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黒猫のよる  作者: 青ちゃん
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(その10〜その12)

        よる(その10)


クレヨンという名前にしたことを

語り終わったあとに


「だから[クレヨン]という名前にしたんだ」


と 言って その少女の家でも

[クレヨン]という名前で 呼んでくれると

約束してもらっていた。


そして そう約束してくれて 安心したのも

つかの間に その少女は 名前も告げずに

クレヨンという名の猫を 段ボール箱ごと

持って帰ってしまった。


そういえば 5年だった今 この話を

思い出してみたが 確か本物のクレヨンを

もらっていたはず。


それを見ては 猫の[クレヨン]のことを

思い出して つい


「クレヨンという猫か」


と つぶやいていたはずだった。


そういえば あの黒の本物のクレヨンは

どこへ やってしまったのだろう。


今 思い出そうとしても どこへやったか

思い出せない。


不思議だ。


あんなに大切にしていてのに。



        よる(その11)


まあ 仕方ない。

クレヨンのことは 忘れよう。

あれから5年も経つのだから。


今は 1年前から飼っている

黒猫のことを 大切に飼っていこうと思う。


その黒猫は 1年前に生後2ヶ月で

うちの家に来た 真っ黒な猫だった。


真っ黒い色が 夜の暗闇を思わせるほどの

綺麗な黒猫だったので 一発でその子猫を

「よる」と

名付けたのだった。


それから1年間 飼い続けているが

相変わらず 綺麗な黒色の猫に

なっていた。


その黒猫の「よる」は

ほぼ毎日 夜にボクが 寝ようとすると

寝床に来て 一緒に寝てくれるのだった。


そんな 可愛げのある猫だった。



        よる(その12)


黒猫の「よる」は まるで満月のような

黄色くて まんまるい瞳をしていた。


そう とても綺麗な 黄色で

素晴らしくというか 美しい瞳だった。


まさに 真夜中の空に浮かんでいる

とてつもなく綺麗な円を描く 黄色く美しい

満月が そこにあるふうだった。


真っ黒の毛色に 丸く美しい黄色の瞳。


あまりにも それが 夜中の黒色と

月の美しい黄色の 対比するように

美しくある それが ボクが飼っている

黒猫の「よる」という名の猫の中に

存在していた。


それが ボクが自慢してやまない

真っ黒い猫であった。


そして 長いしっぽまで 美しい

黒だったのである。



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