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43/50

その43

三國「・・・もう出るのか?」

長野「ああ、そうした方が良いだろ。」

富田「・・・集まって何するんだ?飯か?」

長野「この後どうするかは知らんが、・・・でも写真は撮ってないだろ?集合しての。」

富田「ああ、確かにな。わかった。」


 そう言って長野と富田は立ち上がった。まだステージでは大和田がダンスをしている途中だった。三國は二人の後に続いて席を立った。そして三人は会場を出た。


三國『・・・いつかまたどこかで・・・。』


 そう心で呟いて、三國は大和田への想いを封じた。



富田「・・・なぁ、そう言えば、・・・あの時の顧問って誰だった?」


 会場を出た後、急に富田が二人に質問した。


長野「・・・ええっと、・・・何だっけ?・・・顔は出てくるんだけど・・・。」


 と言って長野は三國を見た。三國は淡々と答えた。


三國「岸だったよ。・・・フルネームは言えないけど。」

長野「あ、そうだった、そうそう。・・・でもさ、俺たちの代で居なくなったろ?」

三國「ああ。・・・転勤したんだ、別の中学に・・・。」

富田「・・・ふ~ん。まぁそんなに思い入れはないけどな。」

三國「そりゃそうだ。お前にとっては一か月ちょっとだもんな。」

長野「・・・だったら卓球部の方はどうなんだよ?」

富田「・・・・・・そっちもそんなに思い出はない。」

長野「薄情だな。だから友達がいねぇんだよ。」

富田「・・・でもお前たちがいるじゃん。」

長野「じゃあ有難く思えよ、今後ずっとな。」

富田「・・・・・・それはない。」

長野「何だと?」

三國「・・・あ、誰かいる。畑か?」


 式前に集まっていた場所には、すでに二人が到着していた。でも何か違った。二人のどちらも畑ではない。違う誰かだ。


長野「・・・ん?・・・違うぞ、誰だ?」

富田「・・・二人とも誰だ?」


 三人とも場所に近づくにつれて、段々と二人の正体がわかった。


長野「・・・一人はヨッシーだな。」


 そしてもう一人。三國はハッと思い出した。


三國「・・・あ!あれは大里?じゃないか!?」


 長野も富田もその名前を聞いて、ふっと記憶が蘇った。


富田「・・・あ、ダリーね!そうだそうだ!」

長野「いたいた!めちゃくちゃ足が速かったよな!」


 そして三人はその場所へと着いた。そこにいた二人は間違いなく、吉田と大里であった。


長野「よう!!ダリー!!久しぶりだな!!」

富田「ヨッシーも久しぶり!」

吉田「さっき会ったじゃねぇか!?そう言えばお前、

   あの時俺のジュース、黙って勝手に飲んだろ!?」

富田「さっきも聞いたぜ、それ!いつまで言うんだ、いい加減にしろ!」

吉田「いいや、ずっと覚えておくし、お前に会う度言ってやるから。」

富田「・・・ったく、成人のやる事じゃねぇぞ!」

大里「・・・意外としつこい男だったんだな、お前。」

長野「・・・確かにヨッシーのマークはしつこかったよ。まさか性格からとはね。」


 そんな思い出話をしている四人を見ながら、三國は微笑みながらも、それとは違う事を思い出していた。それは志田原中サッカー部の顧問だった岸についてだった。


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