ホルモン料理、そして塩と養殖
翌日、学食に行くと、料理長が待っていた。
(料理長:男)
おっ、来たか。
(アイリス侯爵家一人娘 ツバキ)
おまたぁ〜!
捌かれた新鮮な内臓から食べられる部位を切り取る。
(料理長:男)
ここが食えるのか?
(ツバキ・アイリス)
そうだよ。
念入りに下処理しよう。
そう言うと、料理長は言われた通り、念入りに下処理した。
(ツバキ・アイリス)
まずは焼いてみるか。
そう言うと、ツバキは網で焼き出した。
良い音がしながら焼けていく。
(料理長:男)
良い匂いだ。
(ツバキ・アイリス)
焼けたよ。
このタレで食べよう。
(料理長:男)
それは?
(ツバキ・アイリス)
アイリス家特製、味噌ダレですよ。
そう言うと、焼けた"ホルモン"に付けて食べる。
(料理長:男)
美味い!こんなのを捨ててたのか!
このタレも最高だ!
(ツバキ・アイリス)
野菜と焼いても、煮ても美味しいですよ。
そう言うと、"ホルモン鍋"を作った。
白味噌ベースだ。
(料理長:男)
美味い!!最高だ!!
(ツバキ・アイリス)
シメは、とりあえずパスタにしましょう。
合う麺が欲しいですね。
固めに茹でたパスタを入れ、アルデンテまで煮込む。
(料理長:男)
美味い!たしかにこれに合う麺があれば最高だ。
よし、その麺を作ってやる!
(ツバキ・アイリス)
アイリス家でも作りますよ。
(料理長:男)
なら、そのメンバーに俺も入れてくれ。
(ツバキ・アイリス)
言ってみる。
という事で、"ホルモン料理"が新メニューに加わった。
(貴族令嬢①)
ほ、"ホルモン"?
(貴族令嬢②)
牛の内臓!
(貴族令嬢③)
ご、ゴミ!
(貴族令嬢①)
こ、これもアイリス様の考案……
(貴族令嬢③)
ううっ……食べるしか……(涙目)
(貴族令嬢②)
仕方ないですわ、口添えの為に……(半泣)
と言って注文した。
(貴族令嬢①)
こっ、これが"ホルモン"!!
(貴族令嬢②)
独特の歯応えで、美味しいわぁ〜!!
(貴族令嬢③)
煮込みを食べてますが、ぷりっぷりで美味しいですわ!
(貴族令嬢①)
こんな美味な物を捨てていたの!
そこにツバキも"ホルモン鍋"を持ってやって来た。
(ツバキ・アイリス)
あら、皆さん、頼んでくれたの?
(貴族令嬢②)
はい!独特の歯応えとぷりっぷりのところが美味しいですわ!
(ツバキ・アイリス)
新鮮で、しっかり下処理しないとダメだけどね。
それと食べられないところもあるから、それが分からない間は自分家でやらない方が良いよ。
料理長が教えてくれるよ。
それとね、ぷりっぷりのところは"コラーゲン"って言って、お肌に良いのよ。
(貴族令嬢①②③)
お肌に良い!!
(ツバキ・アイリス)
かと言って、食べ過ぎたらダメだよ。
(貴族令嬢①②③)
はい!!
で、翌日。
(貴族令嬢①)
ねぇ、お肌の調子が……
(貴族令嬢②)
ぷりぷりですよね!
(貴族令嬢③)
お肌に良い食べ物、これは食べないといけません!
ウチの料理長を連れて行きます!!
という事で、"ホルモン"は特にご令嬢の間でブームになった。
それと同時に、味噌ダレ、醤油ダレが売れ、アイリス侯爵家は儲かった。
今のところ御用達商人に任せているが、そのうち領地の特産品を扱う店、いわゆるテナントショップを出そうかという話まで出てきた。
馬車の方はというと、馬車技師が作れるようになり、売り出すという話になった。
アイリス侯爵家のお抱え技師達なので、アイリス侯爵家が商人を通して売る事になった。
これは社交界で話題になった。
今までの馬車とはダントツで乗り心地が違うのだ。
しかしこの時、ツバキは"ダブルウィッシュボーン"と"バネダンパー"の製作に取り掛かっていた。
(当主 ケイン・アイリス)
また何か作っているな。
今度は何だ?
(専属メイド ミア)
新型馬車だそうです。
(当主 ケイン・アイリス)
まだ上があるのか!
(専属メイド ミア)
あるそうです。
それと、屋敷を改装したいと言っていました。
"快適になるからやっても良いよね"と。
(当主 ケイン・アイリス)
ま、まぁ、やらせてみるか。
許可が出た事をツバキに伝えるミア。
(ツバキ・アイリス)
やったぁ〜!自重無しでいくよぉ〜!!
そう言うと、ツバキは屋敷に上下水道、トイレ、風呂、台所、洗濯場、部屋、灯りまで全てやった。
もちろん水は飲めるし、トイレは汲み取り不要、下水も浄化して臭い対策、エアコンも付けると自重無しで魔法を使いたい放題して仕上げた。
(ツバキ・アイリス)
お父様、出来ました!
(当主 ケイン・アイリス)
は、はあぁっ!!
(ツバキ・アイリス)
水もこのまま飲めますよ。
魔石の操作で冷水から温水まで自由自在です。
トイレも便座、座るところですね、室内温度に合わせて最適になるようにしました。
灯りの調整も自由自在です。
室内が快適なのは、火魔法、水魔法、風魔法で温度調整をできるようにしました。
大量に魔石を使ってますが、空気中の魔素を魔力に変換してますから、魔素がある限り、魔石の魔力は無くなりません。
お風呂も簡単に出来ますよ!
(当主 ケイン・アイリス)
しれっとアーティファクトを作ってしまったのか?
(ツバキ・アイリス)
どうでしょ?
せっかくなら快適に暮らしたいから、自重無しでやりました(テヘッ)
(当主 ケイン・アイリス)
お、お前……どうしたらこんな事が思いつくんだ?
(ツバキ・アイリス)
うーん、天才だから?(笑)
いや、こうなると快適だよねぇ……ってのを再現しただけですよ、お父様。
それから塩を作りたいんです。
今度領地に帰ったら、作って良いですか?
(当主 ケイン・アイリス)
す、好きにしなさい。
費用は出す、作ってみなさい。
(ツバキ・アイリス)
はーい!やったぁ〜!!
(当主 ケイン・アイリス)
あの子は一体どうしたのだ?(困惑)
というわけで、領地に帰る時期がきた。
領地に着くと、早速、海辺の町に行った。
(ツバキ・アイリス)
こんにちは!
(海女:女)
あら、どうしたんだい?お嬢様。
(ツバキ・アイリス)
今日は塩を作りに来ました。
(海女:男装)
塩?作りに?
(専属メイド ミア)
ホントに作れるんですか?お嬢様。
(ツバキ・アイリス)
作れるよ。
海の水をくれない?
(海女:男装)
あ?あゝ、そんなモン、腐るほどあるぞ。
海だ、好きなだけやるよ。
(ツバキ・アイリス)
であであ(笑)
そう言うと、バケツ一杯の海水をとって来させた。
(ツバキ・アイリス)
これをね。
とりあえず消去魔法と浄化魔法で綺麗にする。
鍋に入れて、火魔法で温める。
(海女:女)
そんな事してどうするんだい?
(ツバキ・アイリス)
塩を作るの。
(海女:男装)
・・・は?
(ツバキ・アイリス)
まあまあ。
どんどん温めて、煮詰めだす。
水分は飛んでいくと、白っぽい水になってきた。
少し取るとミアに渡す。
(ツバキ・アイリス)
塩スープ、飲んでみ?
(専属メイド ミア)
は、はい……
軽く飲んでみるミア。
(専属メイド ミア)
うわっ!ぺっ!ぺっ!塩辛い!
(ツバキ・アイリス)
でしょ?塩だよ。
(専属メイド ミア)
・・・は?
えっ?……えぇぇぇっ!!!
どんどんどん水分を飛ばすと、白い粉になった。
(ツバキ・アイリス)
ほら、出来た、塩。
少し舐めてみるミア。
(専属メイド ミア)
た、たしかに塩です!
(ツバキ・アイリス)
でしょ。
(専属メイド ミア)
ちょ、ちょっと待ってください!
なら、大量に、永久に作れるじゃないですか!
(ツバキ・アイリス)
そうだよ、海が干上がらない限り、作れるね。
(海女:男装)
ち、ちょっとかしてくれ!
指に付けて舐める男装の海女。
(海女:男装)
これ……塩だ……えぇぇぇっ!!!
しかも真っ白の。
(ツバキ・アイリス)
これをね。
そう言うと、綺麗にした海水に溶かすツバキ。
(海女:男装)
もっ、勿体ねぇ〜!!
(ツバキ・アイリス)
まあまあ。
そう言うと、持ってきたトリュフを沈める。
それを何回も繰り返し……
(ツバキ・アイリス)
出来たよ、トリュフ塩。
ほんのりトリュフの味と香りがするはず。
(海女:女)
・・・は?
(海女:男装)
かっ、貸してみろ。
ホントだ、香りがある!味もある!
(専属メイド ミア)
えっ?……
ホントだ、トリュフの味と香りがほんのりする!
(ツバキ・アイリス)
"ブランド塩"、出来たよね?
(専属メイド ミア)
た、たしかに……(汗)
(ツバキ・アイリス)
いちごやオレンジとかの果物や野菜でも出来るよ?
作らない?
(海女:男装)
お、おう!作ってやる!一儲けしようぜ!!
(ツバキ・アイリス)
そのつもり。
これをアイリス侯爵領の特産品にする。
もちろん普通の塩も。
岩塩でも出来るから、岩塩は"ブランド塩"に限定しようと思う。
相性の良いのと組み合わせたら良い。
後、ゴミの除去ね。
そんなの魔法で簡単だから。
海水も浄化してから使うから。
変な物混じってたらいけないし。
(海女:男装)
そ、そうだな。
浄化出来るのか?
(ツバキ・アイリス)
これが海水を浄化する魔法陣。
これで簡単にできる。
仕上げは念の為、浄化と不純物の消去ね、これがその魔法陣。
水分飛ばすのは火魔法で出来るから、この魔法陣ね。
ただ、天日干しでも出来るから、"ブランド塩"は天日干しでじっくり漬け込むのが良いね。
それを繰り返して味と香りを付ける。
(海女:男装)
なるほどな。
よし、任せてくれ。
(ツバキ・アイリス)
次、"養殖"する。
(漁師:男)
なんだその"養殖"って。
(ツバキ・アイリス)
こうするの。
ツバキは水槽を取り出すと、海水を入れる。
雌の魚から卵を取り出し、続いて雄の魚から精巣を取り出すと、卵にかけ、水槽に入れた。
(漁師:男)
なんだ?孵化させるのか?お貴族の遊びじゃねぇ〜か。
(ツバキ・アイリス)
そんな感じかな。
ここで大きくして、海を網で囲った中に放して更に大きくする。
(漁師:男)
おい、それって……
(ツバキ・アイリス)
たくさん獲れるよね。
共食い注意だけど。
囲いの中に入れ過ぎないのがポイント。
(漁師:男)
た、たしかそうだ!
(ツバキ・アイリス)
今までの漁もしてね。
(漁師:男)
なんでだ?必要無ぇ〜だろ?
(ツバキ・アイリス)
"天然物"っていう"ブランド"だよ。
今なら逆で、"養殖物"がブランドになるかな?
餌を与えて大きくすればデッカいのが大量だ!
(漁師:男)
なるほどな!アンタ凄ぇ〜よ!
(ツバキ・アイリス)
えへへ。
これにはミアも唖然となり、帰ると早速ケインに報告した。
(当主 ケイン・アイリス)
なっ、なんだと!
塩だけでなく魚も?
その"トリュフ塩"というのは?
(専属メイド ミア)
これです、ほんのりトリュフの味と香りがします。
ご主人様にお土産だそうです。
ケインは少し舐めてみる。
(当主 ケイン・アイリス)
ほ、ホントだ!
この味、香り、たしかにトリュフだ!
真っ白な塩だけでなく、こんな物まで……
しかも塩は無限に作れるじゃないか!
(専属メイド ミア)
岩塩でも出来ると。
相性の良い物で作ろうと。
また、岩塩のゴミも取り除くと。
(当主 ケイン・アイリス)
魔法でか?
(専属メイド ミア)
はい、簡単だと。
(当主 ケイン・アイリス)
どうなってるんだ?
私はあの子が怖くなったよ(冷汗)
(専属メイド ミア)
しかし……
(当主 ケイン・アイリス)
領地にとっては最高だ。
これからも自由にやらせよう。
ミア、世話を頼む。
また何か新しい事があったら、報告してくれ。
(専属メイド ミア)
はい、ご主人様。
しばらく休憩していたツバキ。
今度は農村に行くと言い出した。
(専属メイド ミア)
今度は何をするんです?お嬢様。
(ツバキ・アイリス)
うふふっ♡イイコト(ニヤッ)
(専属メイド ミア)
は、はぁ……
ミアは何をしだすか気が気でならなかった。




