ep.6 伝説の勇者パーティ
私はビギル村を散策する事にした。敵対するかもしれない勇者パーティを一度でも見ておくべきかとも思ったからだ。
宿屋を出て辺りを見渡すと何やら人だかりができていた。その人だかりに近づきながら私はラヴァルと話をしていた。
オルキス(ラヴァル、あれかな?)
ラヴァル『うむ、あれが勇者パーティだろうな。』
オルキス(一つ気になったんだけど、勇者たちは貴方をスルーしたのよね、なんで?)
ラヴァル『それは、我が既に倒されたからな。』
オルキス(貴方を?)
ラヴァル『ああ、我を倒したのは四大魔王の一柱、水魔王オーシャル。現在の魔王の中で一番強い。』
オルキス(その魔王とも戦うことになるのかな?)
ラヴァル『なるであろうな、話は分かるやつだが、最終的には戦いで決着を付けるようなヤツだからな。』
そう脳内で話していると、人だかりの最前列までこれた。
目の前には四人編成のパーティがいた。
一人目は双剣を腰に背負った白髪のイケメン。
二人目は僧侶と言った感じの見た目をした女性。
三人目は槍使いなのだが、見慣れない顔である。
四人目は明らかにお嬢様といった立ち振る舞いの魔法使い。
オルキス「これが伝説の勇者パーティ……」
お話でしか聞いたことがない伝説の勇者たちが今目の前にいるという現実とこの人たちと戦うのかもという恐怖から私はその場に立ち尽くすように彼らの方を見ていた。
「あの双剣持ってる勇者、タイガ=モードリスって言うんですって彼。素敵よねぇー。」
「あの女性聖人教会の僧侶様らしいな、美人だなぁ。」
「あの槍使いあんまり見ない顔だな、田舎出身か?」
「あれって、デトリア王国のお姫様じゃない?槍使いを従えてるってことは勇者パーティに入ったて噂は本当だったみたいね。」
様々な会話がその人だかりの周りでされる中、勇者パーティは何やら作戦会議をしている様子だった。
タイガ「何かと思い来てみれば、炎魔王の復活か……。キサラ村周辺に結界を張られるか?デトリア嬢は槍使いと共に辺り周辺の捜索を頼む。」
槍使い「おう、任せときな勇者様!嬢様、先行ってるぜ。」
槍使いは門を潜り抜けて森へと走って行った。
デトリア嬢「ちょ、ちょっと、待ってください!えっと、キサラさん行ってきます。」
それに続いてデトリア嬢も槍使いを追いかけるように勇者に一礼して走っていく。
キサラ「はい、いってらっしゃい。あの二人大丈夫でしょうか?結界を張った後はどうすれば?」
タイガ「できれば、俺と共に今後の方針を練って欲しい、キサラたちが仕事をしている間に先に取り掛かるが。仕事が終わるより先にこちらの方が早く終わりそうではあるからな。それにあの二人なら大丈夫だろう、槍使いの槍捌きは俺たちのとは違う独特なものだが、頼りになるのは確かだ。それにデトリア嬢をここまで護衛してきたのも彼だしな。」
キサラ「わかりました。では私はこれで。」
タイガ「ああ、頼んだ。」
僧侶も村の外へと出ていき、勇者だけが取り残されていた。
オルキス(何というか、信頼しているのか、してないのかわかりづらい。)
ラヴァル『同じ職場の同僚程度には信頼関係はできるているみたいだな。』
オルキス(職場の同僚って……ああ!魔王幹部みたいな?)
ラヴァル(おお、よくわかってるではないか。)
そう遠くから眺めているといつの間にか、勇者と目線が合った。そして勇者がこちらに近づいてくる。
オルキス(やばい、やばい!もしかしてバレた!?)
ラヴァル『落ち着け、冷静になれと言いたいが、今回ばかりは我もまずいかもしれない!』
タイガ「君名前は?」
オルキス「オルキスです…。」
タイガ「そのペンダント、神器のようだねということは神の使徒かな?」
オルキス「い、いえ。このペンダントは旅のお守りにと知らないおじさんから貰ったもので……。」
タイガ「そうだったか、理解していなかったのなか……じゃ教えてあげよう。そのペンダントは神器だ。そして、それ渡してきたのはきっと神様だ。君自体がどんな役割をもたらされたのかは見当がつかないが、大事に持っておくといい。」
オルキス「そ、そうなのですか。」
タイガ「俺も神に使命を託された身だ。お互いに世のためになれることを祈っている。」
オルキス「恐縮なのですが、勇者様の神器というのは?」
タイガ「俺も勝手に話しかけたんだ、その程度の事なら。」
そう言って勇者は手持ちの双剣を見せる。
タイガ「これだ、人神カイベル様より受け取った神器:クロスカリバーだ。」
オルキス(人神?聞いた事ないな。ラヴァルは知ってる?)
ラヴァル『人神は聖人教会で祀られている人の神だ。我ら魔人が信仰している神、魔神アマテトを敵対視しておる。』
オルキス(でもなんで勇者はこのペンダントが神器だってわかったの?)
ラヴァル『神器には特別なオーラでも宿ってあるのかもしれないな。』
タイガ「おっと長居してしまったね、では俺はこれで。」
そう言って勇者はこの場を去って行った。
オルキス(よかった、正体バレなくて。)
ラヴァル『そうだな、今日ばかりでこの村ともオサラバしよう。』




