表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/113

85話目 メリル捜査官




「橘優介の娘がネットに上がってる?」


日本で橘優介に関する調査を行っていると本国からそんな連絡が入った。


橘優介の自宅への監視は行っていた。 過去形だ。


というのも橘優介自体が本国を出国した形跡もない。


だから一応念のための確認として家族を数日に渡り監視は行っていた。


下の娘に対しては、毎朝の日課の草むしりから始まり、高校へ登校、アルバイト先も確認済みだ。

だがどれも特段変わった様子はない、いたって平凡。 しいていうなれば善良そうな子という印象だ。


橘優介の妻も勤め先と家とスーパーを往復する毎日。

こちらも変わった様子はない。


しいていうなれば上の娘。

橘遥。

この娘は職持ちだ。

最近まで一人暮らしをしていたようだ。

家へ引っ越し、自宅と大学、自衛隊の駐屯地を往復する日々を送っている。

だがこちらも橘優介と接触した様子は見られない。


塀のせいで家の中の様子までは見れないが、父である優介が入ったような形跡はみあたらない。


だから監視は解いていた。


自宅周辺の監視を解いてから、今現在は職場の方を重点的に探っている。


同僚から、問題の動画がこれだと見せられたのは、女学生がアスファルトを割る動画だ。


「これは……」


間違いなく善良ガール本人だ。


この子も職持ちだったのか。


しかも……


「かなりレベルが高そうだ」


そう呟くと同僚が頷き同意を示す。


「姉はダンジョンにも行っているようだから理解できるが妹はどこでレベルを……?」


確かにそうだ。

そう思ったが頭を振った。


いや……今は橘優介の方を優先すべきだ。

娘の方は後回しにすべき。


でも……何故だか焦燥感が募った。

橘優介の方が先だ。 

確かにそうなのだが、その前に懸念事項は確認しておいてもいいだろう。


スマホを取り出し上司へと電話をかける。

数コールすればスマホからは馴染みの声が聞こえた。


「局長。 念のため鑑定の魔道具の使用許可を願いたく存じます」


「メリル?」


『理由は?』


「調査対象の娘、善良ガールの職が気になります。 ダンジョンにも入った様子が見られません、もしかしたら鑑定職……もしくは本国で発見されていない生産系の職の可能性があります」


「生産系?!」


私がそう言うと横で同僚が声を上げた。


戦闘系の職持ちは幾人も発見された。

スキルでのレベル上げも実証された。

だが短期間であの善良ガールのような力の付け方をした者はいない。



『……許可しよう』


鑑定の魔道具。

一見眼鏡のようなものだがれっきとした魔道具だ。


いくつか目のダンジョンクリアをした際に出てきたものだ。

本国にも片手で数えるぐらいしか存在しない。


重要人物である橘優介を鑑定するためだけに持たせられた魔道具。

これがあれば距離の制限はあるものの、職とレベルは判明する。


ただ本国の鑑定者でも魔道具の使用回数を調べることは出来なかった。

回数なのか、時間なのかまだ分からない。

永久に使えるのか壊れる物なのかすらわからない。


それを使用するには局長の許可が必要だ。

そんな大事なものを持たせる割には、許可が電話で済むのは笑えるが。

まぁ、なんにせよそれが手元にあるだけで今はありがたい。


「ありがとうございます」


通信を切りこちらの国に持ち込んでいる鑑定の魔道具を取りにホテルへと移動をした。


「生産系ってマジか?!」


「可能性は高いと思う。 毎朝の草むしり……思い起こせば家へ持ち込んだ後処理されていないのよ。あの大量の草はどこに行ったのかしら」


「そう言えばそうだな」


単なる草だ。

そう思って見過ごしていた。


「今まで発見されていなかった生産系の職持ち……そうだとしたらぜひとも本国に連れ帰りたいわ」


「日本政府も間抜けだな。 貴重な職持ちを年齢だけで制限して見逃して他国に掻っ攫われるなんてな」


「まったくね」


そうしてメリル捜査官は眼鏡型の鑑定の魔道具を持ち橘家へと向かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
続きが気になる場合ブクマや評価して貰えるとやる気に繋がります。宜しくお願いします。 小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
[一言] 誘拐したら父に壊滅させられそう
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ