その49
畑「あっ!そうだった!すまない。」
吉田「じゃあみんな集まって!オグも来いよ!」
小椋「中退した身だぜ、俺は?」
池田「関係ねょ!こいつらなんかたった一か月だぜ!」
と言って池田は富田と矢西を見た。
富田「何だと!試合ができて感謝してたくせに!」
矢西「助っ人に向かって言う言葉か!?」
三國「おい、もう良いか?彼女準備してるぜ!」
畑「ミク!お前のヤツだよな!?」
三國「ああ、わかってる!」
そして三國は彼女にこう言って、集まりに加わった。
三國「じゃあお願いしますね。二、三枚くらいで。あと掛け声も。」
プロのサッカー選手たちが試合をする前の、チームの写真を撮る時のような、前後二列に並んで全員がポーズを決めていた。
彼女「はい!じゃあ撮るよ~!はいっ!!」
その時一列目にいた篠崎と池田は、同じ一列目で二人の間にいた畑の顔を、お互い同時に手で隠した。
畑「あああっ!!?」
笑顔を隠されて畑は憮然とした表情で、二人を交互に見つめた。でもその行為を見て、みんな声を上げて大笑いした。
吉田「良いよ!良いから続けて!撮って!」
富田「このままこのまま!」
彼女「はいっ!!」
彼女も笑いながら写真を撮り続けた。取り終わって三國は彼女からスマホを受け取った。
畑「ダメダメダメダメェーっ!!やり直しっ!!何でだっ!!?」
そう言う畑を無視して、みんなは出来上がりのチェックをした。
和山「おっ!良いじゃん!悪くはない。」
矢西「本当だ。良い笑顔だね。」
吉田「よしっ!そしたらじゃあ・・・。」
もちろん畑は反論の声を上げた。
畑「何でだよ!!俺だけ違うじゃん!そうだよね!?」
と畑は彼女にも同意を求めた。
彼女「・・・これで良いじゃん。こっちの方が自然体でみんな本気の笑顔になってる。」
畑「・・・・・そうなの?・・・わかった。じゃあ・・・。」
そう言われて畑は、仕方なく彼女の意見に従った。
畑「・・・でも何でだよ!お前ら性格変わったよな!?」
と畑は篠崎と池田に言い放った。すると二人は淡々とこう答えた。
篠崎「・・・さぁ?俺は変わってないと思ってるぜ。」
池田「一人だけ良い感じになってんじゃねぇよ、その報いだ。」
畑「・・・・・・。」
やっぱり釈然としない思いがある畑に、三國がこうフォローした。
三國「まぁ良い思い出になっただろ?せっかくだから二人の写真も撮ってやろうか?」
それを聞いて畑は機嫌が良くなって、彼女も照れながら微笑んだ。
畑「良いのか!?さすがキャプテン!昔から全然変わってないよ!
ミクだけは俺の親友だ!ありがとう!!」
そう言って畑は彼女とツーショットの用意をした。その一方で長野は再び、小椋に近寄って声をかけた。