後編
「どうして! アンリエッタお姉様が……!」
すべて、すべて、すべて。
輝いて見えます。あの、怠惰なアンリエッタお姉様が。
いつかの頃のように、すべてが輝いているのです。
おかしい。こんなの、おかしい。だって、だって、だって。
「この子がキミの妹かい? アンリエッタ」
「ええ。アンドレイ様。まぁ、もう私はメヌエット伯爵家とは関係ない身分なのだけれど」
「そうだね。キミは、ただのアンリエッタ。そして僕のアンリエッタだ」
「まぁ! ふふ。そうね。私のアンドレイ様」
「……っ!」
アンリエッタお姉様の隣に立っているのは、とても美しい男性でした。
白銀の髪に、青い瞳。着ている衣服はどれも高級品に見え、それに振る舞いも高位貴族らしいそれ。
私にも分かりました。
怠惰なアンリエッタお姉様が居なくなってから、ロバート様が私に冷たくなってから、沢山の貴族令嬢としての教育をさせられてきたのです。
マナーやダンスなどもそう。
だから余計に、アンドレイと呼ばれたその方の素晴らしさが理解できたんです。
……どうして。
どうして、どうして、どうして?
「あ、あの……。アンリエッタ、お姉様? その方は……」
「あら。ふふ。3年ぶりにあった姉よりも、格好いい男性の方が気になるの? 相変わらずね、メアリーアン」
「な、なんて事をおっしゃるの? わ、私は、ただその方が、」
「ふふ。いいのよ。言い訳なんて。貴方の事なんて分かっているもの、メアリーアン。きっと何も成長しなかったのよね」
「な……!?」
何も成長しなかったですって?
私のことなんて何も知らないくせに。
アンリエッタお姉様が家から居なくなって3年間、私がどれだけ苦労したかなんて!
「あ、アンリエッタ……。き、君なのかい?」
と。私に遅れてロバート様がやって来て、アンリエッタお姉様に気付きました。
「……ごきげんよう。ライアン伯爵令息。それでは、さようなら。アンドレイ様。そろそろ行きましょうか」
「ああ。そうするかい。僕のアンリエッタ」
「え、ちょっと!」
あろう事か。アンリエッタお姉様は、私達に取り合おうともせずに去ろうとしました。
ありえない。
「待ってよ、アンリエッタお姉様!」
「……アンドレイ様」
「うん。……君達、もう遠慮してくれないかな。夜会とはいえ、僕達も遊びで来ているワケじゃないんだ。これから二人でレディエント侯爵家を担っていく為にも、ご挨拶したい方達が多く居てね」
「れ、レディエント……侯爵家!? そ、それは、その。で、ですが、そちらの女性は……僕の」
「僕の? 私の婚約者であり、もうすぐ僕との婚姻式を済ませてレディエント侯爵夫人になるアンリエッタが、伯爵家の息子の何なんだい?」
な……。
「婚約者!? 婚姻!? そんな! どうして!」
「私達の出逢いでも聞きたいの? ふふ。社交界に参加していれば、いずれ耳にする事もあるわよ、メアリーアン」
「そんな話なんか!」
おかしいわ、おかしい、こんなのおかしい!
だって、だって、だって!
こんなのアンリエッタお姉様ばっかり、ずるい!
ずるい、ずるい、ずるい!
「……ほんと、変わらない。ああ、先に言っておくわね、メアリーアン。それからライアン伯爵令息。
『私、今更ロバート様なんか要らないから』
『別に元々、彼の事を愛してもいなかったもの』
『私にはアンドレイ様が居てくださるし、離れ離れになる気も、その必要もないわ』
……はい。貴方達が今から言う台詞には、これでお返事、終わりね。
それではね。メアリーアン」
な、な、な……。
「なっ……! そ、それは……、そんな……あ、アンリエッタ、君は」
「気安く話し掛けないでくれるかな? 次期侯爵夫人だよ。彼女は、僕の婚約者なんだ。あまりに美しいからって、憧れるのは勝手だが……妙な目で見ないで頂きたいね。夜会では距離を置かせてくれ」
邪険に追い払うように、私達はあしらわれました。
どうして? どうしてこんな事になるの?
アンリエッタお姉様が、次期侯爵夫人?
……公爵家のないこの国で、王族や、その伴侶になる者達の次に偉い、そんな身分に!?
おかしい。どう考えたっておかしい。
だって、私は……、私は3年間努力してきた。
メヌエット伯爵家を継いで、伯爵夫人になる為にいっぱい勉強してきた。
だっていうのに、怠惰なアンリエッタお姉様が、私よりも上の身分になる!?
……死んでいるかもと思っていた。
そうでなくても娼婦に身を落として生きているのだろうと思っていた。
なのに、なのに、なのに。
ずるい……! こんなの、こんなのってずるい!
努力してきた私が報われなくて、怠惰なアンリエッタお姉様が報われるなんて、そんなの、ずるい!
「待って下さい! ……アンドレイ・レディエント様!」
「……ほらね?」
「はぁ。キミの言う通りの人物のようだ。ここで僕に話し掛けるかな、普通。呼び止めるならキミだろうに」
「そういうのが通じない子なの。変わらなかったようだわ」
なっ。
「ご、誤解されています! アンドレイ様は、私のことを、アンリエッタお姉様の事を、」
「……はぁ。僕はアンリエッタの事を愛しているよ。そして君には興味がないんだ。メヌエット伯爵令嬢。君がどんな人間かなんて誤解だろうが何だろうが、どうでもいい」
「愛しているの言葉がさらりと出てくるのね、アンドレイ様」
「足りないかい?」
「ええ、足りないわ。何度でもおっしゃって下さい。私も貴方を愛していますわ、アンドレイ様」
「はは」
「ふふ」
なん……!
「ちゃんと私の話を聞いて下さい! アンドレイ様!」
「レディエント侯爵令息、だ。小侯爵でもいい。お前に名前を呼ばれる筋合いはない。弁えろ」
ピシャリ、と。取り付く島もないように、断じられた。
どうして? どうして私の話を聞いてくださらないの?
……アンリエッタお姉様のせいだわ。お姉様が私の事を良くないように吹き込んでいるの。
そんなの、ひどい。ひどい、ひどい!
「そん、」
「ライアン伯爵令息!」
「は、はい!?」
私の言葉を遮るようにアンドレイ様は声を上げた。
「……親切心から忠告しておく。君の婚約者が、私に色目を使おうとしているように見える。そういう言葉を吐きそうでもある。……君、それでいいのかい? 良くないだろう?
ああ、言っておくけれど。アンリエッタは既にメヌエット伯爵家からは除籍されている。
そして彼女は家に帰る気などない。
どうあってもアンリエッタは、メヌエット伯爵夫人になる事はないよ?
どうか、自分の人生にとって最良の選択を心掛けるように。そして僕の愛するアンリエッタに害を為さないようにね」
「う……、そ、それは……め、メアリーアン? ほら。もう行こう」
ロバート様が私の手を引いて、ここから連れ出そうとしました。
「離して!」
……ですが私は、ロバート様を突き飛ばします。
だって、今、言うべきなんです。
ロバート様のことなんて気にしてられませんでした。
「アンドレイ様! 私は、」
「レディエント小侯爵だ。何度も言わせるな。今日、初めて会ったに過ぎないメヌエット伯爵令嬢。
何故、初対面で、僕にとってどうでもいい君なんかに、こんなに追いすがられなくちゃいけない?
……アンリエッタの隣に立っているからか? 本当に浅ましいな、君は」
「だ、だって……! わ、私は……私、あの!」
「それ以上は口を慎みなさい、メアリーアン。
貴方自身のこれからと、メヌエット伯爵家の為にね。
姉の持つすべてを何でも欲しがるメアリーアン。
どうせ、私の着ているドレスも、宝石も、飾りも、何もかも欲しがるんでしょう?
私の愛するアンドレイ様も、そうというだけで欲しくて堪らないんでしょう?
何でも欲しがるメアリーアン。
それが異常なのだと、いつになったら気付くのかしら?
私の物は、私の物よ。
誰にも渡す道理はない。貴方に譲る道理はない。
そして……こうも言うのだけれど。私は、貴方の親じゃないわ。
両親も健在なのだから尚の事。貴方を育て、正す義務もありはしない。
貴方に差し伸べる手は私にない。
……道を踏み外して、困るべきは貴方。それをどうにかしなくちゃいけないのも、貴方。
どうか貴方の間違いに気付いてちょうだい、メアリーアン。
私は、私の持つべき物をもう譲らない。貴方に渡す事はない」
アンリエッタお姉様にまくし立てられて。
そして、ロバート様がまた私の腕を掴んで引かせようとしました。
嫌、嫌、嫌。だって、だって、だって。
「アンリエッタお姉様! どうして! なんで!?」
「……何についてかしら」
「だって、こんなの、だって、おかしいわ!」
「……あらそう。私が幸せになるのが、そんなに許せないの。メアリーアン」
「そんな事言ってない!」
「なら、どうして貴方は私から奪おうとするの?
いつもいつも私が手にしている物ばかり欲しがって。
本当に迷惑なのだけど」
「それは……!」
「……貴方が私を好きだとしても。私は貴方が大嫌い。
私は、貴方を愛した事なんか一度もないのよ、メアリーアン」
────。
……どうして。
私は身体から力が抜けていくようでした。
「なんで……」
いつからだろう。アンリエッタお姉様がこんな風になってしまったのは。
どこからだろう。アンリエッタお姉様が私に笑いかけてくれなくなったのは。
「……12歳の、誕生日」
「うん?」
「アンリエッタお姉様の、12歳の、誕生日。……何があったの?」
だって、あの時からだ。
アンリエッタお姉様が怠惰になったのは。
だから、あの時から、あの時から……何かがおかしかったのよ。
「──夢を見たのよ、メアリーアン」
「ゆ、め……?」
「そう。とても、とても長い夢。私は、あのまま家で過ごした。あのおぞましいメヌエット家で。
……夢の中の私は、あのまま家で過ごしたわ。
両親の言われるまま。貴方にすべてを奪われるまま。ライアン家との望まない婚約をしたまま。
……そうしたらね? ある日、ライアン伯爵令息に婚約破棄されてしまったの」
「婚約、破棄?」
「そう。解消ではなく、破棄ね。その時のライアン伯爵令息はね。貴方を隣に侍らせていたわ、メアリーアン」
「……は?」
「お互いに愛しているからですって。ああ、もちろん現実でのやり取りとは違うのは分かっているわよ? でも、とにかく夢の中の私は、婚約破棄されて、貴方がメヌエット伯爵夫人になるのですって。
両親も、ライアン家も、貴方も皆してそれを望んだわ。笑って、そう望んだわ。
……それで、おしまい。
なんだかね。あの夢を見た時、すべてのやる気がなくなったの。
貴方や、メルディスお父様、アンネマリーお母様の事がどうでもよくなったのよ、メアリーアン。
ライアン伯爵令息の事だって、元から好きじゃなかったのに、何故か私の方が彼を愛している事にされていた。
……そういうのは、嫌だって思ったの。
そういう人生は歩みたくないって思ったの。
あの夢の通りになるぐらいだったら、もう何もかも要らないと思ったわ。
どうせ貴方達は、私に報いない。私の幸せを考えない。私の気持ちを知ろうとしない。
私の努力を認めない。私の物を認めない。私の言葉を聞こうとしない。
……要らないな、って思ったのよ。メアリーアン。貴方や、あの家が、全部。
だから喜んで家を出て行ったわ。すぐに除籍申請だってしに行った」
「あ、アンリエッタお姉様は……家を、追い出されて……」
「そうよ。そして、その言葉が撤回されないように貴方達を挑発したの。
だって貴方達。事もあろうに私に謝らせようなんて考えていたでしょう?
だからバカにしてあげた。だから見下してあげたの。
……下に見ている人間の反抗ほど、腹の立つ事はないんだものね?
私の思うままの反応と考え方でありがとう、メヌエット伯爵家。
変わらないままの貴方が、今の私を肯定してくれるのよ、メアリーアン。
あんな家は出て行って正解だった、ってね」
「……、っ……なんで! それで、どうして! 侯爵家の人の婚約者になんてなっているのよ!?」
家を出て行って!
それで上手く生きていけるなんておかしいわ!
不幸になる筈だ。貴族令嬢が、何も持たずに家を出ていって。
見知らぬ男達に襲われるか、攫われるか!
食べ物も得られずに飢え死ぬか! そんな未来しかなかった筈なのに!!
「……私は、運が良かったのよ、メアリーアン」
「運……?」
「ええ。偶々、私を見つけて下さったのが、拾って下さったのが……、レディエント侯爵閣下だったの。アンドレイのお父様。私の義父になる人よ。私は侯爵様に助けて頂けたのよ、メアリーアン」
「侯爵、閣下に」
たまたま? そんな事おかしい。
そんなのあってたまるものですか。
だって、だって、だって。そんなのずるい。
家を出て。どこにも行く宛がなく彷徨って。
たまたま侯爵様に拾われる? そんな夢物語があっていいワケがない!
「僕が最初にキミを見つけてあげたかったけどね。僕の愛しいアンリエッタ」
「……ふふ。いいのよ。初めに貴方に出逢っていたら、それが恋心なのか、ただ救われた事の感謝なのか分からなかったもの。
貴方がヒーローじゃなかったからこそ、私は貴方と恋が楽しめたのよ」
「そうかい。だが、きっと。これだけは言わせて欲しいな」
「……なぁに? 私の愛しいアンドレイ様」
「たとえ、夢の中であっても。僕はキミの前に現れたよ、ってね」
「まぁ! ふふふ。そうね。きっと、そうしてくれたわね」
……そこには。
キラキラと輝くアンリエッタお姉様が居た。
幼い頃に憧れたアンリエッタお姉様が、そのまま至るべき姿に成長したように。
私がどんなに望んでも、手が触れられない場所に、離れて行った、綺麗なアンリエッタお姉様。
「でも……、だけど……、アンリエッタお姉様は、怠惰で。侯爵夫人になんか、向いていない、わ」
私は、かすれそうになる声でそう告げた。だけど。
「アンリエッタは勤勉だ。とても真面目にレディエント家の事を学んでくれているよ。僕も、何より侯爵である父も。彼女の努力を認めている。
僕達、レディエント侯爵家の者は、けっしてアンリエッタを蔑ろにしはしない。
その頬も理不尽に叩かない。自らの職務はこなし、そして助け合って生きている。
……何より、僕はアンリエッタの事を愛している。
他の誰にも奪わせない。
僕は彼女と共に歩み、共に幸せになる為に、共に勤勉に努力するだろう。
どうか、邪魔しないであげてくれ。
どうか、もう放っておいてあげてくれ。
君とアンリエッタは、もう交わらない。
アンリエッタは幸せを掴む。
君も君で、勝手に幸せになればいいじゃあないか。
……君が幸せになる事と、アンリエッタが幸せになる事は、まったく別の道なのだから」
アンリエッタお姉様は、メヌエット伯爵家を出て……怠惰でなくなっていた。
勤勉で、綺麗で、沢山の物を手に入れて、愛されている、アンリエッタお姉様。
「じゃあね。さようなら。メアリーアン」
そう言って、アンリエッタお姉様は私に背を向けたの。
……逃げ帰るようにメヌエット伯爵家に帰って来て。
私は放心したまま、時間を過ごした。
手が届かなくなったアンリエッタお姉様。
ぼんやりとしたまま、両親にその事を話す。
「なんだって? アンリエッタが……侯爵、夫人に……!?」
「そ、そんな。どうして?」
侯爵閣下に助けられたと言っていた。偶然に。夢物語のように。
そして、その息子の侯爵令息と恋仲になって、認められて、侯爵夫人になる。
この国で上から数えた方が早い、高貴な身分に。
「……レディエント侯爵家に話をしに行こう。アンリエッタは私達の娘なのだから。婚姻だなどと、勝手に話を進められては困る」
「え?」
だって、アンリエッタお姉様は既に。
「そ、そうね。メルディスの言う通りだわ」
「お、お母様? 何を言っているのですか」
両親の言う事を、初めて。そう初めておかしいと感じた。
私の両親は、こんな人達だっただろうか。
ロバート様は、あんな風に見えていただろうか。
分からない。
「……旦那様。レディエント侯爵家を名乗る方から、手紙が届いているのですが」
「なに!?」
「えっ」
まさかのあちら側からの手紙だった。
胸の奥に何かの期待が膨らむのを感じた。でも、その期待が膨らみ切る前に。
「な、なんだと!?」
「……なに? お父様、なんとおっしゃっているの?」
父や母の様子から、その手紙は期待通りのものではないのだと突きつけられた。
私は、二人が読み終えた辺りで手紙を奪い、読む。
「……メヌエット伯爵家と親交を深めるつもりは、ない。侯爵家や、侯爵夫人となるアンリエッタを侮辱するような行動、すがるような行動、言葉、態度が見られる場合。それはレディエント侯爵家への侮辱と受け取る。
けして余計な行動は起こすな。我が家は、アンリエッタを傷つける者達に容赦はしない。
……互いに不干渉を貫こう。互いの幸せは、交わらずとも手に入る筈だ、から……」
……絶縁状。
レディエント侯爵家は、身分は上だけれど、メヌエット家と業務などで関わってはいない。
だから内々でこのような手紙を送られた所で影響は少ない筈。
だから、これは。
「アンリエッタお姉様に、関わるな……という事なのね」
私は、アンリエッタお姉様の隣に立っていた男性を思い出す。
輝いて見えた。素敵に見えた。けれど、けれど。
「彼は、私を、拒絶した。お姉様も。私を」
私は……。
「メアリーアン!? ああ、どうか泣かないで」
「そうだ。メアリーアンが泣くなんて、アンリエッタが優しくしないから……!」
……違う。そうじゃない。
違う。違う。違う。
ああ、やっぱり、おかしいんだ。この家は。
頬を叩かれたら痛くて。
一緒にご飯が食べられなければ寂しくて。
自分の物が奪われたら悲しくて。
「あああああ……」
婚約者が自分を愛してくれないのは辛くて。
愛した人を奪われるのは怖くて。
「ぁああああああああああああ……」
おかしいのは。おかしかったのは。
『さようなら。メアリーアン』
……おかしかったのは、私の方だったのだから。
どうして、今になって、それが理解できたのか分からない。
まるで夢を見たように、その事を理解した。
こんなに今更。あまりにも今更。
すべてが終わっていて、もう遅い。
「……、ごめん、なさい。ごめんなさい、ごめんなさい……」
アンリエッタお姉様。
もう手が届かない、アンリエッタお姉様。
お姉様の事が……あんなにも好きだったのに。
私は、私は後悔しながら……、これからも生きていくのね。
アンリエッタお姉様がいない、この家で。
「お姉様。お姉様。お姉様……」
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
そして、……さようなら。
怠惰でなかった、アンリエッタお姉様。
~Fin~
※※あとがき※※
読んでいただき、ありがとうございました。
【欲しがり妹にすべてを奪われ、親に愛されないドアマットヒロイン】の物語。
それを『主人公』のモノローグを語らず、ざまぁ側のみで語る、というスタイルです。
ある意味で、読者の事を信頼しまくっている話。
考察する、考える、推理する(?)タイプ。
まぁ『だいたい分かるよね。このドアマットヒロイン側のお話は』という。
追放ざまぁモノで、だいたい主人公側の話、分かるから、ざまぁ側の話してよ、みたいな。
【いつものヤツだけど、いつもとは違う味のする話】を、おひとつどうぞ。
また私事ですが、
【人生をやり直した令嬢は、やり直しをやり直す。】
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……こちらの作品の書籍化が決まりました!
よろしくお願い致します!
読んでいただき、ありがとうございました。