる時って、今の比じゃないから。
壁に超高速で激突だから、吹っ飛ぶとか。
(専属メイド ミア)
どんな世界ですか!!
(ツバキ・アイリス)
競馬の数十倍の速さの世界。
それだけに安全性と精神的安心感が必要なんだよ。
怖さは必要だよ?でないと無茶するだろうし。
でも死んだら意味がない。
微妙な匙加減が必要だから。
魔動車はもちろん潰れるよ?
だから修理や買い替えで儲かるんやん。
色んな工房に色々作ってもらって、選べるようにしたいし。
色々あれば買いたくなるでしょ?
イベントも色々考えてあるし。
(専属メイド ミア)
な、なるほど……
(ツバキ・アイリス)
って事で、テストよろしく(微笑み)
(専属メイド ミア)
はい…………はい?
(ツバキ・アイリス)
ミアが実験体ね(微笑み)
(専属メイド ミア)
はああぁぁぁっ!!嫌です!死にます!死にたくないです!(涙)
(ツバキ・アイリス)
じゃあ、私がする!
(専属メイド ミア)
いや、それは……
(ツバキ・アイリス)
じゃあ、私ね!
(専属メイド ミア)
分かりました、私がやります。
(ツバキ・アイリス)
どうぞ、どうぞ!(ニヤリ)
(専属メイド ミア)
んがあああぁぁっ!!(血涙)
という事で、無事モルモットも確保したツバキは更に精度を上げる為に改良する事にした。
とはいえ学園には真面目に通っているわけで……
(貴族令嬢①)
なんです?この小鉢は?
(貴族令嬢②)
"奈良漬け"だそうです。
塩漬けした野菜を何度か"酒粕"という物に漬け込んだ物だそうです。
(貴族令嬢③)
ピクルスとは違うのですね?
(貴族令嬢①)
こ、コレもアイリス様の考案メニュー……
(貴族令嬢②)
いただくしかありませんわね……
(貴族令嬢③)
口添えの……というか、アイリス様考案メニューって美味しくないですか?
(貴族令嬢①)
度肝を抜かれる新メニューですが、ハズレは無いですわよね。
というか、美味な物ばかり。
(貴族令嬢②)
私、この小鉢、いただくわ。
(貴族令嬢③)
ズルい、私もですわ。
そう言うと、3人とも"奈良漬け"を頼んだ。
(貴族令嬢①)
お酒の匂いがしますわ。
最近話題の"純米酒"の香りがしますわ。
(貴族令嬢②)
ほのかに甘みもあり、これは"米"が進みますわ。
(貴族令嬢③)
確かにこれは、パンより米ですわ。
学生とはいえ、デビュタントは終わっている。
嗜む程度ならお酒は飲むのだ。
酒乱は謹慎、最悪退学だが。
学食でも米が提供されており、主食はパスタとパン、米の3種類が提供されていた。
(ツバキ・アイリス)
お父様、"米"の品種改良をしましょう。
もっと食用に特化して味を良くするんです。
(当主 ケイン・アイリス)
そんな事ができるのか?
(ツバキ・アイリス)
はい。
やり方はですね……
という事で、アイリス侯爵領で"米"の品種改良が開始された。
品種改良には段階がある。
"交配と固定"を繰り返す必要がある為、一足飛びにはいかないのだ。
長年繰り返して更に良い物が出来ていく。
これはツバキ主導でやる事になった。
誰も分からないからだ。
(当主 ケイン・アイリス)
我々の知らない事ばかりだ。
(専属メイド ミア)
お嬢様は天才ですから。
(当主 ケイン・アイリス)
これも調べてたのか?
(専属メイド ミア)
はい。
バラの育て方の中で、色を選ぶ方法を調べられていました。
(当主 ケイン・アイリス)
そうか!その交配からヒントを得たのか!
あいつは天才だ。
その頃、学園では……
(貴族:青年)
おい、またアイリス様が新製品出してたぞ。
(貴族令嬢④)
化粧水と乳液でしょ?
早速買いましたわ。
そんな話が聞こえた。
(貴族令嬢①)
アイリス様の新製品!
(貴族令嬢②)
行かなくては!
購買部に行く貴族令嬢①②③。
(貴族令嬢①)
米糠を使った化粧水?
(貴族令嬢②)
お肌が潤うらしいですわ。
(貴族令嬢③)
早速買って試してみましょう。
私、今の時期、手荒れとか酷くて。
(貴族令嬢①)
この大豆乳液もですわ。
化粧水と一緒に使うと更に効果的ですって。
というと、両方買って試してみた令嬢達。
(貴族令嬢①)
こっ、これは!
(貴族令嬢③)
お肌が潤いますわ!
荒れたところもすべすべですわ!
(貴族令嬢②)
これは凄い!凄いですわ!
(貴族令嬢①)
では、大豆乳液の方も……
(貴族令嬢②)
期待できますわ(輝く目)
ペタペタと塗ってみる令嬢達。
(貴族令嬢①)
これも凄い!
(貴族令嬢②)
お肌がもっちりですわ!
(貴族令嬢③)
たったこれだけで変わるなんで、もう手放せませんわ!(輝く目)
最初は口添えの為であったが、今はアイリスブランドのファンになっていた。




