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その9

長野「・・・お前、さっきから、本当いい加減にしろよ・・・。」


 そう言ってまた小椋に近寄った。篠崎も池田も、もちろん小椋を鋭く睨んだ。


小椋「・・・それに、勝てるところってどこだよ?」


 と怯まずにそう言うと、すかさず篠崎が叫んだ。


篠崎「おいっ!!てめぇぇぇよ!!」


 この瞬間に三國・畑・和山が素早く動いて、荒れかかった雰囲気を宥めた。


畑「もう落ち着け!冷静になれ!」

和山「これじゃあ試合も何も!できなくなるぞ!」


 そして三國は小椋に寄って、こそっと問い掛けた。


三國「何だ?どうした?・・・何かあったのか?」

小椋「・・・別に。・・・何にもねぇよ・・・。」


 小椋はそう言って、不意に三國の目を逸らした。その口調も冷静であった。


吉田「・・・あ!あそこ!ナリ中だったら勝てんじゃないか!?」


 と吉田がこの場の雰囲気を治める、変えるつもりで言葉を発した。


和山「・・・あ!そうそう!そこだったら勝てるよな!この前も勝ったじゃん!」


 和山も同調して、空気を変えようと努めた。畑もこれを察して発言した。


畑「あ、あとあそこ、上代田も良いんじゃないか?接戦して逆転したじゃん。

  その緊張感もやっぱり、アリと思うな。」


 この後しばし間が空いた。変な静けさが漂った。


長野「・・・上代田よりも、ナリ中だな・・・。」


 と長野がボソッと発した後、篠崎も静かに発言した。


篠崎「・・・三月だったよな、確か。・・・あれから強くなってなかったら良いけど。」


 とにかく室内の雰囲気が収まったようだったので、三國がみんなに問い掛けた。


三國「まぁとにかく、これは前向きにやっていいのか?みんな賛成って事で・・・?」


 そう伝えるとみんなそれぞれ反応した。


畑「もちろん!賛成だ!」

篠崎「大会がないなら、これしかないだろ。」

吉田「実現できるならどこだって良いぜ!」

池田「でもよ、勝って終わりたい。できる事なら。」

和山「とにかく、引退の区切りがつくよ。」


 三國は部室にいる一人一人の顔を見ながら、意見を聞いていた。当然大谷を見たら、大谷も無言だったが数回、首を縦に振った。次に長野を見た。


長野「・・・ああ、頼むぜキャプテン!」


 そして三國は近くにいる小椋を見つめた。


小椋「・・・できるんだったら、やるよ。」


 これでみんなの意見が一致した。


三國「じゃあわかった。明日先生に聞いてみるから。じゃあ帰ろう!」


 と三國が決断したところで、やっと解散する事が出来た。

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