インフラと領地とその後のツバキ
貧民街のインフラ整備に取り掛かるツバキ。
炊き出しに一緒に付き添う。
まずはシスター達が住人達に説明する。
期待と不安が混じった表情で聞いていた貧民街の住人達。
(シスター:女)
では、ツバキ様に取り掛かっていただきます。
そういう事で、"チート"爆盛りで取り掛かるツバキ。
貧民街だけに家の広さが無い。
よって風呂を作るスペースは無い。
なので広場にデカい大衆浴場を作った。
もちろん"チート"で一日中いつでも使え、魔法で湯は綺麗にされ、浴室や着替え室は常時クリーン魔法で綺麗になる。
シャワーもあり、サウナまで付けた。
(貧民街住民:男)
こっ、こっ、こっ、こっ……
(アイリス侯爵家一人娘 ツバキ)
こちらは女湯ですから、野郎共を気にせず入れます(笑)
その説明に笑いが起こり、男衆は血の涙を流した。
井戸は消去魔法と浄化魔法で飲める水にし、各家には水道を引いた。
"魔石"を使い、冷水も温水も出るようにし、台所は薪ではなく"魔石"で調理できるようにした。
路地を整備し下水道も作り、路地の水はけを良くした。
下水道には消去魔法と浄化魔法が刻まれており、臭いやヘドロ対策を施してある。
当然、街灯も整備する。
各家庭にはトイレを作り、公衆トイレも作った。
全部魔法だ、"魔石"をふんだんに使い、常に綺麗になるようにした。
住居にも手を加え、夏涼しく冬暖かい構造に作り直し、いわゆるエアコンも付けた。
(貧民街住民:男装)
し、しかし、こんなに"魔石"を使われても……
(貧民街住民:女)
私達には"魔石"を買うお金がありません……
(ツバキ・アイリス)
大丈夫です。
魔法陣を刻んでありますから、魔力切れは起こりません。
強化魔法陣も刻んでありますから、そう簡単に"魔石"は壊れません。
安心して使ってください。
その言葉に大歓声が起こった。
(ツバキ・アイリス)
これは全部にやります。
一日で全部は無理なんで、まだのところは待っていてくださいね。
そういうと、ツバキは1週間通って、貧民街全域を整備した。
もはやこの時は、ツバキは女神様と言われるようになっていた。
また、シスター達に炊き出しと同時に子供達に読み書き計算の勉強会をするように指示した。
(ツバキ・アイリス)
皆んなぁ〜、お勉強しましょうねぇ〜。
(貧民街子供達)
えぇぇぇっ!!!(嫌顔)
(ツバキ・アイリス)
真面目にお勉強した人はお菓子がもらえまーす。
(貧民街子供達)
やったあああぁぁっ!!
子供はお菓子に弱かった(笑)
それからツバキは領地に向かい、完璧に整備した。
侯爵領は広い、仕上げるのに10年かかった。
そして王都に戻ってきた。
(ダノン王国女王 キル・ダノン)
ツバキよ、遅かったな、待ち焦がれたぞ。
(ツバキ・アイリス)
領地は広いですから……
で、次は王都ですね。
(キル・ダノン女王)
そうだ、やってくれ。
(ツバキ・アイリス)
はっ!
ツバキは王都の整備にかかる。
庶民、そして貴族とやっていった。
全て終わるのに1年半かかった。
そこで、貴族達から"我が領地にもしてくれないか?"という要望が出た。
(ツバキ・アイリス)
キリがないですよ?女王陛下。
どう計算しても、生きている間には不可能です。
(キル・ダノン女王)
たしかにキリがない。
王都に見本があるのだ、自分達でやらせよう。
(ツバキ・アイリス)
それについて、学校を作ったらどうでしょう。
学校で技術を学び、領地で再現するというのは?
(キル・ダノン女王)
そうだな、領地代表で学ばせるか。
それなら学費も取れるしな。
という事で、学校を作る事になった。
この時、ツバキはもうすぐ30歳だ。
しかし……
(キル・ダノン女王)
学長はお主だ、ツバキ。
(ツバキ・アイリス)
なんでですか、領地はどうするんですか。
(キル・ダノン女王)
学長はふんぞり返っていれば良い、暇だ。
それに最初の授業は誰がやる?
(ツバキ・アイリス)
ううっ……
最初だけですよ。
もう歳を考えてください。
(キル・ダノン女王)
我は今年45だ、まだまだ大丈夫だ。
なかなか放してくれないダノン女王であった。
とりあえず魔法で作るので、魔道士を募集した。
土、浄化、消去魔法が使える者と、主に魔石に魔力を補充する火、水、風魔法の魔道士だ。
その後、各領地で技師が要ると思えば育成する事、魔道士が居ればできる事を説明した。
入学式で学長挨拶をするツバキ。
(アイリス侯爵家当主 ケイン)
ツバキも立派になったなぁ……
(カルナ・アイリス侯爵夫人)
あの悪役令嬢のお転婆娘が今や学長ですよ。
それから新学期が始まり、ツバキが教壇に立つ。
(ツバキ・アイリス)
と、こんな感じです。
注意する事は、定期的に魔石に魔力を注入する事。
魔力が尽きれば作動しなくなるので。
それが嫌なら、設計図を書いて技師が作る必要があります。
その場合は各領地で技師を育成してください。
魔法で作り、魔力を注入する方が遥かに簡単です。
最初は一人で全部受け持たないといけないから大変だ。
その為、卒業までは時間がかかる。
卒業生の中から優秀な生徒をスカウトし、教員を増やしていった。
(ツバキ・アイリス)
陛下、もう後継者もできました。
(キル・ダノン女王)
そうか、それは良かったな。
(ツバキ・アイリス)
という事で……
(キル・ダノン女王)
これからも学長を頼んだぞ。
(ツバキ・アイリス)
いや、あのですね、あれから10年ですよ?
もう40近いですし、領地が……
(キル・ダノン女王)
我も55だ、まだまだ大丈夫だそ。
学長など、毎日学園に居なくても良いではないか?
後継者もできたのであろう。
なら、領地の事を中心にすれば良かろう。
学長室でふんぞりかえれば良いのだ。
その時間で領地と行き来すれば良い。
(ツバキ・アイリス)
いや、そうなら相談役になって、学長は交代すべきかと。
(キル・ダノン女王)
うーん、其方は細かい事を気にするなぁ……
しかし領地に篭る事は許さんぞ。
王都にも居るように。
(ツバキ・アイリス)
まぁ、他の領主よりは領地に居る時間は長いかもですが、分かりました。
社交界シーズンなどは王都に居ますし。
(キル・ダノン女王)
何故だ?
(ツバキ・アイリス)
何か新しい物がないか考えますし、あれば着手しますから。
特に娯楽関係はまだまだ小出しでいきますし。
(キル・ダノン女王)
うーむ……そういう事なら仕方ないな。
という事で、ゆっくり領地に帰れる事になったツバキ。
小出しで娯楽品を出していき、それをアイリス侯爵領産と言って売った。
お抱えの商人に販路を任せ、職人に作られていく。
売り上げの2割を商人から徴収し、他領でも作って売るなら売り上げの2割を払う事に同意させた。
そうなるとわざわざ作るより買う方が効率が良いと、作る他領は少なかった。
庶民向けの安い物から貴族向けの豪華な物まで作り、オーダーメイドも受け付けた。
流行れば持ってないと付き合いに支障が出るのが社交界、しかもオーダーメイドも受け付けるとなると、鑑賞用も含めて注文が入った。
もはや言い値だけにかなりの利益が出た。
(当主 ケイン・アイリス)
凄いな、我が領地は凄まじい利益が出ている。
領地経営も安泰だ。
(ツバキ・アイリス)
お父様、それは分かりません。
行き渡ると売れ行きも安定してしまい、今ほどの利益は出ません。
種類も増えていきますから、人気が分散してしまい、こんなに売れなくなると思いますよ。
食料品は安定すると思いますが、追いつかれたら分かりません。
ネタにも限界がありますから、いずれ打ち止めになりますし。
(当主 ケイン・アイリス)
それでも凄い儲けだ。
これに胡座をかく事がなければ大丈夫だと思うぞ。
食料品のブランドも凄い事になっている。
(ツバキ・アイリス)
魔法陣を併用してますからね。
今では生食用、焼き用、煮物用、スイーツ用と個別に対応してますからね。
それを使ったレストランや甘味処も王都に出店してますしね。
ただ、ここまでくれば、料理人からのリクエストが無ければ改良できません。
ある程度のレベルで頭打ちです。
(当主 ケイン・アイリス)
しかし、今ではそのレストランで食事をし、甘味処でデザートを食べるのがステータスになっているからな。
持ち帰り専門店の人気も凄い。
庶民向けのメニューも人気が安定している。
(ツバキ・アイリス)
このまま続けば良いですよね。
(当主 ケイン・アイリス)
そうだな、その為にも頑張ろう。
(ツバキ・アイリス)
はい、お父様。
ツバキ達の頑張りで領地も安泰。
女王はなかなかツバキを離さず寵愛?した。
いや、便利に使っていないか?という疑惑もあるが(笑)
晩年も困る事なく、幸せに暮らしたツバキだった。




