その46
畑「よう!お待たせ!・・・ん?」
畑が彼女を連れてやって来た。しかし畑は大里を見て思い出せずにいた。この後篠崎と矢西もやって来た。そして集まってる顔ぶれを見て、篠崎は少し間を開けて言った。
篠崎「おっ!・・・ダリー?だよな、お前?」
それを聞いて畑も思い出した。
畑「あ!そうそう!ダリーだ、ダリー!」
長野「・・・おい、そんな事よりもそっちだろ、そっち。早く言えよ、彼女の事を。」
と長野が皆を代表して畑に問い詰めた。
畑「あ、そうだな、ははは。・・・そう、彼女なんだ、人生初の・・・。」
畑は照れながら横にいる彼女を紹介した。彼女も照れながらも会釈した。
彼女「話は聞いてました。今日集まると。・・・初めましてで何かすいません。」
それを聞いて野郎たちはニヤけた。
富田「・・・い、良いじゃねぇか、クソッ!」
吉田「この野郎、ラブラブしやがって・・・!」
矢西「見せつけるためにわざと仕組んだのか?こんな可愛い女をよ。」
畑「い、いや、そんなつもりはなくて・・・。」
責める野郎たちに対して、畑は当然否定した。この和やかではしゃぎ合う様子を、少し遠くの方から見つめる男が一人いた。それに三國が気づいた。
三國「ん?」
三國とその男はしばし目が合って、お互い近づいた。この三國の行動にみんなが気づいた。
長野「・・・ん?どうした?」
そしてようやく三國はわかった。
三國「あっ!!ワヤン!!ワヤンだろっ!!」
和山「正解。・・・ミクだな、久しぶり。」
そう言って和山はニッコリ笑った。他の奴らも三國と一緒に和山に近づいた。
畑「おおっ!!ワヤン!!どうしたっ!!今頃!?」
和山「すまんな、遅れて。起きたのが十時だったからよ。」
吉田「じゃあ式は?」
和山「残念ながら出てない。」
篠崎「まぁ出なくても良いよ、式なんか。」
富田「こうして来てくれたのが、・・・で、確か連絡取れないって事じゃ・・・?」
和山「ああ、スマホ替えたんだ。前のが壊れてさ。でもこの約束だけは覚えていたからな。」
三國「なるほどな。じゃあ後は・・・?」
長野「池ちゃんがいないぜ、どうしたんだ?」
すると和山が淡々と答えた。
和山「池ちゃんならさっき会ったよ。今トイレに行ったから。
俺と同じくスマホ壊れて替えたそうだ。」
吉田「チッ、何だよそういう事か。」
畑「そしたら後は、タケシに港に高藤か・・・?」
篠崎「タケシはカナダって言っただろ?来てないし来れるかよ?」
畑「あ、そうか。」
大里「カナダ?」
和山「カナダってあのカナダ?外国の?」
長野「じゃなかったら何処なんだ?」
吉田「港も東京だろ?あいつも連絡できなかったし、多分来てないよ。」
和山「へぇ~。」
とそこへ池田もひょっこりやって来た。
池田「いや~、すまん。遅れちまったよ、朝までバイトだったからよ。」
みんな「おおっ!!池ちゃん!!」
池田の登場で再び話が盛り上がった。
池田「・・・ああ、高藤ならあいつ、高校からサッカー部に入って、
今プロ目指して、他県のチームで練習してるぜ。」
みんな「ええええええーーーーっ!!」
それを聞いてもちろん全員が驚いた。
畑「それってJリーグのチーム?」
池田「まだ下部組織だって、事だったと思う。」
吉田「いや~、それにしても・・・なぁ?」
和山「俺たちの仲間からそんな奴が出るなんて。しかも高校デビューでな。」
三國「けどよく知ってるな、こっちは繋がりが薄いのに?」
池田「知り合いの知り合いを通じて最近知ったんだよ。俺だってそこまでの仲じゃなかった。」
長野「・・・まぁそれにしても、じゃあこれで全員って事になるのか?」
三國「・・・・・・。」