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17話目 適応


次の日の朝も日課の草むしりを終えて種まきまで済ませ朝ごはんを食べてネットを見る。

もはやルーティーンだ。


ソファーでゴロゴロしながらテレビを見る。


「なんだかどこのテレビ局も『門』について語ってるなぁ」


海外の動画には触れないで門についてコメンテーターたちが意見を出し合っている。

政府の対応だとか、野党の動きとか市民運動だとか、インタビュー映像とか。


本気になった政府は先日『門』に凸した人達を受け、現在知られている場所の『門』を凸者から徹底的に隔離しようとしていた。

具体的な策として防止ネットの周りに警察官を配置し、さらにはその周りを立ち入り禁止のあのテープで囲っていた。

飛来防止ネットの上には防犯カメラまで設置されていた。


「監視してます感満載だね。 他の門も……同じ感じなんだ。 というか門って日本で何個出現したんだろう?」


気になったのでスマホで検索する。 すると県ごとにまとめてある。 どうやら今のところ発見されたのは各県に2、3個のようだ。


「結構少ないね」


通りであの対応が出来るわけだ。 むしろあの配信者は良く『門』 に凸出来たね。


「そう言えば……あの門の上の数字ってなんだろ? いろんな門の上にあるけど全部数字違うな」


門の上には数字が書かれていて、どれも10~20の間のどれかの数字が書かれている。


「そのうち分かるかな」


まぁいいかと回復薬について検索した。






数日たってGWの最終日姉が一人暮らしの家に帰る日がやって来た。


午前中にもかかわらず、姉と二人でのんびりと私の部屋でゴロゴロしていた。

なんだかんだ言ってスキルのことを大っぴらに話せないので、母が家にいる時は部屋にこもりがちになる。


「そういや優奈、【職業】 についてなんか噂が出始めたよ。 知ってる?」


「え? 知らない!! どんな噂?!」


職業っていえば、私は錬金術師でお姉ちゃんは結界師だよね。

他にはどんなのがあるんだろう。


「あれからさ、日本国内で門に凸出来なくなったじゃん?」


「そうだね、警察官めっちゃ頑張ってるもんね」


「んで、海外の凸動画を見てたんだ」


「海外は規制されてないの?」


「さぁ……少なくとも凸してる人たちは結構いるみたいだよ」


「そうなんだ。 いいなぁ」


その国によって対応が違うのはしょうがない。

日本はダメ。 しょうがない。


「んで、モニュメントの門あるじゃない。 あれ開けれる人と開けられない人が居てさ、開けた人が俺は職持ちだーって叫んだらしいのよ」


「職持ち? 普通に働いてる……とかじゃなく?」


「大半がそう思ってるけど、私達からしたら……ねぇ。 だから職について何か意味があるんじゃないかって議論されてるみたいだよ」


「そうなんだ。 って事は勇者イガラシも職持ち?」


「かもしれないね。 あ、あと優奈」


「んーなに?」


「優奈って適応で物変えれるじゃん」


「そうだよ、今更どうしたの?」


「いやぁ、これも挑戦してみない?」


そう言って姉が鞄から出してきたのは紙袋に入ったいくつかの医薬品。


「これを適応するの?」


「お願いできる? だってさ、あの液体怪我を治すんだよ? こっちで言ったら外傷治療薬じゃん」


その言葉にピンときてだらしなく横になってゴロゴロしていた体勢起こす。


「――っそっか!! もしかしたら回復薬になるかもしれないね!!」


「うん。 物は試しにさ、優奈まだMPあるよね」


「あるよ。 じゃあやってみるね『適応』」


そう唱えると外傷治療薬が動画で見た試験管に入った青い液体に変化した。


「あは……あははは……出来たね!! 凄い優奈!!」


「出来ちゃった!! わー!! 凄い凄い!!」


鑑定を使用するとそこには下級回復薬と出た。


「下級……え。 階級あるの?」


「なんて出たの? 下級?」


続いて下位交換を唱えてみたが交換することはできなかった。


「本当に下級なの?」


「……って事は中級と上級もあるのかな? 優奈、分解」


「え? あ、うん『分解』」


すると下級回復薬はディトルク国周辺に生息する草、いくつかに分解された。


「えっと……アマトリスの葉に、ルールディーの葉、サモミュエルの花、ソラスレルの葉?」


「優奈、今から草むしり行くよ!! 種、種集めないと!!」


「あ、うん!! 回復薬やっふー!!」


そこから上機嫌で姉と二人で数時間にわたって草むしりを行い材料を集めた。

毎日草むしりしている私の太ももは少しの疲労で済んだが、慣れない作業をした姉は屍とかした。


「お姉ちゃん、私準備するから結界で回復したら?」


「うん……ちょっと出来るか試してみる。 優奈あと頼んだ……」


姉はひーひー言いながら家の中に引っ込んでいった。



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