表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カノンと夢の世界  作者: 白猫のロンド
3/4

瑠璃と気持ち

なんで、なんで、なんで?

 なんでみんな、私のことを決めつけるの?

 なんでみんな、私の話を聞いてくれないの?

 どうして?


 私は森の中を歩いていた。

 植物と水の属性をもつ私は、森と相性がいい。


 ひどいよ、鈴菜。

 私は話しに来たのに。

 あの事を、謝りに、誤解を解きに来たのに。

 鈴菜は、話を聞いてくれなかった。


 小川のせせらぎが聞こえてくる。

 何かに導かれるようにその音のする方に歩いていく。


 カノンも、ひどいよ。

 私の味方じゃなかったの?

 私を導くんじゃなかったの?

 カノンも、あいつらと同じ考え方をする。

 ならば…


「こんにちは!」

 突然声が聞こえて来た。

 いつのまにか、川に行き当たっていた。

「誰…?」

「るーちゃん、わたしだよ?フィニア。覚えてる?」

 勿忘草(わすれなぐさ)色のイルカ。大粒のアクアマリンが、その額に輝いている。

「フィー!もちろん覚えてるよ!」

 私が困った時の、道案内役。いちばん綺麗な青色。忘れるわけがない。

「よかった!るーちゃんが困ってるのが見えたから来たんだけど…」

「フィー…」

「何があったの?話せる?」

 フィーにだったら、きっと話せる気がする。

「あのね、鈴菜に会いに行ったの…それでね、話そうとしたのにね、鈴菜が…それに、カノンも…」

「るーちゃん、落ち着いて。すーちゃんが、どうしたの?」

「鈴菜が、私を、攻撃して来て…話、聞いてくれなくて…」

「うんうん。それで、カノンが?」

「カノンが、何も知らないのに、私が悪いって…」

「泣かないで、るーちゃん」

 そう言われて、初めて、私は自分が泣いてることに気がついた。

「私、なん、で、泣いてるの」

「るーちゃんは、すーちゃんの事が、嫌いなの?」

「う、ううん。違う。鈴菜、とは、仲直りしたい」

「じゃあ、カノンとは?カノンのことは、嫌い?」

「嫌い、じゃない。でも…」

「納得、いかない。カノンに、言いすぎたとは、思うけど…」

 そこで言葉を切った私に繋げるように、フィーが続けた。

「確かに、カノンも言い過ぎだったと思うわ」

 慎重に、丁寧に、悩みながらフィーが言葉を紡ぐ。

「でもね、だからと言って、カノンを傷つけていいことにはならない。」

「るーちゃんは、ちょっとだけ、やりすぎだったと思うわ」

「るーちゃんがカノンにした事、カノンにるーちゃんがされたら、るーちゃんは傷つくでしょ?」

 やりすぎ、だった。

 カノンは私の話を聞いていないと思ってたけど、私もカノンの言葉を無視した。

「カノンに、謝りたい。私の気持ちを、伝えたい」

「フィー、手伝ってくれる?」


「その必要は、ないみたいよ」

 私の後ろに視線を向けて、フィーが言う。

「ね、カノン」


「カノン⁉︎」

 私が名前を呼ぶと、後ろの木の影からカノンが出てきた。

「あーあ、バレてたみたいだな。いつから気づいてたんだ?」

「るーちゃんが泣いてたあたりからかしら?」

 そんな前から。全く気がつかなかった。

「ほぼほぼ最初からじゃねえか」

「カノンは聞いてたんでしょ?るーちゃんは言ったわよ?ほら、カノンからもあるでしょ?」

 その言葉で我に返った。

「瑠璃、ごめんな。俺は、お前の気持ちを、考えれてなかった。お前が傷ついてるのに、気づけなかった。無遠慮なこと言って、ごめんな」

「カノン…こっちこそごめん。カノンの話を聞けなかった」

「じゃあ、後はすーちゃんだけね。今の2人ならきっと大丈夫よ。迷った時は、自分の言葉を信じるのよ」

 そう言って、フィーは川の中に潜って行った。

「じゃあね/じゃあな、フィー!ありがとう!」


「……なに、これ」

「酷いな」

 私たちが森から出て見たもの。

 至る所に岩が落ち、また火の手が上がっている、街だったものが、そこにあった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ